[40] HTML には、他の言語のデータを直接埋め込むことができる統合点が何種類か存在します。
例えば、 svg
要素によって HTML 文書中に SVG
を埋め込むことができます。
[44] HTML文書には、svg
要素によって SVG を、
math
要素によって MathML を埋め込むことができます。
[45] HTML文書の要素の名前空間は通常は HTML名前空間ですが、 これらの要素の子孫はそれぞれ SVG と MathML の名前空間に属します。
[72] SVG svg
要素と MathML math
要素は埋め込まれ内容に分類されており >>70, >>71、これが認められる要素で使うことができます。
[73] SVG foreignObject
要素の中に HTML 要素が含まれる場合、
フロー内容でなければなりません。 >>71
[75] HTML文書における SVG title
要素の内容モデルは
phrasing content です。 >>71
[115] XML in HTML Meeting Report, , https://www.w3.org/TR/NOTE-xh#MathML
[53] HTML構文解析器は、 MathML や SVG の中の次の位置で、内容を HTML として構文解析します >>52。
script
によって
encoding
属性が削除されたり、変更されたりしても、
構文解析器の動作には影響しません。例:[57] また、 HTML構文解析器は、 MathML の中の次の位置で、内容を SVG として構文解析します >>52。
[64] SVG や MathML の要素では、外来属性を調整することにより、 XML名前空間やXMLNS名前空間やXLink の属性が特別に認識されます >>63。
[86] HTML要素には class
属性があります。
この属性を使うと著者が好きな種別を要素に付与することができます。
この値はスクリプトやスタイルシートなどからアクセスできます。
[46] HTML要素には data-*
属性があります。これらの属性には、
著者が好きな名前と値の組を設定することができます。これによって、
スクリプトに対して要素の処理についての付加データを与えるなど、
実質的にマーク付け言語の局所的な拡張として機能します。
[84] マイクロデータと呼ばれる HTML の大域属性群を使うことで、 HTML 文書中の構造化されたデータを表現することができます。 schema.org のような共通化された語彙だけでなく、著者がその場限りのデータ構造を記述することもできます。
[47] script
要素には、実行されるスクリプトの他、
(適当な type
属性を指定することによって) 任意のデータを埋め込むことができます。
これはスクリプトデータブロックと呼ばれています。
[100] schema.org は、その語彙を JSON-LD で記述しスクリプトデータブロックとして HTML に埋め込む方法を規定しています。
[49] HTML要素には aria-*
属性群があります。これらの属性は ARIA
仕様によって規定される名前と値を設定することができます。 aria-
は実質的に名前空間接頭辞として機能していることになります。
[102] HTMLの注釈は、しばしば拡張点として利用されてきました。
script
や style
は、古いWebブラウザーから内容を隠すために注釈のような構文を認めています。<!--METADATA-->
<noindex>
にも関連事例がいくつか<!--MadeByWZ-->
<!--webbot-->
[101] 90年代末には
meta
要素によってメタ情報を含めるのが一部で流行しました。
DCMI は link
要素で名前空間を宣言し
meta
要素で利用する方法を規定しました。
しかし結局一部で Dublin Core の記述に利用されただけで、ほとんど意味がありませんでした。
[92] Internet Explorer が実装していた xml
要素
(XMLデータアイランド) は、任意の XML のデータを HTML文書に埋め込めるようにするものでした。
IE 専用の Webアプリケーションではたまに使われていましたが、
10年代になって IE が HTML5構文解析器に移行したことにより、
使えなくなりました。
[99] W3C勧告となった ITS 2.0 は its-*
属性群を
HTML要素に追加していました。これも aria-
と同じく実質的に名前空間接頭辞として機能しています。
しかし誰もこれを相手にしていないようです。
[41] 1990年代末から2000年代初頭にかけて、語彙の混合には XML名前空間を用いることが (政治的に)
正しいと考えられていました。 XHTML 同様、HTML文書においてもこれを利用可能にするべきとの主張はずっと存在していましたし、
むしろ Web の XML への移行が考えられ、しかしその方法が定まっていなかった1990年代末頃には、
Microsoft Office や Opera のように、実際に XML名前空間を HTML
に導入した実装も存在していました。 Internet Explorer は VML
や HTML+TIME、SALT のようにかなり積極的に利用していました。
[42] ですが、名前空間URLの用法が当時はまだ確定しておらず、 HTML4 仕様書の URL など様々な値が使われたことや、 HTML WG の MIME型の解釈についての見解によって HTML から XHTML へのスムーズな移行に失敗してしまったことなどから、 HTML において XML名前空間を解釈する実装は次第に不可能になってゆきます。更に、時代が下るにつれ XML名前空間が難解であることが明確になり、 Webブラウザー開発者らはXML名前空間を好ましくないと考えるようになっていきました。
[104] 金融関係のシステムで Inline XBRL を使っていることがあります。 これは XHTML1 に XBRL をXML名前空間を使って埋め込むことで、 Webブラウザーで表示もでき、 XBRL データを取り出すこともできる、 と謳ったものでした。 XHTML1 ベースであり、 HTML5 以降の仕様には整合しないものですが、 未だに使われているようです。
POST
アクセスで生成される仕組みのようなので、
機械処理には向かなそうで、 Inline XBRL としている意味があるのかは謎です。
業界では Inline XBRL に対応したツールも使われていたりするのでしょうか??[43] 現在 HTML では一切 XML名前空間は利用できません。ただし、 HTML と XHTML
のテキスト・レベルでの互換性の観点から、 html
要素に
xmlns
という名前の属性があっても不適合とはならず、単に無視されるなど、
一部 XML名前空間の構文が取り入れられています。ただし、あくまで無意味な構造が認められているに過ぎず、
実質的な機能は持ちません。
[81] 以上は構文としての HTML文書に関するものです。 XML (XHTML) では、内容モデルの制約の範囲内で、HTML要素とそれ以外の要素を混在させることができます。 また、構文解析によって得られた DOM の木においては、 HTML文書であっても、 (やはり内容モデルの制約の範囲内で) HTML 以外の要素を混在させることができます。
[82] 例えば、 head
要素はメタデータ内容を子要素として使うことができます。
メタデータ内容の一例として RDF/XML の rdf:RDF
要素は、 HTML文書に記述することはできませんが、 XML
であれば、あるいは HTML 内の script
によって挿入するのであれば、
head
要素の子要素として利用することができます。
[83] XML Schema の documentation
要素は、
任意の内容を認めており、そこにはHTML要素も含まれます。従って、
XML Schema の要素を使った XML文書の documentation
要素内に XML名前空間を使って HTML名前空間の要素を含めることはできます。
[93] RDFa は meta
要素などの枠を超えて任意の
HTML要素に RDF に基づくメタデータを埋め込めるようにすることを提案していました。
宿主だった XHTML2 が破棄された後も根強く信仰を広め、W3C勧告ともなりましたが、
HTML との親和性の低さから HTML5 には受け入れられず、
RDF を扱わない世間一般の著者からは関心も持たれず、ほとんど実装されていません。
OGP が構文として採用したため、その範囲でのみ限定的に使われていますが、
皮肉なことに meta
要素しか使われていません。
[94] RDF/XML/HTML注釈は Web 2.0 時代に広く用いられましたが、 HTML 注釈を使うことから XML コミュニティーにはあまりよく思われず、 RDF/XML を使うことから RDF コミュニティーの関心も次第に薄れてゆき、 構文が不必要に複雑なことから Webアプリケーション開発者も積極的に活用範囲を広めてゆくことはせず、 Web 2.0 ブームの収束と共に忘れ去られてゆきました。 他にも幾つか RDF in HTML の提案がありました。
[1] The whatwg September 2006 Archive by thread http://listserver.dreamhost.com/pipermail/whatwg-whatwg.org/2006-September/thread.html#7281 (名無しさん)
[2] The problems with namespaces in text/html (Was: MathML-in-HTML5) http://groups.google.co.jp/group/mozilla.dev.tech.mathml/msg/8a048192f90b2fe1 (名無しさん)
[3] dolphinling’s weblog » Blog Archive » Namespace syntax in HTML http://blog.dolphinling.net/2006/10/namespace-syntax-in-html/ (名無しさん)
[4]
RDFa in HTML (Steven Pemberton 著, 2007-04-17 00:02:16 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-rdf-in-xhtml-tf/2007Apr/0068.html
(名無しさん 2007-04-20 00:06:59 +00:00)
[5]
Sam Ruby: HTML5 and Distributed Extensibility (2007-08-04 10:38:13 +09:00
版) http://www.intertwingly.net/blog/2007/08/02/HTML5-and-Distributed-Extensibility
(名無しさん )
[96] Sam Ruby: SVG in HTML Momentum Building ( 版) http://www.intertwingly.net/blog/2007/10/18/SVG-in-HTML-Momentum-Building
[95] Feedback on SVGWG's SVG-in-text/html proposal (Ian Hickson 著, 版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Aug/0852.html
[6]
SVG and MathML in text/html (Henri Sivonen 著, 2008-03-09 19:46:47 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Mar/0039.html
(名無しさん)
[7]
Re: SVG and MathML in text/html (Ian Hickson 著, 2008-03-12 05:24:16 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Mar/0094.html
(名無しさん)
[8]
Re: SVG and MathML in text/html (Ian Hickson 著, 2008-03-12 05:24:16 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Mar/0094.html
(名無しさん)
[9]
CustomData - WHATWG Wiki (2008-03-27 10:30:19 +09:00
版) http://wiki.whatwg.org/wiki/CustomData
(名無しさん)
[10]
Re: Exploring new vocabularies for HTML from Robert Miner on 2008-03-27 (public-html@w3.org from March 2008) (Robert Miner (robertm@dessci.com) 著, 2008-03-28 07:05:37 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Mar/0255.html
A feedback from Math WG (名無しさん)
[11]
Re: Exploring new vocabularies for HTML from Ian Hickson on 2008-03-25 (public-html@w3.org from March 2008) (Ian Hickson (ian@hixie.ch) 著, 2008-03-26 06:59:41 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Mar/0225.html
(名無しさん)
[12]
HTML/SVGInTextHTML - ESW Wiki (2008-03-30 19:35:17 +09:00
版) http://esw.w3.org/topic/HTML/SVGInTextHTML
(名無しさん)
[13]
Diagrams in HTML - WHATWG Wiki (2008-04-01 23:31:21 +09:00
版) http://wiki.whatwg.org/wiki/Diagrams_in_HTML
(名無しさん)
[14]
XML in HTML Meeting Report (2007-01-26 19:12:49 +09:00
版) http://www.w3.org/TR/NOTE-xh
(名無しさん)
[15] >>14 このときの結論はその後の HTML WG の成果には全然反映されていませんね。 この結論の方向で標準化が進められていれば、現実の今とは違った状況になっていたかもしれませんのに。
この文書で説明されている背景や提案されている手法が最近のとほとんど変わらないのが、なんとも悲しい。
(名無しさん 2008-04-05 11:04:55 +00:00)
[16]
Re: several messages about New Vocabularies in text/html (Ian Hickson 著, 2008-04-02 10:57:08 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Apr/0044.html
(名無しさん)
[17]
Supporting MathML and SVG in text/html, and related topics (Ian Hickson 著, 2008-04-10 18:51:20 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Apr/0205.html
(名無しさん)
[18] >>17 折角だから全部読もうと思ったものの挫折orz (名無しさん 2008-04-13 08:08:23 +00:00)
[19]
SVG in text/html (Andrew Emmons 著, 2008-04-15 20:06:36 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Apr/0392.html
(名無しさん)
[20]
Re: SVG in text/html (Ian Hickson 著, 2008-04-16 02:42:15 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Apr/0407.html
(名無しさん)
[21]
SVG and text/html - Anne’s Weblog (2008-01-25 14:19:49 +09:00
版) http://annevankesteren.nl/2007/10/svg-html
(名無しさん)
[22]
SVG and HTML (2008-07-14 04:11:27 -04:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2008Jul/att-0179/svg-html-proposal.html
[23] Re: some technical thoughts about incremental improvements to forms (Lachlan Hunt 著, 版) http://lists.w3.org/Archives/Public/www-forms/2006Sep/0057.html
[26] SVG Filter Effects in HTML without External References (Henri Sivonen 著, 版) http://hsivonen.iki.fi/svg-filters-html5/
[24] SVG and MathML ( 版) http://hsivonen.iki.fi/test/svg-and-mathml-in-html.html
[25] Kiss The Moon (日月九曜 著, 版) http://kissmoon.net/
(text/html
)
<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS" standalone="no"?> <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd"> <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:ap="http://www.remus.dti.ne.jp/~a-satomi/ap" xml:lang="ja">
<dd>動作確認環境は<a href="http://getfirefox.jp/" title="Firefox" ap:banner="links/firefox.png">Firefox</a> 3.X、<a href="http://wp.netscape.com/ja/browser/" title="Netscape" ap:banner="links/netscape.gif">Netscape Communicator</a> 4.78、<a href="http://www.jp.opera.com/" title="Opera" ap:banner="links/opera.png">Opera</a> 9.X、<a href="http://www.microsoft.com/windows/ie_intl/ja/default.mspx" title="マイクロソフト" ap:banner="links/ie.gif">Internet Explorer</a> 6.X / 7.Xの各Windows版です。</dd>
[27] SVG in text/html, getting closer (Cameron McCormack 著, 版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-svg-wg/2009JanMar/0191.html
[28] (X)HTML5 Tracking ( 版) http://html5.org/tools/web-apps-tracker?from=3976&to=3977
[29] Re: [xml-dev] Pragmatic namespaces ( 版) http://lists.xml.org/archives/xml-dev/200908/msg00203.html
[30] IRC logs: freenode / #whatwg / 20090907 ( 版) http://krijnhoetmer.nl/irc-logs/whatwg/20090907#l-337
[31] IRC logs: freenode / #whatwg / 20090915 ( 版) http://krijnhoetmer.nl/irc-logs/whatwg/20090915
[32] Surfin' Safari ( 版) http://weblogs.mozillazine.org/hyatt/archives/2004_07.html#005951
[33] Null change proposal for ISSUE-41 ( (Ian Hickson 著, 版)) http://lists.w3.org/Archives/Public/www-archive/2010Mar/0030.html
[34] RE: ISSUE-41: extensibility change proposal advocates ( (Tony Ross 著, 版)) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2010Aug/0116.html
[35] Working Group Decision on ISSUE-41 Decentralized extensibility ( (Sam Ruby 著, 版)) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2011Feb/0085.html
[36] Working Group Decision on ISSUE-41 Decentralized extensibility ( (Sam Ruby 著, 版)) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2011Feb/0085.html
[37] Re: Working Group Decision on ISSUE-41 Decentralized extensibility ( (Jirka Kosek 著, 版)) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-html/2011Feb/0188.html
[38] IRC logs: freenode / #whatwg / 20110802 ( ( 版)) http://krijnhoetmer.nl/irc-logs/whatwg/20110802
[39] IRC logs: freenode / #whatwg / 20120508 ( ( 版)) http://krijnhoetmer.nl/irc-logs/whatwg/20120508
[78] SVG and HTML ( ( 版)) http://dev.w3.org/SVG/proposals/svg-html/svg-html-proposal.html
[79] Web Applications 1.0 r7918 Turn off a quirk in foreign lands when doing innerHTML parsing ( ( 版)) http://html5.org/tools/web-apps-tracker?from=7917&to=7918
[87] innerHTML
の設定の場合、 annotation-xml
の内容を Chrome は常に外来要素として構文解析し、
Firefox は常に通常要素として構文解析するようです。
innerHTML
呼び出し時点での属性の状態によって判断するべきでしょう。[89] >>90 は >>88 により修正されました。 >>87 は不具合のようです。
[91] Using SVG elements directly in HTML ( (Brian Birtles 著, 版)) http://lists.w3.org/Archives/Public/www-svg/2014Oct/0032.html
[97] Remove xml:base dependency · whatwg/html@56f4346 ( 版) https://github.com/whatwg/html/commit/56f4346ec71b2dc138038ce6512b626d6c563e00
[106] SVG and HTML ( 版) https://dev.w3.org/SVG/proposals/svg-html/svg-html-proposal.html
[107] Add MathML and SVG to dependencies and cross-reference their elements · whatwg/html@c35ad72 ( 版) https://github.com/whatwg/html/commit/c35ad7267634f640e8e22b615893b78d6252998e
[112]
SBML の
notes
,
message
要素には任意の
HTML要素を含められる。
>>111, >>113
[127] [whatwg] Including HTML more directly into SVG, , https://lists.whatwg.org/pipermail/whatwg-whatwg.org/2012-December/038475.html
math
要素も認められると考えるのが妥当と思われます。