HTML要素概説

HTML要素概説

紹介

HTML は、に始まった World Wide Webマーク付け言語として誕生し、30年以上にわたり変化を続けてきました。その変化の道筋の探索は、現在の HTML をより深く理解し、過去の Web の姿を知るために欠かせません。

本書は、現行仕様だけでなく、過去に存在したものや提案されたが実現しなかったものも含め、可能な限り多くの HTML要素を収集、掲載しています。要素ごとに時系列を整理し、調査や研究のための索引として活用できる内容となっています。

※ 紙幅の関係で要素の誕生の経緯のみに焦点を当てています。

序文

[216] HTML要素概説
序文
本書は、HTML要素を集めたものです。
序文
HTMLに始まった World Wide Webマーク付け言語として作られ、30年以上にわたって変化を続けながら現在に至っています。 HTML後方互換性を重視する言語ではありますが、過去のすべてを引き継いではいません。現在の HTML を深く理解したり、過去の Web の姿を調べたりするためには、 HTML がどのように変化してきたかを知る必要があります。
序文
現在の HTML のことは HTML Standard に書かれていますが、過去のことはあまり書かれていません。入れ替わりの激しい Web の世界では、過去の HTML の情報もどんどん見つけにくくなっています。既に失われてしまったものも多いことでしょう。
序文
本書は人々が HTML をどのように使おうとし、どのように変化させてきたのか、その様々な取り組みを通して HTML という言語の全体像を描こうと試みたものです。しかし HTML のあまりにも多様な使われ方を網羅できるはずもありませんから、本書ではいつどのような要素が考案されたか、主要な出来事を時系列で列挙するだけに留まらざるを得ませんでした。せいぜいが HTML という広大な世界の輪郭、骨組みというほどのものでしかありませんが、より詳しく調べたいときの「索引」として使えるように努めました。
序文
わずか十数年前のことでも、今や不明となってしまったことが少なくありません。未解明のままの問題も多く残っています。漏れや誤りもあるはずですが、何卒ご容赦いただければ幸いです。
序文
本書が HTMLWeb の世界をより広く深く理解するための一助となることを願っています。

凡例

[6] HTML要素概説
凡例
本書は、 HTML>>13 という言語の大枠を示すため、 その要素を列挙した。 現行の要素はもちろんのこと、 過去存在した要素、 提案されたが実現しなかった要素も可能な限り採録した。
凡例
あるものが「HTML という言語の要素」かどうかの判断は意外と難しい。 現行仕様と異なる歴史的な言語や要素>>9に対して適用可能な客観的な基準が確立されていないため、 多くは主観により判断せざるを得なかった。 その言語体系が HTML を称するかどうか、 その言語体系と WebブラウザーHTML との歴史的関係性、 HTML名前空間に属するかどうか、 文書要素要素名、 といった点を重視しつつ総合的に判断した。
凡例
HTML要素のうち、 標準化団体によって開発された歴代の標準仕様書に記載があるもの、 実装事例があるものは、 すべて採録した。 それ以外に、 標準化団体でよく議論されたもの、 実際の文書でよく利用されたもの、 解説等でよく紹介されたもの、 有力者が提案したもの、 その他特に関心を引くものを採録した。 >>5 一方で、 メーリングリストSNS などでの単発の提案や思いつきのようなもので具体化しなかったもの、 要素名のみの対案などは、原則として対象外とした。
凡例
参考のため、 SVGMathML要素も、 主要な仕様に含まれるものに限って掲載する。 >>10
凡例
要素は、 要素名ASCII 順で掲載する。ただし、 整列時に大文字小文字は区別しない。 要素名は、原則としてすべて小文字で示す。 >>12 ただし XML でのみ利用されるものや SVGMathML要素は、元の綴りに従う。
出典
注釈
[3] HTML要素概説
凡例
要素の本文には、 その要素が出現するまでの過程を時系列で示す。 >>11 現行 HTML Standard で規定される要素は、 HTML Standard (またはその前身) に追加された時期も示す。 その他、 重要と考えられる出来事があれば示す。 紙幅等の関係で、最初の形になって以後の変遷や、 意味、属性内容、実装状況、利用実態などはほとんど省かざるを得なかった。
判例
現在の HTML に引き継がれている機能は、 「現行仕様である」 と記した。大方の互換性が保たれていれば仔細の変化は無視した。 現在の HTML に引き継がれていない機能は、 現在の HTML や他の Web技術で近いものがあれば 「現在の何々に当たる」 と記した。互換性やアイデア・作業の連続性を表すものではない。
凡例
既に消失した資料も多く、正確な時期を特定できていない事項もある。 ある時点で「何々がある」か「何々が追加された」かの表現の違いに注意されたい。 後者は1つ前の版により、または変更履歴の存在により時期を確認できたことを示す。 >>20 なお、 「現存最古」 とは執筆時点で入手し得た資料の最古を意味する。
凡例
本文の後には、 要素が主要な HTML の仕様書に出現する場合に、 どの仕様書にあるかを示す。 この欄では仕様書として、 標準化動向の歴史的経緯と Webブラウザーの実装状況や知名度などを考慮しつつ、 初期 HTML>>17, HTML1, HTML 2.0, HTML 2.x, HTML+, HTML 3.0, HTML 3.2, HTML4, ISO-HTML, XHTML 1.0, XHTML 1.1, XHTML m12n, XHTML Basic, XHTML-Print, XHTML 2.0, HTML5, HTML Standard を取り上げた。詳しくは各注釈を参照されたい。
凡例
借用先欄には、 HTML 以外のマーク付け言語でその要素を取り込んだと考えられるものを示す。 当該言語の仕様書等に明確に記述されない場合も多く判断が難しいため、 仮に要素名と一致するもののうちから主観的に選んだ。 >>2
凡例
文献欄には、 その要素の技術開発の過程を取り扱った文献を示す。 開発当事者がまとまった分量で述懐したものや、 ある程度の時間が経過してから技術史的観点で取りまとめられたものを対象とした。
凡例
欄には、 関係する他の要素を示す。ただし本文中で言及したものは省いた。
凡例
SVG 欄, MathML 欄には、 SVGMathML でその要素名を定めた主な仕様書の版を示す。 >>4
凡例
HTML要素には QRコードを示す。 その要素に関する SuikaWiki の記事の URL を表している。 SuikaWiki の記事には、 より詳細な情報や、 関連する文書等へのリンクが書かれていることがある。 >>14
出典
注釈
  • [18] 最終的に HTML 2.0 へと発展する HTML DTD の最古の版に当たる。 SW:HTML2
  • [20] 組織内部の非公開版への追加は知り得ないので、原則として考慮しない。
注釈
[19] HTML要素概説
凡例
用語や固有名詞には、 古くなり意味が分かりづらくなりつつあるものを中心に、注釈を付す。
凡例
本書の記載内容には可能な限り出典を明記する。 出典となる文献は巻末に、 参照記号の Unicode 順で示す。 ただし、 整列時に大文字小文字は区別しない。 実際の用例群などが根拠ですべてを出典として示すと煩雑になる場合は、 関係する SuikaWiki の記事を示すので、あわせて参照されたい。
凡例
本書の編集にあたり、 SuikaWiki の記事や data-web-defs のデータファイルを活用した。 SW >>21 それらすべての編集者や貢献者に感謝する。
凡例
なお、本書の電子版は公式サイト https://suikawiki.org/b1 で配布する予定である。
出典

メモ