<available>

西暦1991(平成3)年のHTML

[12] HTML は、 まだ誕生直後で、非常に簡潔なものでした。

現存最古の HTML 文書

[164] 現存最古のHTML文書片とされるもの >>165 は、 頃に書かれたと推測されています。 >>46

[166] その出所と推定の根拠は明記されていませんが、 これは頃に書かれたと推測され、 W3CWebサイト付となっている論文ファイル内に含まれていた HTML 例文であり、 というのは挿絵ファイルの日付です。 >>163

[167] 同論文を読む限り、この段階ではまだ実用に供されたわけではない、 企画説明の例文として作られたものと思われます。

[168] 利用されたタグ: >>165

[216] HTML要素概説
要素名
author
日付
説明
頃に作られたと思われる HTML 例文に author がある。
出典
HTML 1991

HyperText Implementation

[50] 最初の HTML の実装の一部分と思われる HyperText Implementation (HyperText.m) は、 現在の W3CWebサイトでファイルの日付がとなっていますが、 ファイル中の注釈日付があります。 >>49

[162] この当時最初の Webブラウザーは HyperBrowser と呼ばれていました。 付の論文挿絵ファイル >>163 で HyperBrowse の名が確認できます。 >>46

「HTML」

[161] ファイル名拡張子の設定の痕跡から、 時点で 「HTML」 という言語名があったと推測されています。 >>46

付HTML文書

[51] W3CWebサイトにファイルの日付がHTML文書があります。 >>44

[52] 現存最古の HTML文書とされます。 >>45

[55] title, h1, a (href) が使われています。 >>44

付HTML文書 (ECHT関係)

[53] から国際会議 ECHT '90 (the European HyperText Convention) に Tim Berners-LeeRobert Cailliau が参加しています。 HTML の開発に影響したと考えられています。 >>45

[54] ECHT に関連するHTML文書群があり、 からまでの日付となっています。 >>58

[125] 以上から推測できること

[173] HTML要素概説
要素名
nextid
日付
説明
付の WorldWideWeb ソースコードでは、 nextid が実装されていた。 付の文書が最古の用例である。
出典
HTML 1991
[174] HTML要素概説
要素名
ol
要素名
ul
要素名
li
日付
説明
付ファイルに ol, li があるのが現存最古の用例である。 また、 付ファイルに ul があるのが現存最古の用例で、 以後 ol は使われなくなる。
出典
HTML 1991

付HTML文書

[18] ファイルの日付がHTML文書があります。 >>17

[26] 既存の SGML文書との互換性 (ハイパーリンクを書き加えればそのまま WWW で使える) と慣習・学習との連続性 (今まで覚えたやり方でそのまま書ける) のおそらく両方なのでしょうが、 CERN で使われていた SGML応用をそのまま引き継ぎつつも、 すべてを再実装しなかった (できなかった or 必要性を感じなかった) 結果として、 知らない要素と属性は無視するという今の仕様が生まれたのですね。
[28] </ul>typo に気づかなかったのは、 ulol が同等として実装されていたためなのでしょう。

[34] 付ファイルがあります。 >>33 前年のもの >>17 とほぼ同内容ですが、 少し違います、

[35] 前年のファイルを WorldWideWeb で編集したものがこのファイルと推測されます。

[175] HTML要素概説
要素名
xmp
要素名
dl
要素名
dt
要素名
dd
日付
説明
付ファイルにあるのが現存最古の用例である。
出典
HTML 1991

付HTML文書 (RPC関係)

[130] RPC ソフトウェアのマニュアルとして、もとの SGMLguid 文書を HTML に書き換えたものがあります。 >>45

[131] HTML文書のうち古いものは付、 新しいものは付になっています。 >>129 古いものは手書きと推測され、新しいものは WorldWideWeb による編集と推測されます。

[148] これらの「HTML」文書はファイル名こそ .html ですが、 その内容は現在知られる HTML とは違いが多く、 大部分のファイルは現在の Webブラウザーで適切に表示することができません。 (同時期の ECHT 文書群 (>>53) が現在の Webブラウザーでもそのまま表示できるのとは対照的です。)

[149] Sean B. Palmer はこれらは HTML というよりはその前身の SGMLguidハイパーテキストに書き換える過程のものだろうとみています。 >>45

[150] 現在からみれば HTML にない機能が多く含まれていますが、 当時からすればまだ何が HTML で何が HTML でないか確定していません。 HTML では無いと考えるよりは、既存の SGMLguid の機能のうちどれだけが必要で WorldWideWeb で再実装するべきか、 試行錯誤の過程がたまたま現在に伝わったとみなすのが自然なように思われます。

[151] 当時これらの「HTML」文書を表示できる実装が存在していたのか、 それとも当時の実装でもまだこれらを適切に表示できないまま不要な機能と判断されたのかは明らかではありません。

[190] HTML要素概説
要素名
box
日付
説明
付ファイルに box がある。 CERN SGMLguid 形式から HTML に変換したファイルで、 注意事項のようなものを表すものだった。
出典
HTML 1991
[191] HTML要素概説
要素名
fn
日付
説明
付ファイルに fn がある。 CERN SGMLguid 形式から HTML に変換したファイルで、 脚注を表すものだった。
出典
HTML 1991
[192] HTML要素概説
要素名
i1
日付
説明
付ファイルに i1 がある。 CERN SGMLguid 形式から HTML に変換したファイルで、 索引付けのためのものだった。
出典
HTML 1991
[193] HTML要素概説
要素名
bibref
要素名
bl
要素名
bib
日付
説明
付ファイルに bib, bibref, bl がある。 CERN SGMLguid 形式から HTML に変換したファイルで、 参考文献を表すものだった。
出典
HTML 1991

MarkUp.wn

[154] MarkUp.wn というファイルがありました。 かつては付のファイルが入手可能だったようです。 現在得られるのはそれを Sean B. Palmer が紹介したものです。 >>46, >>153

[155] Sean B. Palmer の分析によると、 このファイルに含まれていたのはからにかけての期間に書かれたと思われる HTMLの仕様書で、 その後電子メールWebサーバーで公開されるHTMLの仕様書の古形に当たるものです。 CERN 内部で配布されたものと推測されています。 >>46, >>153

[156] ファイル中には3つの版があり、古い順に 01, 02, 03 と呼ばれています。 >>153

[157] 規定の概要:

WorldWideWeb

[16] 変更履歴によると WorldWideWeb中に数回更新されています。 HTML要素の追加もありました。 WorldWideWeb

[158] https://web.archive.org/web/20140727094820/http://www.openstep.de/net/www/apps/historic/WWWNeXTStepEditor_0.12.tar.gz

[159] >>158 時点。現在知られる最古。 当時の HTML文書もいくつか入っている。

[160] >>14 はこのファイル自体は >>158 のものと同じだが、 その他のファイルはその後に更新されたものもある。

WorldWideWeb ParseHTML.h

[1] Webブラウザー WorldWideWebソースコードParseHTML.h では、次のようにHTML構文解析されるようです。

[13] 構文解析器の動作であって、言語の仕様ではありません。
[42] 本章で参照されている付ソースコードは出典不明で現在行方不明
<a attr>
です。href属性があれば、 その値が参照先となります。name属性があれば、その名前 (素片識別子) となります。もしname属性値整数で、次の番号として覚えているものより大きければ、 nameより1大きな数を次の番号とします。
<address>text</address>
内容番地スタイルになります。
<dd>
定義リスト中の定義のはじめを表します。
<dl>...</dl>
定義リストです。内容でも構いませんが、 文字データから始まってはいけません。
<dt>
定義リスト中の用語のはじめを表します。
<hn>...</hn>
内容見出しスタイルになります (n = 1, 2, 3)。 コンパイル時に定数CERN_LIKEが定義されていれば、 終了タグを待たず、次の改行を見つけ次第見出しスタイルを終えます (SGMLguid互換な動作)。
<hpn>...</hpn>
内容強調して表示します (n = 1, 2, 3)。 まだ実装は不完全なようです。
<i1>
行末まで無視します。SGMLguid索引の飛び先を記述する要素型です。
<isindex>, </isindex>
索引であることを表します。索引フラグを立てるだけです。 4月のソース・コードでは終了タグにのみ対応していましたが、 9月のソース・コードでは開始タグにも対応しました (多分4月のは間違いですが、そのまま残されています)。
<li>
リストの最初以外では、改段落します。
<listing>text</listing>
終了タグまたはファイル末尾までが内容になります。 改行やその他のタグもそのままデータとして処理されます。
<nextid n>
新しいを挿入する時にnameとする番号を設定します。
<node>...</node>
部分節点構文解析の段階で認識はされますが、 処理は実装されていません。仕様も未決定だったようです。
<ol>text</ol>
内容リスト・スタイルとします。 まだulの同義語として実装されています。
<p>
新しい段落にうつります。
<plaintext>
HTMLとしての構文解析は終了し、 以後は平文として処理します。注釈で、廃止と書かれています。
<restoffile type>
HTMLとしての構文解析は終了し、 以後は平文またはRTFとして処理します。
<title>title</title>
題名です。
<ul>text</ul>
内容リスト・スタイルとします。
<xmp>text</xmp>
です。終了タグまたはファイル末尾までが内容になります。 改行やその他のタグもそのままデータとして処理されます。
[186] HTML要素概説
要素名
i1
日付
説明
付の WorldWideWeb ソースコードでは、 i1 が実装されていたが、 その行を無視するだけのものだった。
出典
HTML 1991
[194] HTML要素概説
要素名
*
日付
説明
付の WorldWideWeb ソースコードでは、未知のタグは無視されていた。 当時は HTML の基となった CERN SGMLguid 形式の既存の SGML文書a を書き加えるなどして HTML文書を作成していたようだが、 HTML が (まだ) 対応していないタグが含まれる場合があった。 そのため必然的にこの仕様となったようだ。
出典
HTML 1991

1991年8月版新しいHTML文書の雛形

[2] WorldWideWebで新しいHTML文書を作成する時に雛形として使われたとみられるHTML文書 (1991年8月付) は、こんなものでした。

<title>(No title)</title>
<h1>Heading</h1>
Text<p>
__________________________________________________________________
<address>Author</address>

[32] 付けのヘルプ文書では、 nextid の実利用例を見ることができます。 >>31

版仕様書

[6] TimBLHTMLの仕様書について www-talk メーリングリストに投稿しています。

[9] 残念ながら仕様書自体は含まれていません。

[199] >>9 全文は含まれていないのですが、 >>8 のメールの後半部分が当時の仕様書の変更の要約と思われます。

[201] >>9 の本文のうち

Here is some discussion about the tags -- where it's not in  
http://info.cern.ch/hypertext/WWW/MarkUp/Tags.html I have updated  
that document now.

までが説明で、その続きが now に updated したばかりの http://info.cern.ch/hypertext/WWW/MarkUp/Tags.html の変更概要と思われます。

[204] しかし現存する他の仕様書本文と似ているものの違う文章なので、 DanC の質問に答える形で更新を説明したものと理解できます。

[10] 英語Wikipediahttp://www.w3.org/History/19921103-hypertext/hypertext/WWW/MarkUp/Tags.html が当時のものだとしています。 根拠は不明です。

[102] >>101

The first version of HTML
This is the description of a very early version of HTML. This text dates from 1992.

と書いてhttps://www.w3.org/History/19921103-hypertext/hypertext/WWW/MarkUp/MarkUp.htmlにリンクしている。

[152] >>102>>10 の根拠かもしれない。そうだとすると根拠として脆弱。

[203] >>202 のファイルの日付がとなっており、内容を見ても信用していいと思われる。 >>9 の後1年分の変更が加わっていると考えるのが妥当。

HTML2

[205] 付で CTB による HTML の変更案で HTML2.html というファイルに入ったものが、 World Wide Web サイトで公開されていました。 >>206 HTML2

[207] CTB 案掲載の要素TimBL の仕様に現れるものとほぼ共通しており、 特に説明はありません。 CTB が作成した当時の TimBL の仕様書に掲載されていた要素がすべて示されている可能性があります。

[210] keywords だけは独自ですが、説明がなく、新規提案なのかは不明です。 HTML2

版仕様書

[212] 暮頃の World Wide Web プロジェクト Webサイトのスナップショットと思われるファイル群が W3CWebサイトで公開されています。 >>211

[213] URL にはとあります。 ファイルの日付はとなっているものが多いです。 Future.htmlとなっています。

[214] MarkUp.htmlとなっていて、 後から何らかの変更が加わってしまったのか、注意が必要です。

[215] 版の Dan Connolly の仕様書も含まれます。 HTML2

[217] この時期の仕様書の一部分の引用:

[219] Re: proposed registration of type 'text/html' for MIME, , https://lists.w3.org/Archives/Public/www-talk/1992NovDec/0030.html

[220] >>219 当時 FTP でも HTTP の仕様書が配布されていたが、 HTML の仕様書は HTTP にしかなかった。

[221] Freezing the HTML spec Re: Comments in HTML ?, , https://lists.w3.org/Archives/Public/www-talk/1992NovDec/0078.html

[222] >>221 の時点では

spec: ftp://info.cern.ch/pub/www/doc/html.txt
	from http://info.cern.ch/hypertext/WWW/MarkUp/MarkUp.html
	and its neighbors "Text.html" "Tags.html" "Entities.html"
	and "HTML.dtd"

infomative appendices: "HTMLConstraints.html" "Future.html"

examples: "../Test/test.html"

が少なくても存在していた。

[223] EMail Msg <9301111351.AA00475@www3.cern.ch>, , https://ksi.cpsc.ucalgary.ca/archives/WWW-TALK/www-talk-1993q1.messages/33.html

[224] EMail Msg <9301141702.AA00591@www3.cern.ch>, , https://ksi.cpsc.ucalgary.ca/archives/WWW-TALK/www-talk-1993q1.messages/64.html

address

[181] HTML要素概説
要素名
address
日付
説明
付ファイルに address があるのが現存最古の用例である。
出典
HTML 1991

[176] address 要素型は、 1991年2月1日の WorldWideWeb 0.5 版で初めて実装されました。

[177] HTML要素概説
要素名
address
日付
説明
WorldWideWeb Version 0.5 が address を実装した。
出典

[178] 1991年3月5日には、 Line Mode Browser で実装されました。 >>172

[179] HTML要素概説
要素名
address
日付
説明
Line Mode Browseraddress を実装した。
出典

[180] この当時のメイル記事を保管しているところがどこにもない。。。

listing

[182] HTML要素概説
要素名
listing
日付
説明
付のファイルに listing があり、現存最古の用例である。
出典
HTML 1991

[183] Line Mode Browserでは、1991年3月5日にxmpと同じように扱われるようになりました。 listingは仕様上132桁必要ですが、 画面幅の関係でxmpと同じ80桁になっています。 >>172

[184] HTML要素概説
要素名
listing
日付
説明
Line Mode Browserlistingxmp と同等なものとして実装した。
出典

isindex

[185] HTML要素概説
要素名
isindex
日付
説明
付の WorldWideWeb ソースコードでは、 isindex が実装されていたが、 不具合で動作しなかったと思われる。 付のソースコードでは修正されていた。 頃と推測される HTML の仕様書で追加されたもので、 頃と推測されるその前の版にはまだ無かった。
出典
HTML 1991

研究史

[47] HTML の初期開発史については、 Sean B. Palmer による研究があります。 >>45, >>46

[48]SuikaWiki の記事では、 HTMLの仕様書に作られましたが当時はからで、 の 3:1.9 版にまで遡りました。 HTML 1991に作られました。 その他にもいくつか関連記事が同時期に作られています。

[197] HTML要素概説
要素名
title
要素名
h1
要素名
a
要素名
p
要素名
ol
要素名
li
要素名
h2
要素名
bl
要素名
bib
要素名
hp1
要素名
xmp
要素名
h3
要素名
box
要素名
fn
要素名
i1
要素名
dl
要素名
dt
要素名
dd
要素名
bibref
要素名
body
要素名
ul
要素名
isindex
要素名
nextid
要素名
plaintext
要素名
section
要素名
listing
要素名
h
要素名
hp1
技術史文献
>>196
出典
[195] HTML要素概説
要素名
title
要素名
h1
要素名
a
要素名
p
要素名
ol
要素名
li
要素名
h2
要素名
hp1
要素名
xmp
要素名
h3
要素名
i1
要素名
dl
要素名
dt
要素名
dd
要素名
body
要素名
ul
要素名
isindex
要素名
nextid
要素名
plaintext
要素名
section
要素名
listing
要素名
address
要素名
available
要素名
date
要素名
h0
要素名
h4
要素名
h5
要素名
h6
要素名
hp1
要素名
hp2
要素名
hp3
要素名
h7
要素名
menu
要素名
link
要素名
node
要素名
restoffile
要素名
author
要素名
anchor
技術史文献
>>198
出典

available

[189] HTML要素概説
要素名
available
日付
説明
頃と推測される現存最古の HTML の仕様書に available があった。 説明がなく用法は不明。
出典
HTML 1991

関連

[11] 以降は HTMLの仕様書を参照。

メモ

[3] HTML Design Constraints (1995-10-18 14:13:28 +09:00 版) http://www.w3.org/MarkUp/HTMLConstraints.html

(名無しさん 2007-04-01 09:21:09 +00:00)

[4] >>3

1991

Tim Berners-Lee originally drafted this as a somewhat informal reference on the HTML elements. The document has been edited continuously since then, with snapshots published through various means.

  • Note on constraints of original level1

(名無しさん)

[5] Hypertext HTML formatting example ( 版) http://www.w3.org/History/1991-WWW-NeXT/Implementation/Test/backup_of_test.html