[1] 共産主義者や社会主義者は、 なぜかキリスト教の日時制度を採用しています。
[2] 共産主義者は宗教弾圧的な勢力から融和的な勢力まで幅広いようですが、 なぜかほとんどが共通してキリスト紀元 (西暦) を採用しています。
[3] 共産主義の本拠地であるロシアや欧州が、 19世紀時点でキリスト紀元を採用していたことに拠るのでしょうか。
[4] 外蒙古、 中華人民共和国、 朝鮮民主主義人民共和国、 ベトナム民主共和国といった後続の共産主義国家が、 伝統的な紀年法を捨ててキリスト紀元を採用しました。 皇帝などの従来の権力を否定する意味と、 共産主義の盟主ソ連への従属を示す意味があったのでしょうか。
[6] さすがにキリスト紀元を採用するとは言えないためか、 中華人民共和国では公元 (= 共通紀元) と呼んでいます。
[21] 日本の共産主義者は世界紀元と呼ぶこともありました。
中国共産党は早くから西暦を使っていた。
それは共産主義がインターナショナルな場を前提としたことからみても、当然のことであった。
[5] ただし、 朝鮮民主主義人民共和国はソ連と共産主義から距離をおいてから、 将軍家の独自思想 (主体思想) に因んだ元号 「主体」 を制定し、西暦と併用しています。 改元ではなく併用であるところが、 共産主義やロシア・中華人民共和国と離れきれない距離感を表しているともいえます。
[8]
日本共産党は、
元号の利用に反対し、
キリスト紀元の専用を目指しているようです。
しかし機関紙の
赤旗
は日本の元号の記載を一旦廃止したものの、
読者の要望により復活させました。
支持者ですらそんな調子では、
日本での共産主義革命は遠い夢のようです。
[18]
日本共産党は九州王朝説を支持していたようで、
国会で九州王朝や九州年号に触れて質問したことがありました。
反日本政府、
反天皇制、
反元号制度の立場から親和性を感じたのでしょうか。
[7]
極左主義者には共産主義以外の観点に重きを置く宗派もあり、
少数ですが、それぞれの主張に基づく独自の紀年法もみられます。
[20] 共産主義や社会主義を支持する者の中には、 秩父暴動を失敗したとはいえ無産市民による暴力革命の早期の事例として称賛する人達がいて、 そこで使われたとする説のある自由自治の元号を高く評価することがあります。
[17]
歴史的経緯から反日本本土、反米的な傾向があって共産主義・社会主義系の勢力が強い日本国沖縄県では、
そうした政治的背景から日本の元号が好ましくないと考える人達がいます。
[15]
東アジアの共産主義国には、
共産党の独裁政権への風刺的な私年号がみられます。
共産主義が否定し撲滅された皇帝制度のもと成立した元号文化が、
共産主義批判の道具として復活しているのも必然でしょう。
[9]
ソ連は、
革命後ユリウス暦からグレゴリオ暦へと改暦しました。
さらに、
独自の5日の曜日制度と労働制度を導入しました。
キリスト教色の強い週を廃止し、
共産主義思想に基づく日時制度で塗り替えようとしたものでした。
ところがこれが極めて評判が悪く、
完全実施できないまま廃止され、
元の週に復されました。
[10] 中華人民共和国、 外蒙古、 ベトナム民主共和国、 朝鮮民主主義人民共和国も、 伝統的な暦法ではなくグレゴリオ暦と週を採用しました。 しかし民族の伝統文化を消し去るのは難しかったようで、 民間では旧暦が生き残っています。 旧正月など一部が国家の祝日として続いていることすらあります。
[11] 共産主義の本場ロシアをはじめとする東欧でも、 キリスト教 (正教) がグレゴリオ暦を採用せず、 ユリウス暦や折衷暦を使い続けています。 例えばロシアのクリスマスは現在でもユリウス暦によります。
[12]
ソ連や外蒙古は、
通年夏時刻を標準時とし、
そこから更に季節性夏時刻を実施していました。
近年は健康問題から季節性夏時刻を廃止し、
通年夏時刻としています。
[13]
ソ連が広い国土を複数の時間帯に分けているのに対し、
中華人民共和国は全国に単一の標準時を施行しています。
これを中国共産党による独裁政治の象徴と捉える人も多いようです。
[14]
日本共産党は国民生活への悪影響から夏時刻実施に反対しています。
労働者の利益を代弁する立場の政党としては当然のことでしょう。
(昭和のサンマータイムの時代は、
反米主義的立場から反対していました。
[19]
一方で共産党以外の左翼政党や労働団体は、
曖昧な立場を取ることが多く、
積極的に実施しようとするものすらあります。