[1] 現代日本では、 和暦の年 (元号年) と西暦年が併記されることがよくあります。 現代日本の紀年法として最も普及しているものの1つです。
[113] 細かく見ていくとその併記の方法はいろいろあります。
[259] 例えばを表す方法には、 「令和4(2022)年」、 「令和4年(2022)」、 「令和4年(2022年)」、 「2022年(令和4年)」、 「2022(令和4)年」、 「令和四(二〇二二)年」、 「R4(2022)」、 「2022(R4)」 などがあります。
[2] 表記法にはいろいろなものがあります。 日本政府が公式に定めた表記法の存在は確認できません。
[3] 現在の日本政府が発表する公式な暦は、 国立天文台が毎年発行する 暦要項 です。 暦要項 には和暦と西暦が併記されています。
[4]
例えばの
暦要項
は、その題名が
令和 4年 (2022) 暦要項
となっています。
ところが、
その発表を告知する国立天文台
Webサイトの記事の題名は、
令和4(2022)年暦要項の発表
でした。
[5] この表記揺れから、国立天文台自身もこれによって正式な表記を定めることを意図していないのは明らかです。 他の政府機関の発表する文書や Webページで和暦と西暦が併記される場合でも、 このどちらの表記も、またそれ以外の表記も見られます。
[113] 地震の名前や噴火の名前は、元号に西暦が併記されます。 かつては西暦のみを用いていたこともありました。 豪雨の名前は、元号を用います。
検定教科書体とは小中学校社会科・高等学校日本史において採用されている年号表記法です。具体的には、「1111(天永2)年」のように「西暦(元号)年」の形で表記されます。
[2] ぐぐっても他の用例が見当たらないので、一般的な用語ではなさそうです。
[735] 思海 | 検定教科書体西暦→西暦(元号)変換辞書 for ATOK, https://www.kinjo-u.ac.jp/kirihara/log/eid612.html
(6) 日本の歴史の紀年について、重要なものには元号及び西暦を併記していること。
[259] かつては、元号の年数に干支を併記するのがより正式な表記と考えられていたようです。
改元が頻繁で西暦が一般的でなかった時代、干支が併記されていると年同士の関係を比較しやすく便利だったようです。
[609] あまり正式ではない場面 (民間など) では、十干十二支ではなく十二支だけを元号と年数に添えることもあったようです。
[385] 元号方式の欠点、すなわち改元の手間や長期間の年号の比較の難しさを補うため、 明治時代頃までは干支が併用されてきたところ、 昭和前期にはそれが皇紀に置き換わり、 21世紀には西暦が使われるようになった、と整理できるかもしれません。
東京から引っ越してきた人の作った京都小事典(和暦IME辞書) () https://web.archive.org/web/20160806164934/www.eonet.ne.jp/~toshiomi/kyotojtn/wajisyo.htm
法令をいろいろ調べても、例しか示されておらず体系的な規則は記載されていない。
ただし古い法令に「横書ヲ為ストキハ「アラビア」数字ヲ用ユルコトヲ得」とあり、アラビア数字を用いることは許されているようだ。
西暦との併記
いろいろな文書および論文執筆要領などを調べた範囲では次のようになる。
- ①縦書きの場合
- A 享保五年(一七二〇) または
- 「日本研究-国際日本文化研究センター紀要」執筆要領
- 角田文衛氏(例:天延元年(九七三))
- B 九五四年(天暦八) の表記が多い。
- 日本の歴史(中央公論社)
- C 九五四(天暦八)年 享保五(一七二〇)年 と年を重複させるケースもある。
- 「人文地理」執筆要領
- ②横書きの場合
- A 1960(昭和35)年 が多い。
- 「社会政策学会誌」投稿論文執筆要領
- 「民事裁判演習」
- B 明治14年(1881)
- 国立公文書館、東京大学、京都大学
- C 保元元(1156)年
- 京都市歴史資料館、慶應義塾大学
公文書における年(年度)の表示は、原則として元号を使用することにしていますが、社会的には西暦の使用も一般的になっています。こうしたことから、誰もがよりわかりやすい文書とするために、元号使用の原則は維持しながら、西暦を併記することにしましょう。
(1) 元号と西暦を併記する文書例
・往復文の発信年月日
・指令・達の処分年月日
記載例(往復文)
滋○○第△△△号
平成13年(2001年)○月○日
(2) その他併記を推進したい文書例
・長期計画など、将来のことを表すことの多い文書における年の表示
・一定期間の推移を表す文章、表、グラフにおける年の表示
・刊行物の表紙や背表紙に記載する年の表示
・公報、各種広報紙に記載する発行日
・県民向けの催しのための案内パンフレット
3 年の表示について
(1) 改善内容
ア 往復文の発信年月日ならびに指令および達の処分年月日の年の表示は、元号に
西暦を併記することにします。
イ ア以外の文書の年の表示(年度の表示を含む。)は、できるだけ元号に西暦を
併記するよう努めることにします。
(2) 運用指針
ア 往復文の発信年月日ならびに指令および達の処分年月日の年の表示は、元号を
先に表示し、その後に西暦を括弧書きにする形で併記することにします。
例 平成13年(2001年)1月1日
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イ 法規文、公示文、令達文(訓令に限る。)、あいさつ文、表彰文などは従来ど
おりの年表示にします。
ウ 次に掲げる文書については、できるだけ併記に努めることにします。
・ 長期計画、基本計画、事業実績報告書、調査研究報告書等の過去や将来を表
すことの多い文書の年や年度の表示
・ 一定期間の推移を示す表やグラフの年や年度の表示
・ 定期刊行物、広報紙等の表紙、背表紙等の発行時期を示す年や年度の表示
エ 県以外の者が様式を定めている場合は、その様式に従うことにします。
[6] 6598_takada.pdf, , https://www2.lib.hokudai.ac.jp/gakui/2003/6598_takada.pdf