東アジアの標準時

東アジアの標準時

[3] 現在東アジア各国では、 標準時として用いられています。

各国の標準時

[4] 詳しくは各国の記事

[1] 東アジアの各国の標準時
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現在の
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時差
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過去の
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詳細記事
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日本国
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日本の標準時
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大日本帝国連合国占領地日本米国占領地小笠原、火山諸島及び南鳥島米国占領地琉球
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中華民国
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台湾の標準時
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スペイン領東インド清領台湾大日本帝国台湾
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中華人民共和国中華人民共和国香港特別行政区中華人民共和国澳門特別行政区
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中国大陸の標準時満州の標準時アジア大陸の鉄道標準時
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(滿洲支那ウイグルチベット内蒙古)、 中華民国中華帝国上海租界北京租界天津租界英領香港ポルトガル領澳門仏領広州湾租借地独領山東半島露西亜占領地内滿洲露領関東州大日本帝国関東州東清鉄道附属地満鉄附属地満州国大滿洲帝国大日本帝国台湾新南群島の一部、 大日本帝国占領地支那
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モンゴル国
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モンゴルの標準時
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清領外蒙古
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朝鮮民主主義人民共和国
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朝鮮半島の標準時
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清領朝鮮大韓帝国大日本帝国保護領大韓帝国大日本帝国朝鮮ソ連占領地北朝鮮
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大韓民国
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朝鮮半島の標準時
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清領朝鮮大韓帝国大日本帝国保護領大韓帝国大日本帝国朝鮮米国占領地南朝鮮
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ロシア領シベリアロシア連邦サハリン州
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ロシアの標準時アジア大陸の鉄道標準時
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大日本帝国南樺太大日本帝国北海道千島列島大日本帝国占領地北樺太ソ連領シベリアソ連サハリン州

東アジアの共通の時刻の歴史

[81] 東アジアの近現代史は、 時刻の統一と分断の歴史でもありました。

中国式太陰太陽暦の時刻

[39] 支那王朝と周辺の属国では、 中央で制作された (中国式太陰太陽暦) が周辺国に与えられる形を採っていました。 の計算には、 首都時刻が用いられていました。

[41] 日常生活全般で用いられる近代的標準時制度とは異なり極めて限定的ではありますが、 支那滿洲朝鮮越南琉球など広範囲で共通に用いられていました。 農暦朝鮮半島の旧暦越南暦旧暦

日清日露戦争期の鮮滿の時刻

[21] 朝鮮半島の標準時滿洲の標準時アジア大陸の鉄道標準時

[22] 東アジア諸国の中では大日本帝国が最初に中央標準時 で国内を統一しました。

[24] 1904年頃、 大韓帝国では、日本に近い釜山や、 日本の資本により建設された鉄道を中心に が広まっていきました。

[25] 日露戦争後の南満州では、 それまでのロシア帝国ハルビン鉄道時にかわって 鉄道などで広まっていきました。

[26] このように、当時現地国家の標準時が存在していなかった朝鮮半島南満州へと、 日本中央標準時が拡大していきました。 とはいっても、大日本帝国が国策として中央標準時の適用範囲の拡大を狙ったのではなく、 軍用時が軍の進攻に伴いなし崩し的に広まっていったに過ぎないと思われます。 次の通り、戦後の体制が整えられるに連れて正式な標準時が定められ、 中央標準時は縮小していきました。

[29] 1896年大日本帝国領先島諸島大日本帝国領台湾標準時西部標準時 と定められました。 日本の標準時臺灣の標準時

[27] 1907年大日本帝国領関東州および満鉄附属地標準時西部標準時 と定められました。 満州の標準時

[28] 1908年大日本帝国保護領大韓帝国標準時 と定められました。 朝鮮半島の標準時

大東亜の標準時

[138] 大日本帝国領土が拡大した場合、当初は現地の経度に基づく標準時が用いられていましたが、 時差による混乱も多かったらしく、中央標準時へと統合されてゆきました。

[6] 昭和前期には、 交通通信の発達により国内および周辺国との結び付きが深くなっていた上、 世界的なブロック経済化によりますます周辺諸国との経済統合が進んでおり、 時差がその障害となっていたようです。

[139] 標準時が統一された大日本帝国満州国の領域だけでなく、 中華民国南京国民政府 (汪兆銘政権) の統治下にあった支那大陸の海岸部や英領香港上海租界なども夏時刻を実施 (大東亜戦争期は通年実施) していました。 更には第二次世界大戦中の南方占領地でも中央標準時が用いられたといいます。

結局、西太平洋から東南アジアにかけたかなり広い範囲 (当時でいう大東亜) で が事実上の大東亜の標準時として使われることとなりました。

[5] 詳細は大東亜の標準時

戦後西側諸国の夏時刻

[71] 1940年代後半には東アジア各国で夏時刻が実施されました。 しかし生活習慣に合わないなどの理由でいずれも数年で廃止されています。

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地域
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詳細記事
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メモ
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日本本土
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日本の標準時
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すぐに廃止
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琉球
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日本の標準時
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すぐに廃止
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大韓民国
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朝鮮の標準時
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後に復活するも廃止
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中華民国 (台湾)
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台湾の標準時
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しばらく継続するも廃止
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中華民国 (中国大陸)
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中国大陸の標準時
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中華人民共和国時代に復活も再廃止
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香港
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香港の標準時
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しばらく継続するも廃止
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澳門
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澳門の標準時
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しばらく継続するも廃止
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樺太および千島列島
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ロシアの標準時
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逆に停戦後に夏時刻を実施
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小笠原諸島
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小笠原諸島の標準時
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しばらく継続するも廃止
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北マリアナ諸島
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南洋群島の標準時
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廃止
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グアム
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南洋群島の標準時
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しばらく継続するも廃止
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マーシャル諸島
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南洋群島の標準時
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逆に停戦後の標準時が通年夏時刻に相当
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ウェーク島
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南洋群島の標準時
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逆に停戦後の標準時が通年夏時刻に相当
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フィリピン
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フィリピンの標準時
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すぐに廃止

[228] 米国の統治下にあった日本琉球大韓民国では、 ほぼ同じ期間に夏時刻が実施されていました。

[43] 日本では、法律の制定により夏時刻が実施されました。 国会審議の過程では米国GHQ の関与や周辺地域との協調に明確な言及は見当たりませんが、 GHQ の指示で夏時刻が実施されたというのは定説になっています。

日本の標準時も参照。

[44] 琉球では、米軍当局の指示やそれに基づく行政機構の法令により夏時刻が実施されました。

[45] 大韓民国では、 独立前には米軍当局の指令により、 独立後には大統領令により、 夏時刻が実施されました。

[46] 日本法律は実施スケジュール込みの恒久法として制定されたのに対し、 琉球では毎回個別に実施される形となっており、 大韓民国大統領令は恒久法の形を採っているものの毎年改正されていました。 琉球大韓民国日本に追随して同じ期間に実施することを意図したように見えますが、 急な変更には追いつけていませんでした。

[47] おそらく、各地域の政府がそれぞれの都合で独自の制度を定めたものの、 日本にある司令部のもと各地域で活動する米軍にとって日本時刻に揃えた方が都合が良く、 都度介入していた (大韓民国の標準時制度には在韓米軍が介入していることが知られています。)、 といったところなのでしょう。 地域全体の時刻政策を日本政府韓国政府米軍が協議したというわけではなさそうです。 日本夏時刻法廃止後に大韓民国標準時を改正し夏時刻を復活させ、 異なる時刻を用いることとなりました。

[90] 1940年代後半東アジア各国の夏時刻実施期間
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西暦年
日本s
日本 夏開始
日本w
日本 冬開始
琉球s
琉球 夏開始
琉球w
琉球 冬開始
南鮮s
大韓民国 夏開始
南鮮w
大韓民国 冬開始
民国s
中華民国 夏開始
民国w
中華民国 冬開始
香港s
香港 夏開始
香港w
香港 冬開始
澳門s
澳門 夏開始
澳門w
澳門 冬開始
year
1946
民国s
民国w
香港s
香港w
澳門s
澳門w
year
1947
民国s
民国w
香港s
香港w
澳門s
澳門w
year
1948
日本s
日本w
琉球s
琉球w
南鮮s
南鮮w
民国s
民国w
香港s
香港w
澳門s
澳門w
year
1949
日本s
日本w
南鮮s
南鮮w
民国s
民国w
香港s
香港w
year
1950
日本s
日本w
南鮮s
南鮮w
琉球s
琉球w
民国s
民国w
香港s
香港w
year
1951
日本s
日本w
琉球s
琉球w
南鮮s
南鮮w
民国s
民国w
香港s
香港w
澳門s
澳門w

詳細は昭和のサンマータイム台湾の標準時中国大陸の標準時朝鮮半島の標準時

[8] 米領フィリピン準州通年夏時刻終了は、 米国滞在中の米領フィリピン準州大統領の指示により実施されましたが、 GHQ の指示によりフィリピン駐留米国陸軍部隊もそれに従いました。 フィリピンの標準時

中国標準時

[10] 中華民国にかわって支那大陸の支配者となった中華人民共和国は、 経度上は最大4時間 (5区) 分の時差があるウイグルチベットから滿洲までを含む全国で を単一の中華人民共和国の標準時として用いています。

[11] 台湾の標準時シンガポールの標準時でもあり、 広範囲で通用する統一時刻となっています。

[12] 大東亜地域の次ので、 標準時となっています。

[33] 標準時とする地域
[34] これは中華人民共和国に加えて華僑の活躍する東南アジアの多くの地域を含んでおり、 中国大東亜共栄圏とでも言うべきものです。

[35] 北ボルネオラブアン島は、 香港との政治・経済的なつながりから を採用した経緯があります。

[36] 西マレーシアシンガポール東マレーシアとの標準時統一のため を採用しましたが、シンガポールと同じく金融の中心都市である香港や、 経済的に密接な関係のある中国との関係のため が重要であるとよく説明されています。 マレーシアの標準時

[13] ASEAN 各国の関係強化のため、ASEAN標準時として を採用することも提案されています。 ASEAN標準時 沖縄でも採用するべきという意見が少数みられます。 南西諸島の日時

[37] 国家の標準時 ではない東南アジア諸国でも、 国境付近では中華人民共和国の標準時 が越境している例がいくつも見られます。

日韓標準時

[15] 日本大韓民国は、 地理的・歴史的な関係性はもちろん、 冷戦期の米国を含めた西側陣営としての政治的・経済的・軍事的に密接な関わりがあり、 共通の標準時 がこれを支えています。

[16] 大韓民国は一時標準時 に改めていましたが、 この地域で活動する米軍の都合を理由に に戻されました。 朝鮮半島の標準時

[17] 大韓民国はその後夏時刻を実施していましたが、現在は実施していません。

[18] 日本でも大韓民国でも、夏時刻の再導入論があります。 その中で他国との関係に言及されることは (賛否どちらの立場とも) 必ずしも多くありませんが、 政府間で協議されるに至ったこともあります。 日本の標準時大韓民国の標準時

[19] ただし大韓民国では逆に日本とは異なる 標準時に変更するべきとの主張もあります。

[20] 朝鮮民主主義人民共和国も長らく同じ標準時 を採用していましたが、東側に属し現在も日本とは国交がなく大韓民国とも戦争状態にあるため、 同一の時間帯に属するとの意識はそれほど強くありませんでした。 2015年 に改められましたが、 その影響もほとんどありませんでした。 そのわずか3年後の2018年に、 南北の標準時の統一を謳って に復帰しました。 朝鮮半島の標準時

[38] 台湾の標準時 に改正するべきと主張する人もいます。

極東時間

[14]極東時間」という語は、色々な意味で使われます。 極東時間

国際鉄道

[7] アジア大陸の鉄道標準時

関連

[2] 東南アジアの標準時南洋群島の標準時ロシアの標準時

メモ