[1] Musa は、 世界各地の言語を表記できるという人工文字です。
[2] 純粋な文字としての性質の他にいくつか付随する規定があります。
[3]
公式サイトで PUA
[ U+E000
, U+E2FF
]
の割当が定められていて、それを利用したフォントが数種類配布されています。
[5] しかし文字の改良のため変更され得るようなことが書かれています。 >>167
[39] Font Downloads, , https://www.musa.bet/fonts.htm
The second word is always 'Musa', to show that this font offers coverage of the Musa letters (codepoints E000-E2FF).
[4]
U+E000
は
「end-of-text character」
で
ASCII 0/3 ETX
や
C言語の 0x00 NULL
のように表示・転送するテキストがもうないことを表すと説明されています
>>167。
[6]
Unicode を使うなら U+0000
でも U+0003
でも使えるので、
U+E000
がいつどのような目的で使うものなのかは不明です。
配布フォントでは空白字形になっています。
[11]
文字と組み合わせて使う「markup」が定められており、
PUA
のうち
[ U+E200
, U+E2FF
]
の各符号位置に機能が割り当てられています。
>>168
[12] このマークは公式のエディターが対応しているようです。 また、可視化するフォントが提供されています。
[13] 太字、 見出し、 右寄せ、 4倍サイズ、 黄色背景、 青文字、 フォント指定 (各公式提供フォント)、 といったような文字や背景の各種属性を変更する開始タグ相当の符号位置各種と、 直近の開始タグと対になる汎用の終了タグ相当の符号位置1つがあります。 >>168
[7] 音節などの単位の複数の字形の組み合わせで1マス分の字形のように扱うことがあります。 この仕組みは gait と呼ばれています >>34。
[16] 日本語については、もはやほとんど忘れ去られた感のある漢字廃止論の焼き直しにより、 Musa の優位性が語られています。 >>15
[17] 名簿に記載のある日本人協力者が起草したのか、 日本語を齧った非日本語母語話者 Musa プロジェクトの関係者の感想なのか謎ですが、 いずれにしても近代日本100年の国語国字問題の初歩をなぞった程度のものです。
[18] ただしラテン文字でも日本語新字でもない (そして英語やエスペラント語でもない)、 世界共通の新字の導入を提案するのは斬新です。 過去にもこのような構想はなかったのではないでしょうか。
では、仮名だけで書きませんか?
または私たちはローマ字で書くことができます!事実、このことは大政奉還以降、何度も提案されており、今もまだ議論が続いています。
[24] いやさすがにそれは無理でしょw 「日本には今もまだ忍者がいます。」レベルですよw
[20] Musa にはアクセント表記法があり、 日本語表記でもそれを使うとされています。 >>15
[21] これも斬新な提案で、 学術目的以外でそのような表記を導入しようとしたことはなかったのではないでしょうか。
[22] しかし平均的な日本人ががんばってこの文字を覚えたとして、 自分の普段喋る言葉を正しくアクセント表記するのは、 困難ではないでしょうか。
[25] 日本語表記には、基本的に音節単位にまとめられたムサカナが使われます。 >>15
[26] しかし同音語の区別のために、 トモ漢字が使われます。 漢字の後にムサカナを書きます。 >>15
[28] 学習者向けには、ムサカナの上ルビでトモカナ (トモ仮名) と呼ばれる平仮名表記を使うようです。 >>15, >>32
[29] 過去の表音主義者らは、 語彙整理によって同音語の問題を解決しようとしていました。 Musa はそうではなくトモ漢字でそれを解決しています。
[30] これは従来にない斬新な解決(?)策ですが、 Mura 表記に変えることで難しい漢字を学ばずに済むという主張と矛盾しています。
[31] 日本人に訴求するには、既に行われている漢字 + 振り仮名の表記に対する優位性を示さなければならないのではないでしょうか。
[40] 数の表現は、専用の数字ではなく通常の文字を数字として使います。 >>38
[41] 十進数の他に、 十二進数、 十六進数等各種進数の表現が決められています。 符号と別に -1、-2 のような負数を1文字で表す negative digit (負数字)、 前の数字の繰り返しを表す repeater (踊り字)、 分数・百分率・指数・指数表記といったものに相当する表現などが決められています。 >>38
[42] 踊り字の文字を2つ重ねると省略を示す「・・・」に相当する表現になる >>38、 -0 は0除算の結果や極限の -0 や百分率表記における 「100%」 の「100」の部分を表しつつ、何を掛けても -0 になる値でもある >>38、 といったように1つの文字に文脈ごとに違う意味が割り当てられていたりして、 相当に複雑です。
[43] 最も基本的な十進数の位取り記数法だけでも、 負数字のために難易度がかなり髙いです。 「11:55を12時の5分前と書けたら便利だ」 >>38 という説明がなされていますが、 「2 -2 々」 に相当する文字列が 178 を表すと言われても、困ってしまいます。
[45] 数式の各種表現もまったく独自のものが定められています。 >>44
[46] 円周率等の定数も独自のものが定められています。 >>44, >>54
[47] 序数は 0から数えると決められています。 >>38 従って一番目、二番目、三番目のことは第0、第1、第2に相当する表現になります。
[50] Janus numbers と呼ばれる十二進法が定義されています。 >>48 数値表現法の中で特に推されているようです。
[51] 十二進法の位取り記数法や指数表記ですが、数字として -6, -5, ..., -1, 0, 1, ..., 6 の13種類を使います。 -6 と 6 のどちらを使うかは桁によります。 >>48
[54] Janus Units として Janus Numbers と共に用いる各種単位や物理定数が定められています。 >>53
[55] 時間長の単位は Janus Units において
1 Chronit = 6.43391816709006 × 105 seconds
とされています。 >>53 2つの瞬間の間の elapsed time (経過時間) はこれによります。 >>61
[62] 特定の瞬間は absolute time (絶対時刻) といい、 Janus Clock によって表します。 Janus Clock とは Epoch からの経過時間長で記述します。 時間長は Chronit 単位量で数えますが、 Orit (Or) という専用の単位で表します。 Janus numbers で記述します。 >>61
midnight UTC the morning of 22 December 1957, 2 hours and 49 minutes before the winter solstice during which Sputnik was in orbit, representing the beginning of the Space Age
とされています。 >>61 つまり
で、「宇宙時代の始まり」であることから選ばれたそうです。
[69] date (日付) は Epoch からの経過 day (日) 数の整数で表します。 単位は Dattit (Da) です。 Da 0 が 22dec1957AD () となります。 やはり Janus numbers で記述します。 >>61
[70] Janus year は、年始を冬至とし、 Epoch からの経過 year (年) 数の整数で表します。 単位は Annit (An) です。 An 0 が 22 December 1957 CE () から始まる year となります。 やはり Janus numbers で記述します。 >>61
[71] Janus day は社会活動用の単位です。 正午すなわち太陽の正中に anchor されます。 day は local なもので、都市単位で事前に政府当局が定める local time standard によります。 例えば仏国政府はノートルダム大聖堂前の零点の solar noon 基準で local time standard を設定できますし、 日光節約時を実施したければ毎日数分ずつ local time を進めて日の出が同じ local time of day になるように設定できます。 Muslim standard は日没を一定にすることもできます。 >>61
[72] Janus day の長さは24時間相当とは限りません。 >>61 30時間制的に便宜的な範囲を表せるようです。
[74] times of day (日の時刻) は Chronit の時間長によりますが、 単位は Solit (So) とし、 正午を基準に午後は正、午前は負の Janus numbers で記述します。 >>61
[75] 時間帯がなく >>61 地方真時を各都市ごとに使うという近代的標準時制度以前の時刻系ですが、 absolute time と併用することで地域間でも換算できるので良いということらしいです。 国際的にも日付 + 地方時よりも単純な absolute time が使えて良い >>61 と主張されています。
[76] 交通と通信の発達により近代的標準時制度が確立した経緯の真逆を行っており、 無理筋ではないでしょうか。 absolute time で簡単に地方時に換算できるというのは、 情報機器の発達した今の時代なら確かに実現できそうですが、 そもそも換算しない or 単純な整数加除で済む現在の時間帯体制のメリットを軽視し過ぎています。
[77] また、
the standard is published in advance as a formula which, for a given date in a given location, produces the offset between absolute time and local time
... つまり世界各国当局が地方時刻標準を事前に出版するので簡単に換算できる、 という構想 >>61 は、それより遥かに単純な現行標準時制度の元ですら tzdata 等の時間帯データベースのメンテナンスに日々どれだけの労力が割かれ、 それでも毎年世界の何処かでトラブルを起こし続けているかを知っていれば、 到底実現不可能だと言わざるを得ません。
[90] 暦法改良案にありそうな独自の新暦法が定められています。
[78] Janus year は、12 の Months (月) を含みます。 月名は対応関係にある黄道十二宮のラテン語名に基づき、省略形もあります。 >>61
[79] Month は、30 の days (日) から成ります。 >>61
[80] Month は 5 つの Weeks (週) から成ります。 >>61
[81] Week は 6 つの days (日) から成ります。 曜日名は six Olympian children of Zeus に基づき、 1文字の略称もあります。 七曜の土曜日以外との対応関係が決められています。 >>61
[82] 4 つの Months で構成される seasons (季節) の合間に 4つの Holidays (祝日) があります。
Holidays はそれだけで独立した month, week (Holiweek) として扱います。 >>61
[102] Holiweek は飛び飛びですが5日または6日あります。 曜日は順番に割り振られています。
[92] 5つの elements (元素) があり、週と日に割り当てられています。 >>61
[98] 週にはそれぞれ割り当てられています。 日には週と重ならない4つが繰り返されます。
[88] 週末はなく、個々人がスケジュールを持ちます。 >>61
[99] 個人の労働スケジュールは個人の要素を週・日の要素と見比べて決めます。
[100] month, week, day of the week, day of the month の各略称をこの順で並べて、 day of the year の略称とし、単位 Hemerit (He) で表します。 >>61
[104] 緯度、 経度は、 北緯と西経を正、 南緯と東経を負で表します。 >>61
[108] Janus numbers と Janus Units の角度の単位 Torit (To) で表現します。 >>61
[107] 緯度経度組み合わせて単位 Lokit (Lo) で記述します。 >>61
[110] 方位角: Compass Directions (Headings and bearings) は、 due west (西) から時計回りの角度で表します。 >>61
[111] Janus numbers と Janus Units の角度の単位 Torit (To) で表現します。
[9]
Musa
で書かれたウェブサイトを収容する
.musa
,
.
(U+E17E
)
のような
TLD
を想定しているようです。
>>8
[10] しかし構想だけで実在していないようです。
[57] 協力者ページには世界各国から2桁人の名前が掲載されています。 その他の支持者も含めて賛同者がどのくらいの規模なのかはよくわかりません。 賛同者がどれだけ実践しているのかも謎です。
[56] Musa Alphabet - YouTube, https://www.youtube.com/@musaalphabet3227
[58] 紹介動画はあまり再生されていないようですね。
[59] 新しい文字だけでも大事なのに、数や単位系や日時システムなど風呂敷を広げすぎではないですかねえ。