<ADDRESS>

address 要素 (HTML)

[1] address 要素型は、 文書またはフォームのような文書の大きな部分についての連絡先情報を著者が入れるために使うことができます。 この要素は、しばしば文書の最初や最後で使われます。 (IW:HTML4:"struct/global.html#edef-ADDRESS" 参照。)

[2]

状態
W3C 勧告WHATWG WD
要素型名
address (address (番地) より)
名前空間URI
http://www.w3.org/1999/xhtml
開始タグ
必須
終了タグ
必須
内容模型 (HTML 4)
(%inline;)*
出現できる文脈 (HTML 4)
%block; な文脈
属性
class[HTML4] %coreattr
datafld欄名[HTML4] 予約
dataformatデータ書式[HTML4] 予約
datasrcデータ源[HTML4] 予約
dir書字方向[HTML4] %i18n
id一意識別子[HTML4] %coreattr
lang自然言語[HTML4] %i18n
xml:lang自然言語[XHTML1]
onclick[HTML4] %events
ondblclick[HTML4] %events
onkeydown[HTML4] %events
onkeypress[HTML4] %events
onkeyup[HTML4] %events
onmousedown[HTML4] %events
onmousemove[HTML4] %events
onmouseout[HTML4] %events
onmouseover[HTML4] %events
onmouseup[HTML4] %events
styleスタイル情報[HTML4] %coreattr
title注釈的題[HTML4] %coreattr

内容模型

[6] HTML 4 では、 address の内容は行内要素です。

ですから、 address の内容としたい、たとえば著者の名前、メイル・アドレス、所属のような情報を構造化するためには、 br を使うくらいしかなく、 ブロック水準要素も使えるべきだという話や、 現状でなんとかするにはどうすればよいかという話が度々出ます。

HTML の DTD でも一時期ブロック要素が入れられるようにされていましたが、 結局正式な仕様では行内要素だけになって、 以後惰性でずっとそのままになっています。

出現する文脈

[7] address 要素は文書の始めの方や終わりの方によく出てくるとされていました。

実際、 HTML 以外の文書でも、最初の見出しの下に名前を書くように、 文書の始めの方に書くことはよくありますし、90年代初めごろの HTML 文書でもそのような使われ方はしばしば見られましたが、 現在ではなぜか終わりの方に書くのが普通になっています。

いつの間にか内容も著作権表記や最終修正日や関連頁へのリンクなどに拡大され、 奥付的な意味を帯びています。 (そうなると >>6 の内容模型の問題がますます大きくなります。 もっとも、どこまでも際限なく拡大解釈してしまうことは好ましいとはいえません。 応用もほどほどに。)

レンダリング

[5] 多くの UA の既定スタイルは、 display: block か、それに加えて font-style: italic くらいです。

margin or padding 関係もあるかな。

[4] 一時期、 border-top: thin solid gray利用者スタイルを使ってみましたけど、 address が文書の先頭や途中にあると随分間抜けなのでやめてしまいました。。

[135] 未確認ですが、古い Netscape Navigator では display: inline だったそうです。 (名無しさん)

[136] 未確認ですが、古い Netscape Navigator では display: inline だったそうです。

歴史

GML

[27] GMLguid にも address 要素型がありますが、 HTML との継承関係はあるのでしょうかね??

      :ADDRESS                                                                 
      :ALINE.Company name                                                      
      :ALINE.first line of address                                             
         .                                                                     
         .                                                                     
      :ALINE.last line of address                                              
      :eADDRESS   

address の誕生

[13] HTML 1991

[48] HTML要素概説
要素名
address
日付
説明
HTML DTDaddress がある。 HTML19920606
参照
header
参照
footer
参照
credit
参照
author
[49] 当時実用されていた HTML にはまだ body がなく、 この DTD は body に相当する役割を新設の section に担わせることを提案していたが、 address はその弟、 html の子となっていた。
[50] ただしその当時の HTML 仕様でも address は文書本文の前や後ろという説明で、末尾に固定されていたわけではなく、 DTD は制約を強めようとするものだった。

address vs お尻 p

[15] 1992年6月6日付の Dan ConnollyDTD 案では、 html 要素の最後の子要素 (高々1個出現可能) として定義されていました。 内容としては行内要素p が認められていました。

もっとも、まだ行内要素a (と PCDATA) だけでした。

[16] 1992年11月13日現在のタグ一覧にも既に含まれていました。

Tags used in HTML http://www.w3.org/History/19921103-hypertext/hypertext/WWW/MarkUp/Tags.html#20

7月15日版の DTD 案の注釈に引用があるので、 かなり早くから Tags.html には含まれていたようです。

[17] この頃の DTD 案では、 p 要素行内要素かそれに準じるものとして扱われているようです。 お尻pの慣習に由来すると思われます。 pre の中でまで p が認められているものもあります。

[28] 1992年7月16日に Jean Francois Groff が、色々な利用例を鑑みると末尾以外も使えた方が良いのではと述べています。

[18] 1992年12月3日の DTD 案では %bodyelement に分類され、文書の末尾以外にも置けるようになりました。

[19] 1994年4月9日版 DTD 案では廃止機能を有効にするかどうかを選択する条件区間が使われています。 お尻p を有効にすれば従来通り address 内に p を入れられますが、無効 (既定値。) にすれば address 内に p認められなくなりました

[20] 1994年4月30日版 DTD 案では、ブロック水準要素 (%block;) も address 要素内容として認められるようになりました。

[30] 1994年6月の HTML 仕様案では、典型レンダリングとして address 内の p空行を作らないことが示されていました。また、

                 <ADDRESS>
                 Newsletter editor<p>
                 J.R. Brown<p>
                 JimquickPost News, Jumquick, CT 01234<p>
                 Tel (123) 456 7890
                 </ADDRESS>

という例が載っていました。

典型レンダリングとして、 address があると改段落が起こることも示されています。

[21] 1994年9月23日版 DTD 案では、 address 要素内容%HTML.Recommended; が有効なら行内要素 (%text;) のみ、 無効ならそれに加えて p となりました。 (古い定義に戻りました。)

%HTML.Recommended; の主な目的は body 直下の行内要素の排除です。 (おそらくはお尻p の排除と裏表でしょう。) addresshn などと同じで段落扱いなのだと思われます。

[22] しかし1994年11月15日版 DTD 案では %HTML.Recommended; でも p が認められるようになっています。

結局 HTML 2.0 (RFC 1866) や HTML 3.2 はこの定義 ((%text; | p)*) となっています。

HTML 3

[23] 1993年11月8日の HTML+ DTD 案では、 address にはHTML との互換性のためという注釈があり、 別に byline が定義されていました。

いずれも内容は HTML 2.0 と同じ (%text; | p)* でした。

[23] HTML要素概説
要素名
address
要素名
byline
日付
説明
HTML+ に、 address, byline がある。 同義であり、 address後方互換性のためとされている。 HTML+19931028

[24] 1994年1月5日案では、 byline はなくなり、 address内容p+ に変わりました。

[25] その後 HTML 3.0 1995年3月1日版 DTD 案では、 行内要素のみ、または p のみ (%text;* | p*) に変わっています。

HTML 4

[26] HTML 4 案は当初 HTML 3.2 と同じ内容モデル ((%inline; | p)*) でしたが、1997年9月17日の WD厳密DTD移行用DTD の区別が導入されると、厳密DTD行内要素のみが認められるようになりました。

そして、この部分はそのまま勧告となりました。 XHTML 1.0 も同じ内容モデルを採用しています。

5年掛かってようやく p内容として認めない仕様が完成しました。

[23] XHTML 1.1厳密DTD の定義を受け継ぎ、 行内要素のみとなりました。

[3]

<ADDRESS>
<A href="../People/Raggett/">Dave Raggett</A>, 
<A href="../People/Arnaud/">Arnaud Le Hors</A>, 
contact persons for the <A href="Activity">W3C HTML Activity</A><BR> 
$Date: 1999/12/24 23:37:50 $
</ADDRESS>

HTML 4 仕様書の例です。日付のどこが著者についての情報なのだという気がしますが、 現実の address 要素の用途としては、 このような追加のメタ情報を添えるような意味合いで、あるいは footer 用の要素型として使われているきらいがあります。

[9] 連絡先を記述する例

<p>For some facilities in PNG, there are a number of alternatives
defined, and this International Standard allows other
alternatives to be defined by registration. According to the
rules for the designation and operation of registration
authorities in the ISO/IEC Directives, the ISO and IEC Councils
have designated the following as the registration authority:</p>
<address>The World-Wide Web Consortium Host at ERCIM</address>
<address>The Registration Authority for PNG</address>
<address>INRIA- Sophia Antipolis</address>
<address>BP 93</address>
<address>06902 Sophia Antipolis Cedex</address>
<address>FRANCE</address>
<address>Email:png-group@w3.org</address>

この例の場合、単なる連絡先に過ぎず、 文書の著者の連絡先を示すことを意図しているものではありませんから、 HTML 4 仕様書の定義する address 要素の意味からは外れています。また、 このように address 要素を列挙するようなマークの付け方は正気とは思えません。

出典: Portable Network Graphics (PNG) Specification (Second Edition) http://www.w3.org/TR/2003/REC-PNG-20031110/#4Concepts.Registration

[10] 連絡先についての記述の例

  <address>Queries should be directed either to the <a
  href="/mailing-list">mailing list</a> or to <a
  href="mailto:ian@whatwg.org">Ian Hickson</a>, who is acting as a
  spokesman for the group.</address>

出典: Web Hypertext Application Technology Working Group http://www.whatwg.org/ (2005年1月付け)

[31]

<title>IETF HTML Working Group Charter</title>
<h1>HyperText Markup Language (HTML) Charter</h1>
<address>26 July 1994</address>
This is totally draft and provisional, for discussion atthe HTML BOF.

ISO-HTML

[38] ISO-HTMLaddress の利用に不可思議な制約を課していました。

[42] ISO-HTML日本一部コミュニティー界隈でなぜか人気があったため、 その是非が議論になっていました。 (が答えは出なかったみたいです。)

[44] >>43 で引用されている神崎氏のページについてはISO-HTMLも参照。

[45] ISO-HTML は (日本の一般人を含む) 世界の殆どからは相手にされなかったため、 実害はありませんでした。

DTBook

[175] HTML 由来で DTBook にもありました。 >>341

[47] DTBook では行内要素の他に line 要素も使えるとしていました。 >>341

HTML5

[8] HTML 4 の DTD の注釈では著者についての情報と説明されています。 (名無しさん [sage])

[12] Ian Hicksonは、前にDan Connollyaddressは一般のfooter用要素型だと言っていた(がどこでか忘れた)と述べています。

本当にdl定義リスト以外に使うのはよくないと大昔に主張していたDanがそういっていたのですかね? あるいは議論の結果そうなったとDanが言っていたのですかね? (名無しさん [sage])

[104] HTML要素概説
要素名
address
日付
説明
版時点の Web Applications 1.0address の明確化が必要な旨の注釈が含まれていた。
出典

[39] The WHATWG Forums :: View topic - Should <address> be more general-purpose? (2007-02-24 15:26:09 +09:00 版) http://forums.whatwg.org/viewtopic.php?t=5 (名無しさん 2007-02-24 06:30:43 +00:00)

[40] IRC Log for #whatwg on irc.freenode.net, collected by WhatBot (2007-02-24 15:26:02 +09:00 版) http://whatbot.charlvn.za.net/index.php?date=2007-02-22

addressWeb の 1.15% でしか使われておらず、これは spacer よりも少ない。 (名無しさん 2007-02-24 06:40:17 +00:00)

[41] >>40 多い順に colgroup, col, sup, marquee, legend, big, optgroup, spacer, address, o:p, frameset, frame, caption, wbr だそうな。 colgroup より少ないというのが驚き。

(名無しさん)

[131] A Beginner's Guide to HTML (2003-08-15 22:48:58 +09:00 版) http://ccat.sas.upenn.edu/jod/primer.html#Addresses

The <ADDRESS> tag is generally used within HTML documents to specify the author of a document and provides a means of contacting the author (e.g., an email address). This is usually the last item in a file and generally starts on a new, left-justified line.

(名無しさん)

[132] address Object (2007-04-04 21:57:29 +09:00 版) http://msdn2.microsoft.com/en-us/library/ms535181.aspx#ctl00_LibFrame_ctl02_

This example uses the address element to italicize text.

<ADDRESS>This text will be italic.</ADDRESS>

これはひどい説明でつね。説明のための文としてここが斜体になりますならまだしも、 斜体にするために address を使っていますはないだろ。

[133] EMail Msg <9308260107.AA23088@stat1.cc.ukans.edu> (2007-07-01 04:44:10 +09:00 版) http://ksi.cpsc.ucalgary.ca/archives/WWW-TALK/www-talk-1993q3.messages/774.html

[134] Re: several messages about <address> and related subjects (Ian Hickson 著, 2008-02-22 04:33:47 +09:00 版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Feb/0343.html

[137] Re: several messages about <address> and related subjects (Ian Hickson <ian@...> 著, 2008-02-21 19:33:47 +09:00 版) http://permalink.gmane.org/gmane.org.w3c.whatwg.discuss/13317

[11] 【きゃにめ】ギリギリすばる2016(仮) ( ()) http://special.canime.jp/subaruhayama/ticket/

<tr class="place">

<th>会場</th>

<td>ポニーキャニオン 1Fイベントスペース<address>東京都港区虎ノ門2-5-10</address></td>

</tr>

[32] mappings for address / issue #33 (jasonkiss著, ) https://github.com/w3c/html-aam/commit/08bfa7fa56e57c0b0d426e89b6623856f5f5a4e8

[33] HTML-AAM: should address be treated as section/landmark in AAPIs? · Issue #33 · w3c/html-aam () https://github.com/w3c/html-aam/issues/33

[34] Make example match address's definition (annevk著, ) https://github.com/whatwg/html/commit/5f47a3a03a9eb5b8e7cc27e843eacada88fd95a4

[35] "that element can only be used for marking up c..." · Issue #2693 · whatwg/html () https://github.com/whatwg/html/issues/2693

[36] Make example match address's definition by annevk · Pull Request #3416 · whatwg/html () https://github.com/whatwg/html/pull/3416

[37] DDT's Room:Web Site Watch Mar-2002, , http://www.remus.dti.ne.jp/~ddt-miz/think/watch/200203.html