和暦

和暦

[1] 和暦は、日本です。本項では、日本の暦全般を扱います。

呼称

[2] 日本のことを、和暦邦暦Japanese Calendar などと呼びます。

[3] これらの言葉の指すものは、日本システム全般だったり、 元号のことだけだったり、旧暦のことだったりします。 どれを意味しているのかは、文脈から判断するしかありません。 元号を指す用法は現代日本の紀年法

暦法

[4] 以後の日本の暦は、改暦ノ詔書並太陽暦頒布閏年ニ関スル件によって規定される太陽暦であり、 西洋グレゴリオ暦月日が完全に一致しています。

[5] それ以前は、旧暦でした。

[52] 祭事などでは現在でも旧暦を用いる場合があります。 あるいは月遅れ暦によることもあります。 旧暦月遅れ暦

[127] 東アジアには、 中国式太陰太陽暦日付漢数字で、 グレゴリオ暦日付アラビア数字で表記する書き分けの慣習が一部にあります。 日本においても、 旧暦漢数字、 新暦をアラビア数字で書くことがあります。 しかし広く普及し認知されているとは言い難いです。

紀年法

[6] 現代日本では、 紀年法として日本の元号西暦が併用されています。 その他のいろいろな紀年法が使われることもあります。 現代日本の紀年法, 日本の紀年法, 日本の元号

年度

[129] 4月年始とする会計年度学校年度を始めとする様々な年度グレゴリオ年と併用されています。

年度参照。

月名

[45] 日本では、月名月番号 + 接尾辞の「」 によって表されてきました。例えばあるの4つ目の4月と呼ばれています。

[46] その他に、卯月のような異称も使われてきました。 現在もたまに用いられている代表的な異称の他に、 様々なバリエーションが知られています。 詳しくは日本の月名を参照。

[47] 旧暦時代には、第1月のことを正月と呼ぶのが正式とされていたようです。 現在と同じように1月と呼ぶこともあったようですが、どれくらいの比率だったのかはわかりません。

日付の換算

[40] 暦法紀年法和暦西暦の換算については、 暦の換算を参照。

曜日と週

曜日,

時刻

[9] 明治6年1月1日以後、 改暦ノ詔書並太陽暦頒布で制定された定時法と、 12時間制が用いられています。

[11] 分野によっては24時間制も用いられています。

[12] 現在の日界正子ですが、分野によっては30時間制などが用いられることもあります。 歴史的には他の日界も用いられました。 日界

[10] 標準時として、 UTC と9時間の時差がある中央標準時以来用いられています。

[15] UTC への閏秒の挿入と同期して標準時にも閏秒が挿入されています。

閏秒参照。

[30] 例外として、建築基準法に定められた日影規制においては、 冬至日真太陽時が用いられています。 真太陽時は観測位置によって異なりますから、法令上定められた時間が表す中央標準時時間も、 建築物所在地によって異なってきます。

[213] いくつかの法令日出日没時間制限の基準としています。 日出入

祝日

[13] 日本の祝日を参照。

日時形式

[14] 日本国内で法令その他によってすべての場合に適用される日時形式は存在していません。

[17] 日本政府によって定められた日時形式として、 e-Statの日時形式があります。 日本政府によって制約が定められた日時表示として、 日本の賞味期限表示があります。

[183] 他に日本政府によって公認されたものとして、 ISO 8601翻訳規格である JIS X 0301 は、 グレゴリオ暦/西暦に相当する ISO 8601暦と、 その表現方法である ISO 8601の日時形式を定義しています。 元号年の記述については日本の法令を参照しています。

法的な状態

[174] 日本国における日時法令上の状態は、次のように整理できます。

[18] メートル法と標準時(落書き帳 記事集), https://uub.jp/frm/search.cgi?KJN=1&KJNS=3290+15066+45385+67006+73957+73958&ORDR=NON&TITLE=%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E6%B3%95%E3%81%A8%E6%A8%99%E6%BA%96%E6%99%82&KIX=1

1896年から「中央標準時」と改称された明治19年の勅令[73957]には、

明治21年1月1日より東経135度の子午線の時を以て本邦一般の標準時と定む

と書いてあるだけで、それが平均太陽時であることさえ示されていません。

旧暦時代の明治4年に始まった午砲(ドン)[22989]でさえも 平均太陽時によっていたので、明治19年の標準時も明治28年に改称された中央標準時も、当然平均太陽時を想定していたと思われるのですが… 要するに、標準時の定義に関する法令は明治のまま放置されており、時間の定義に比べて厳密さを欠いた状態であることは明らかです。

[23] 明治4年から明治11年の東京城午砲平均太陽時だったのかは検討が必要 幕末維新期の日時

[19] 83_KJ00001681404.pdf, https://www.jstage.jst.go.jp/article/tokeieafj/83/0/83_KJ00001681404/_pdf#page=1

勅令の 中で ,東 経 135度の 子午線 を 規 定 し て い る の は , 標 準 時 が 本 質 的 に 地 球 自転 lc基 く太陽時で あるこ とを 暗黙裏に 示 した もの で , こ の こ とは 現 在の 標準時に 関 して も原 則 的 に 貫か れ て い る

[20] >>19 ということで明治の制定時点では当然に太陽時であると解釈するのが妥当。 平均太陽時であるとは書かれていないので確かに厳密さを欠く。

[21] 太陽時であると明記されていなかったため昭和時代に標準時の現示を管掌する行政機関である東京天文台が法改正無く原子時に移行させられた >>19。 明文法的な厳密さを欠くものの、 運用の技術的詳細は行政機関の裁量で定めるので十分で、 秒未満の差しか生じないから一般国民の生活にも支障は生じないので、 法制論的に問題視されることも普通はない。 (意図的にせよそうでないにせよ、 時代環境の変化によって曖昧な条文の解釈を微調整するのは他分野でもよくあること。)

[22] しかし閏秒で1秒の挿入 (と削除) を行って現実に国民生活に支障をきたす事象が生じている 閏秒 のは法改正なしで行える裁量の範囲の逸脱ではないかと思わんでもない。

[24] >>18

JJYの法令上の根拠は 総務省設置法 第四条七十三号と思われます。

周波数標準値の設定、標準電波の発射及び標準時の通報に関すること。

この法律に使われている言葉は“標準時”【普通名詞?】であり、「日本標準時」でも「中央標準時」でもありません。

本稿を書くにあたり主として参照した『青木信仰著 時と暦(1982 UP選書)』の254頁によると、発射する標準時の内容は郵政省告示【現在は平成11年総務省告示第382号?】で詳しく規定しており、

勅令の中央標準時が法的には生きており、郵政省の告示の標準時とは別ものである。というか「中央標準時」と「標準時」の間には法的関係がない。

と記されています。

東京天文台(当時)の先生の発言ですから“法的関係がない”ことに間違いはないでしょうが、筋道としては、国立天文台がその目的に沿って UTC+9時間 = 「中央標準時」という“決定”を行い、(総務省に?)“現示”し、総務省管轄下のJJYプロジェクトが“標準時の通報”を行うという実務関係があると推測します。「日本標準時」は JJYのサービスネーム(役務名称)でしょう。

[25] 「別もの」「法的関係がない」は無理がある。 中央標準時以外に「標準時」があってそれを通報しても条文には字句上は違反しないが、 そういうものは知られていない。 明文規定がないからといって関係ないとまではいえない。

実施

[16] 頒暦報時を参照。

アイヌ暦

[128] かつて北海道樺太千島列島で用いられた日時は、 アイヌ暦を参照。

識別子

日本の元号, 元号コード

プログラムの実装

暦の換算, 旧暦, 日本の元号

CLDRの和暦

[34] GitHub - zr-tex8r/BXwareki: LaTeX: Support for Japanese calendar (和暦), including the new gengo, https://github.com/zr-tex8r/BXwareki

改暦案

[33] あまり人気がありませんが、改暦案は繰り返し提示されています。

メモ

[38] Template:和暦 - Wikipedia ( 版) https://ja.wikipedia.org/wiki/Template:%E5%92%8C%E6%9A%A6

[39] ノート:6月2日 - Wikipedia ( 版) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88:6%E6%9C%882%E6%97%A5

[98] 国立国会図書館デジタルコレクション - 太政官日誌. 慶応4年 第1−2巻 (慶4-明9) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787614/74

[99] 国立国会図書館デジタルコレクション - 太政官日誌. 明治2年 第11−20号 (慶4-明9) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787635/21

[100] 国立国会図書館デジタルコレクション - 法令全書. 明治2年 (明20-45) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787949/52

[101] 国立国会図書館デジタルコレクション - 法令全書. 明治2年 (明20-45) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787949/42

[102] 国立国会図書館デジタルコレクション - 法令全書. 明治5年 (明20-45) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787952/78

[103] 国立国会図書館デジタルコレクション - 法令全書. 明治6年 (明20-45) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787953/91

[104] 国立国会図書館デジタルコレクション - 法令全書. 明治6年 (明20-45) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787953/114

[110] 国立国会図書館デジタルコレクション - 法令全書. 明治2年 (明20-45) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/787949/209

[132] Kyoto University Research Information Repository: 古代日本の曆に就て(8) () https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/168084

[135] 平成元年都市計画環境保全委員会 本文 1989-09-07 東京都議会 会議録検索 () http://www.metro.tokyo.dbsr.jp/index.php/8168983?Template=doc-one-frame&VoiceType=onehit&VoiceID=413879

規制される日影は、規制対象区域内におきまして、冬至日の真太陽時の午前八時から午後四時までに、敷地境界線から五メートル及び十メートルを超える範囲に生ずる日影となっております。

なお、ただいま申し上げました午後八時から午後四時までという時間は明石の日本標準時間でございまして、東京標準時では二十分ほど早くなり、午前七時三十九分から午後三時三十九分までになっております。さらに、その規制時間は、建築基準法に定める基準のうちから、地方公共団体が、それぞれその地方の気候、風土、土地利用状況等を勘案して、条例で指定することになっております。

[7] 「ホモ・ヒストリクスは年を数える」(11)~キリスト紀年を表す造語『西暦』~ 脱宗教化による文化移入こそ明治日本の英知(THE PAGE) - Yahoo!ニュース () https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190527-00010001-wordleaf-cul&p=2

和暦に対応して西暦が使用されたのだという人がいるが、どうもそうではないようだ。むしろ順序は逆で、和暦は1990年頃以降、西暦に対応して造語された用語のようである。西暦が暦ではなくキリスト紀年を意味するのに対応して、和暦も日本の伝統的な暦ではなく、元号紀年を意味する用語として使用されているからである。

[8] 天孫紀元 - Wikipedia (, ) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%AD%AB%E7%B4%80%E5%85%83

西暦はもとより和暦である元号・皇紀に比べても、使われることが少ない。

[31] 時文輯要総釈 : 清国時文 巻之1, 足立忠八郎, , , https://dl.ndl.go.jp/pid/869367/1/43

東曆

[32] 小学校教授の実際 : 大正新編 高等科第2学年用前期, 今井弥市, , , https://dl.ndl.go.jp/pid/938225/1/74

ここでいう東曆は皇紀のこと

[35] https://tsuyama-nit.repo.nii.ac.jp/record/1461/files/%E6%B4%A5%E5%B1%B1%E5%B7%A5%E6%A5%AD%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%B0%82%E9%96%80%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%B4%80%E8%A6%81_20-14.pdf