[2] 元号名は改元手続きの中で決められます。 元号名たるものの世界的、全時代的な条件はありませんが、 時代や地域によって「元号的なるもの」の傾向はあります。
[9] 現在の日本では、日本政府の規則や慣習によって元号名に使われるべき漢字や漢字の組み合わせの条件が決まっています。
[10] 日本では、平安時代頃から現在まで、典籍に見える語句を基に元号名を構成することとなっています。 これを元号の典拠といっています。
[15] 元号名を構成する2字の漢字の組み合わせはそのままの形で典拠の文章中に出現する必要はなく、 文章中の離れた位置にあることも多いですが、どのように2字を選ぶかはその元号名案の良し悪しの判断基準の1つとなります。 (単純に近ければ優れているというものではなく、説得力があるかないかです。)
[18] 平成度まで、採用された元号名はすべて漢籍 (漢土で前近代に書かれた書籍) を典拠としていました。 令和は初めて国書 (和書, 日本国内で書かれた書籍) を典拠としたものです。 ただし令和も漢文体の部分が出典となっています。
[23] 日本の元号や候補案の典拠は、 元号案の考案を担当する公家の記録などの形で伝えられてきました。 大正時代に研究が進み、 年号考や日本年号大観として取りまとめられました。
[35] 前近代日本元号(案)の出典となる文章 (引文) は、 元号制度史研究の他に漢籍研究の視点からも重要な史料となっています。
[19] 東洋各国でどのように元号名が決められてきたのかはまだ十分明らかになっていません。 日本と同じように漢籍を典拠としたと思われるものもあれば、 とてもそうとは思われないものもあります。
[17]
日本政府の外務省は、
令和改元で令和の意味が英語「beautiful harmony」
であると発表しました
[46] 文字の研究, 後藤朝太郎, , , https://dl.ndl.go.jp/pid/902854/1/677
[407] https://fukuyama-u.repo.nii.ac.jp/record/5786/files/KJ00004163114.pdf #page=11 #page=12 #page=24
[205] 越南の元号のうち、最後の阮朝は、 大南実録 など比較的豊富な資料が残っていて元号名の出典や意味が知られています。 >>204
[213] それ以前の元号は資料が少ないですが、 阮朝や他地域の事例を援用する形で建元意図を推測する研究があります。 >>211, >>204
[295] 元号の難陳は、「和音」で行うべしという主張 - 日本中近世史史料講読で可をとろう, https://japanesehistorybasedonarchives.hatenablog.com/entry/20190115/1547537888
[24] 元号の選定の基準はありますが、 これだけでは元号を元号たらしめている 「元号らしさ」 は見えてきません。
[26] それでも過去の元号のほか、 私年号、 改元デマ、 架空の元号の事例をみても、 何らか「元号らしさ」 というものはあって、庶民を含むいろいろな人々の間で共有されていようことがうかがえます。
[25] 令和改元では新元号発表まで多くの人が予想を楽しんでいました。 どうにも元号らしくないものも (ネタで) 挙げられましたが、 本気の予想の多くは元号らしがが感じられるものでした。
[27]
一方でスローガン的元号は元号らしさがないものがほとんどです。
初期は漢字2文字など元号らしさがまだ残っていましたが、
時代が下るに連れてかけ離れていったようです。
[5] >>3, >>4 タイトルだけみると、くだらない元号予想合戦にバズワードを足した低俗な釣り記事のように感じるのですが、 実際読んでみると、 われわれの感じる「元号らしさ」の正体を探る企ての端緒として興味深くおもわれます。
[6] (その点 >>3 の続編の【続】平成の次の元号を、AIだけで決めさせる物語(@テレビ取材) - Qiita () https://qiita.com/youwht/items/7b1118ecd91bd2e232bb は残念ながらただの予想記事です。)
[11] >>5 「令和」は最初に見せられた時ちょっと元号っぽくないかも?と思ってしまった。 よく見ているとだんだん元号っぽさを感じてくるから不思議。
[12] 「元号っぽさ」も当然時代が進むに連れて変わっていってるのだろう。 平成も改元当初はぴんとこなかったと言っている人が多い。 令和も年を重ねていくことで意味が積み重なり折り重なり、 「元号らしさ」を染めていくのだろう。
[13] そうだとしたとき過去の元号から学習した「元号っぽさ」 がまだ見ぬ将来の元号にどれだけ適用できるのか、というのも興味深い。
[14] ある理系院生による新元号予想の軌跡 (2ページ目) - Togetter () https://togetter.com/li/1333815?page=2
[28] 文明や治安など、同字の一般名詞が生じて現代では元号らしさが消失したものもあります。
[29] ネタ枠代表扱いの「タピオカ元年」も音の響きは案外漢字2文字4音の漢語にありそう。 タピオカ流行を祥瑞といえなくもない。 伝統と新鮮味を適度にミックスするという近年の元号選定事例にのっとっているともいえる。
[30] 「俗用されていない」という現在の元号の選定の基準は満たさないけど、 奈良時代くらいに遣唐使が持ち帰ったタピオカを孝謙上皇がいたく気に入り改元した、 的な並行世界はあり得るのではなかろうかw
[31] タピオカは平成の30年で大流行したのだから、追号するなら平成時代にかもな。
[32] 元号の選定の規則は後付けで、 1000年以上の歴史の中で日本人に刷り込まれた 「元号らしさ」 を最低限書き表しただけのものだから、 候補を絞り込むための条件として検査には使えても、 そこから元号候補を発見するのは難しいかも。
[131]
「創業令和元年」は重みを感じる、「創業平成何年」はそれほどでもない、
という話が令和元年秋頃には出ていました。
[20] 日本の元号や中国の元号の元号名の漢字の利用頻度や選択の傾向については、 日本の研究者所功の研究があります。
[226] 越南の元号の元号名の漢字の利用頻度や意味については、 越南の研究者らによる日本の元号や中国の元号との比較を含む分析の研究があります。 >>204, >>222
[227]
日本の私年号については、同時期の公年号と似た漢字が出現しがちという法則性が知られています。
[133] 日本では、 昭和時代の当用漢字表によって漢字制限政策が採られました。 常用漢字表により徐々に緩和されてきているものの、 使用するべき漢字の集合の目安が示されており、 それ以外の漢字の公的な利用は忌避される傾向があります。
[136]
過去に日本の元号で利用された漢字でも、
当用漢字表や常用漢字表に含まれないものがあります。
[134] 平成改元時、 日本政府の内閣法制局は、 「元号といえどもこれを漢字で表記するというのであれば、常用漢字を用いるべく、かつ、その字体も常用漢字表に掲げられているものであるべきことは、法制局が当然審査すべき事項である」 としました。 >>21
[135] 令和改元時までに方針が転換されたとする根拠はありませんが、 常用漢字ではない (が人名漢字ではある) 「翔」 が有力候補に入っていたといわれています (>>36)。
[16] 日本の年号候補・未採用文字案 | ミカド文庫 () http://mikado-bunko.jp/?p=842
[22] 新元号「政府の最有力案」葬儀社名に使われ断念 : 令和・新時代 : 読売新聞オンライン () https://www.yomiuri.co.jp/kaigen/news/20190501-OYT1T50036/
[33] >>22 この記事に書かれていることが正しいと仮定すると、
前者は明治生まれの日本人が2000人前後在命と推測されているため回避されてよかったと思われます。
[37] JIS X 0301 で元号を表すために「N」、年を表すために「Y」が使われているので、 これが先頭に来る元号は好ましくないという意見があります。 JIS X 0301 のような正式なものではありませんが、「G」や「X」 が使われることもあります。
[38] といってもこれらはいずれも書式の記述に使うこともあるという程度のもので、 元号の選択を縛るほど深刻な影響をもたらすとは思えません。