[33] CURIE は、接頭辞によって URLを省略した表記法です。
[3] Semantic Web 界隈では以前から QName を URLの略記法として使ってきました。 しかし QName には XML に由来する、 XML 以外の場面で必要ではない制約が存在すること (例えば局所部分が数字から始まってはいけないこと)、 URL と混在させると区別できないことといった問題がありました。 CURIE は QName より構文的制約が緩和されており、 また URL との区別が必要な場合に使える安全 CURIE という構文が定義されています。
[96] CURIE は一見単純そうですが、本項で説明する通り定義が複雑で混乱しており、 QName 以上に厄介な代物です。 Semantic Web / Linked Data 界隈ではおおよそ好評価のようですが、 それ以外のコミュニティーではまったく受け入れられる様子がありません。
[34] CURIE ははじめ RDF in HTML Task Force により、後に XHTML2 WG 本体により主に策定されています。 RDFa など CURIE を使う仕様は元々は QName を採用していましたが、 >>3 のような問題から CURIE が仕様化されることとなりました。
[35] しかし仕様が固まってから完成するまでに時間がかかるとか、 どの仕様書にどうやって含めるかなどどうでもいいことの議論に時間がかかるとか、 W3C や XHTML2 WG ではありがちな作業の遅延により、単体の仕様書も存在しつつもいくつもの他の仕様書にコピペされる、 という状況になっていました。
[36] そのようなコピペの一つ、 RDFa (1.0) 仕様は W3C 勧告となっています (>>28)。 W3C 的に正式な仕様として CURIE を唯一定義していたのが本仕様です。
[37] CURIE を単体で規定する仕様は、 W3C 勧告過程を終えることなく XHTML2 WG が解散することとなり、 (しかも憲章上の WG 終了から1年経ってようやく) WG Note として出版されました (>>32)。
[59] RDFa 1.0 にかわって W3C 勧告となった RDFa 1.1 にも CURIE の定義がありますが、 これは従来の定義とはまた違っています。
[39] CURIE は、... という接頭辞と参照からなる文字列です >>32 3., >>58。
[45] 接頭辞も参照もどちらも空文字列にできますが、 CURIE 全体として空文字列とすることは禁止されています >>32 3.。
[48] 接頭辞は URL と束縛されていて、 CURIE が表すのは、接頭辞に束縛されている URL の後に reference を連結したものである、とされています。
[60] CURIE は、展開後に構文的に妥当な RFC 3987 IRI とならなければなりません >>59。
[55] なお RDFa 1.0 世代の定義によれば参照には :
が含まれることがありますが、
NCName で始まり、その直後に :
が来るような形になることはありません
(構文定義が参照している IRI の方でそれを認めると絶対IRIと相対IRI参照が区別できなくなってしまうためです)。
ですから、接頭辞と :
が省略されてすぐに参照が始まる場合と接頭辞がある場合が区別できなくなることはありません。
[72] RDFa 1.1 の定義では NCName :
ではじまることがあり得る (>>71) ので、
接頭辞がある場合とない場合と区別できません。一般的な生成規則の解釈では、そのような場合接頭辞と解釈することになるでしょう。
[56] XML Schema や DTD でのデータ型の定義はちょっと違った緩い形になっています (>>32 A.)。 DTD はともかく XML Schema は本来のものと同じ定義にすることもできたはずなのになんででしょうね・・・。 あえて制約を緩めたというよりはバグってるように見えますが。
[40] RDFa 1.0 世代の CURIE の接頭辞はXML名前空間 1.0 (なぜか第1版) の NCName です >>32 3.。
構文に示されたように、 prefix は空文字列となることもできますし、また :
を含めて prefix 全体を省略することもできます。
[95] RDFa 1.1 の CURIE は XML名前空間1.0 3e の NCName を参照しています >>58。 XML名前空間1.0 3e は XML 1.0 の最新版を参照しています。 (XML名前空間1.0 3e は XML 1.0 5e よりも新しい版です。)
_
接頭辞[49] RDFa 1.0 では、接頭辞 _
、は RDF
に対応した言語で予約されているので著者は使うべきではない
>>32 3. とされています。
[85] RDFa 1.1 では、文書は _
接頭辞を定義するべきではない、
RDFa処理器は、 _
接頭辞の宣言を無視しなければならないとされています >>58。
接頭辞 _
は bnode を表すために使います。
[123] RDFa 1.1 によればRDFa処理器は主語や目的語が _
を使って bnode
として記述されている場合に bnode を作らなければなりませんが、連鎖などによって自動的に作られる
bnode とは別のものとして扱わなければなりません。 >>124
[51] 接頭辞が無い場合の解釈については色々議論があったようですが (よくわかりませんがw)、
RDFa 1.0 世代においては最終的に (WG Note では)、接頭辞と :
が両方省略されていればホスト言語の定義する語彙を表し、
接頭辞が省略されていて :
があれば既定の接頭辞を指す >>32 3.、ということになっているようです。
[42] RDFa 1.0 世代の定義によれば、参照は RFC 3987 irelative-ref
です >>32 3.。
つまり IRI参照の任意の相対参照であり、空文字列でもあり得ます。
[70] RDFa 1.1 の定義は次のように変更されています。
[75] RDFa 1.1 によると CURIE の評価には次の情報が必要です >>58。
[98] CURIE は IRI を短く表現するためのものですが、完全な IRI と CURIE の両方を混在させられると定義している場所も多くあります。
[44] 安全 CURIE (safe_curie
) は、 CURIE を [
と
]
で括ったものです。 >>32 3., >>58
[46] RDFa 1.0 以前から元々 IRI が認められていた属性などでは、 IRI または安全 CURIE のどちらかを使うことが認められていて、構文的に区別可能になっています。
[
ではじまることはないので、必ず区別できます。 (現実には [
が相対URL に使われることはあり得るので、
現実世界とは互換性がありませんが。)[73] RDFa 1.1 では CURIE と IRI は区別可能であるとして、 安全CURIE は後方互換性のためのものという扱いになっています。 >>58 接頭辞が宣言されていなければ IRI とみなすから両立可能ということのようです。
[112] CURIE とは別に、RDFa の一部の属性では「語」を指定することができます。
この語は接頭辞も :
もない CURIE と形式的には区別できませんが、 >>105
のように CURIE ではなく語と解釈することになっています。
[114] 語は、 XML名前空間1.0 2e NCNameStartChar からはじまり、
XML名前空間1.0 2e NCNameChar や /
が0文字以上後に続くような文字列です。
言い換えると、 XML名前空間1.0 2e NCName で2文字目以降に /
を認めたものです。 >>115
[99] RDFa 1.1 で用いられるデータ型 SafeCURIEorCURIEorIRI は、 RFC 3987 IRI、CURIE、 安全CURIEのいずれもが使えることを表します。ここでいう IRI は (文脈的に) IRI参照のことであるようです。
[104] RDFa 1.1 で用いられるデータ型 TERMorCURIEorAbsIRI は、語、 RFC 3987 絶対IRI、CURIE のいずれもが使えることを表します。
[54] CURIE 関係のデータ型は XHTML m12n の形式に則って定義されています (>>32 A.)。
[126] RDFa 1.1 版の CURIE も XHTML m12n の形式で定義されています >>125。
CURIE
CURIEs
CURIEorIRI
CURIEorIRIs
SafeCURIE
SafeCURIEorCURIEorIRI
SafeCURIEorCURIEorIRIs
TERM
TERMorCURIEorAbsIRI
TERMorCURIEorAbsIRIs
[127] 空白は XML の S と同じ定義になっています。
[128] IRI は RFC 3987 IRI参照と思われます。 XML Schema では xsd:anyURI となっています >>125。
[1] CURIE Syntax 1.0 http://www.w3.org/2001/sw/BestPractices/HTML/2005-10-27-CURIE
[2] CURIE Syntax 1.0 http://www.w3.org/2001/sw/BestPractices/HTML/CURIE
[4] CURIE Syntax 1.0 http://htmlwg.mn.aptest.com/htmlwg/curie/ (名無しさん 2006-06-17 09:55:56 +00:00)
[6]
CURIE Syntax 1.0 (2007-03-08 00:39:48 +09:00
版) http://www.w3.org/TR/2007/WD-curie-20070307/
タイミングが前後しているものの、旧 HTML WG (新 XHTML2 WG の最後の TR)。 (名無しさん 2007-03-08 11:45:21 +00:00)
[8]
Fwd: Towards a TAG consideration of CURIEs (Steven Pemberton 著, 2007-03-30 21:07:05 +09:00
版) http://lists.w3.org/Archives/Public/public-rdf-in-xhtml-tf/2007Mar/0112
(名無しさん 2007-04-01 03:29:51 +00:00)
[9]
CURIE Syntax 1.0 (2007-04-03 06:45:50 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2007/ED-curie-20070402/
(名無しさん 2007-04-07 14:07:03 +00:00)
[10]
XHTML Document Development Area (2007-04-07 01:58:13 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/Drafts/#curie
(名無しさん)
[11]
Weekly XHTML2 WG Teleconference -- 23 May 2007 (2007-05-24 00:02:59 +09:00
版) http://www.w3.org/2007/05/23-xhtml-minutes.html#item05
こいつら今更なにをwwwwwwwwwwwwwwww (名無しさん 2007-05-27 10:42:00 +00:00)
[12]
CURIE Syntax 1.0 (2007-09-06 05:42:20 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2007/ED-curie-20070905/
(名無しさん)
[13] >>12 role とか access に定義がこぴぺされたわけですが・・・。 HRRI といい、どうして過ちを繰り返すのでしょうかね? (名無しさん)
[14]
CURIE Syntax 1.0 (2007-11-26 19:23:55 +09:00
版) http://www.w3.org/TR/2007/WD-curie-20071126/
(名無しさん)
[15]
CURIE Syntax 1.0 (2007-12-05 07:14:03 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2007/ED-curie-20071204/
(名無しさん)
[16]
CURIE Syntax 1.0 (2007-12-06 06:06:03 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2007/ED-curie-20071205/
(名無しさん)
[17]
CURIE Syntax 1.0 (2008-01-23 05:56:50 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2008/ED-curie-20080122/
(名無しさん)
[18]
CURIE Syntax 1.0 (2008-03-19 02:45:43 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2008/ED-curie-20080318/
(名無しさん)
[19]
CURIE Syntax 1.0 (2008-04-04 00:45:36 +09:00
版) http://www.w3.org/TR/2008/WD-curie-20080402/
(名無しさん)
[20]
CURIE Syntax 1.0 (2008-05-09 00:10:54 +09:00
版) http://www.w3.org/TR/2008/WD-curie-20080506/
(名無しさん)
[21]
CURIE Syntax 1.0 (2008-06-18 00:59:28 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2008/ED-curie-20080617/
(名無しさん)
[22]
CURIE Syntax 1.0 (2008-09-25 02:27:05 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2008/ED-curie-20080924/
(名無しさん)
[23]
CURIE Syntax 1.0 (2008-10-09 02:30:40 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2008/ED-curie-20081008/
(名無しさん)
[24]
CURIE Syntax 1.0 (2008-10-19 05:56:53 +09:00
版) http://www.w3.org/MarkUp/2008/ED-curie-20081018/
[25] CURIE Syntax 1.0 ( 版) http://www.w3.org/MarkUp/2008/ED-curie-20081023/
[27] CURIE Syntax 1.0 ( 版) http://www.w3.org/TR/2009/CR-curie-20090116/
[26] CURIE Syntax 1.0 ( 版) http://www.w3.org/MarkUp/2009/ED-curie-20090422/
[28] RDFa in XHTML: Syntax and Processing ( 版) http://www.w3.org/TR/2008/REC-rdfa-syntax-20081014/#s_curies
[29] 結局勧告になった唯一の CURIE の定義がこれか。
[32] CURIE Syntax 1.0 ( 版) http://www.w3.org/TR/2010/NOTE-curie-20101216/
[57] RDFa Core 1.1 - Second Edition ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/rdfa-core/#h2_s_curies
[30] RIF Datatypes and Built-Ins 1.0 ( 版) http://www.w3.org/TR/2010/REC-rif-dtb-20100622/#sec-base
[31] RIF Production Rule Dialect ( 版) http://www.w3.org/TR/2010/REC-rif-prd-20100622/#Namespaces
[7]
WEBTECH - webtech:vantguarde (2007-03-09 08:39:23 +09:00
版) http://web.g.hatena.ne.jp/vantguarde/20070308#1173357938
(名無しさん 2007-03-08 23:41:30 +00:00)
[131] JSON-LD 1.0 ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/json-ld/#compact-iris
[132] IRC logs: freenode / #whatwg / 20140403 ( ( 版)) http://krijnhoetmer.nl/irc-logs/whatwg/20140403
[133] The Open Graph protocol ( ( 版)) http://ogp.me/#types
[5] OASIS Open Document Format for Office Applications (OpenDocument) Version 1.2 - Part 1: OpenDocument Schema ( 版) http://docs.oasis-open.org/office/v1.2/os/OpenDocument-v1.2-os-part1.html#a18_3_12CURIE
[86] OASIS Open Document Format for Office Applications (OpenDocument) Version 1.2 - Part 1: OpenDocument Schema ( 版) http://docs.oasis-open.org/office/v1.2/os/OpenDocument-v1.2-os-part1.html#a18_3_28safeCURIE
[91] Mason/Mason-draft-2.md at master · JornWildt/Mason ( 版) https://github.com/JornWildt/Mason/blob/master/Documentation/Mason-draft-2.md
[135] EPUB Packages 3.1 () https://www.w3.org/Submission/2017/SUBM-epub-packages-20170125/Overview.html#h-sec-property-syntax