郷土調査の手引き: 紀年銘篇

郷土調査の手引き

[1] 郷土調査の手引きは、 前川清一著の小冊子です。


[5] 昭和五十年七月二十日初版 三訂版 p.52 奥付郷土研究の手引きと題し、 紀年銘梵字について記したものでした >>12。 謄写刷りで二十数冊作られました >>12

[13] 当時前川清一熊本県立球磨工業高等学校郷土研究部の顧問でした >>12。その二十数部は部員等に配布されたのでしょう。 また秋の文化祭で展示されました >>12


[14] 昭和50年12月、 新たに書き直して紀年銘を中心としたもの、 梵字を扱ったものの2分冊で発行されました。 人吉市庚申碑の一覧表が付いていました。 >>12

[15] 文化祭で地元の人から希望が多かったために改訂発行されたということです >>12 から、その方面に配布されたと思われます。


[16] 更にその後改定版が発行されましたが、 前川清一の手元には既になく発行時期も不明でした。 >>12


[6] 昭和六十二年七月二十四日三訂版が発行されました 三訂版 p.52 奥付熊本県下の石造物を題材に紀年銘中心にまとめたものでした >>12

[2] 郷土調査の手引き 紀年銘篇 三訂版は、 藁半紙に印刷された簡易製本の B6 小冊子です。

[3] 表紙第1行に 「郷土調査の手引き4倍角」, 第2行に 「紀年銘篇横倍角 三訂版」 とありました。

[4] p.52 の奥付の第1行に 「郷土調査の手引き・一」、 第2行に 「紀年銘篇」 とありました。

[7] p.1 の第1行に 「郷土調査の手引き・一」、 第2行に 「紀年銘篇目次」 とありました。

[11] 序文に相当する郷土に学ぶ (pp.2-4) には、 「昭和五十年八󠄂月十日記之」、 「昭和六十二年五月十日追補改稿」 とありました。

[12] おわりに (p.51) には、 「水無月のころ」 とありました。 昭和62年6月でしょうか。

[17] 部活動や肥後金石研究会への貢献が期待される旨の記述があり >>12、 その方面に配布されたようです。

[18] 梵字篇が発行されたのかは不明。


[8] 古書店で入手した本書三訂版には、 「正誤表」 と題した藁半紙の小紙片が挟まれていました。 本書と同時に配布されたものでしょうか。 本文の5箇所が訂正されていました。

[9] それ以外にも何箇所か些細な誤植がありました。

[10] どの版も手作りの少部数の製作、限られた範囲での配布と思われますから、 入手は困難かもしれません。

[19] 経緯をみると、商業的に販売されたことはなさそうです。 関係者に無償配布されたのか、せいぜい実費程度で頒布されたのでしょうか。


[20] 本書には干支、 方位・時刻等、 紀年銘異体字等の解説と、 日本の元号干支西暦の対照表が掲載されていました。

[21] ポケットサイズで紀年銘の解読に便利そうな情報が詰まっていて、 現地調査で持ち歩くのに便利そうです。

[22] その性質上内容のほとんどはよく知られた基礎的な事項なのですが、 熊本県の実在の紀年銘を時代順に並べて東洋の日時表示の諸形式の変遷を示しているところや、 少数ながら貴重な熊本県発見の私年号の実例を拓本つきで示しているところは、 地元で長年調査を続けた著者ならではといえます。

[24] これらの知見は案外他書に掲載されていません。 東洋の日時表示, 日本の私年号

[23] 関連記事: 東洋の日時表示歳次紀年接頭辞乗法紀年法年の字吉日皇紀品暦子平加平光永神治