[1] 2002年頃から2005年頃くらいまで、 RDF がまだ流行っていた頃、 RDF によるメタデータを HTML に埋め込むための方法として、HTML の注釈として RDF/XML を記述することが提案され、ブログ管理ツールなどに実装されてよく使われていました。
[5] HTML の注釈として埋め込む、すなわち機械可読なはずの RDF を HTML 的には必ずしも機械可読とは言えない注釈に埋め込むことには反対する意見も少なくありませんでした。
[6] そもそも注釈として記述するのは、そのまま書くと HTML (XHTML) として妥当性検証すると非妥当と判定されるのを避けるためとされていました。 ちょうどWeb標準への関心が高まっていた時期だったので、 それと逆行するような非妥当な解法は好まれなかったのですが、 場当たり的かつ後ろ向きな対処であるとの非難は逃れられませんでした。
[12] 同時期に同じ人達によって RSS における escaped markup が発明され、同様に批判の対象となったことにも注目したいところです。 HTML に XHTML を埋め込むか、 XML に HTML を埋め込むかという違いはありますが、 形式の違いを認めてテキストとして埋め込むか、 XML に統一して XML名前空間によって埋め込むべきかの考え方の違いとも捉えることができます。
[8] 構文として RDF を使うのはどうなんだという批判もありましたが、当時は RDF/XML が事実上唯一の RDF の具象構文でしたし、Semantic Web が流行っていたので、あまり聞き入れられませんでした。
[10] 最初に広く使い出したのは TrackBack のようです。 CC と Account Auto-Discovery はそれに倣ったようです。
[13] 00年代初期から中期には、 Web 2.0 ブームに乗ってブログソフトウェア・サービスなどに実装されて広く用いられました。
[14] 10年代にはブログブームも収束し、変わって普及した SNS にはあまり採用されなかったこと、 Semantic Web 界での RDF/XML の地位が低下して RDFa に関心が移っていったことから、 新規に採用・実装されることは少なくなりました。以前からのブログ等のソフトウェアは引き続き対応していることがしばしばあります。
[15] ライブドアブログは、 TrackBack Ping URL Auto-Discovery を埋め込んでいます。
[16] はてなダイアリーは、 TrackBack Ping URL Auto-Discovery と Account Auto-Discovery
を埋め込んでいます。両者は別々の注釈に含まれます。前者は、複数の記事が含まれる場合、
一つの注釈に複数の rdf:RDF
を連ねて含めるようです。
[18] アメブロは、 TrackBack Ping URL Auto-Discovery からトラックバック関連の記述を削除したような不思議な注釈を含んでいます。 以前あったトラックバック機能が廃止されたようなので、その時にトラックバック関連の記述だけ削除したのかもしれません。 複数の記事を含む場合は、はてなダイアリー同様の形式になるようです。
[19] Yahoo!ブログは、 CC in HTML と TrackBack Ping URL Auto-Discovery を埋め込んでいます。
[20] gooブログは、 TrackBack Ping URL Auto-Discovery を埋め込んでいます。 記事が複数あるときは、記事ごとに注釈を埋め込んでいます。
[21] FC2ブログは、 TrackBack Ping URL Auto-Discovery を埋め込んでいます。 記事が複数あるときは、記事ごとに注釈を埋め込んでいます。
[9] 補足: RDF+XMLの断片をコメント文としてHTMLに書いて処理するような無理やりな手法 - 木俣 ロバート久の覚書 (はてな版) ( 版) <http://d.hatena.ne.jp/rh-kimata/20090203/1233654515>
text/html
なんだから XHTML にはできないだろう、というのはまた別の話。