法定時刻

法定時刻

[200] 法令により定められた時刻系を、法定時刻 (legal time) (法定時, 法的時刻, 適法時) といいます。

[231] 近代的社会生活の便宜はもちろん、 法令契約における日時期間解釈を一意に決定する必要性からも、 法令により標準時を定めることが近代法体系では求められます。

呼称

[4] 法令時刻に呼称を与えていることもあります。

時差の記述を参照。

種別

[1] 現代においては、法令により標準時が1つ (または地域を区分してそれぞれ 1つ) 定めるのが基本となっています。

[2] 加えて、夏時刻時差とその実施期間を定める場合があります。

[8] 歴史的には適用分野を限定して標準時を実施するという形のこともありました。 現在では科学など特殊な分野を除き、対象を限定することなく標準時夏時刻を用いることとするのが普通です。


[5] 現在はおそらく法定時刻を持つすべての法令GMT または UTC からの時差によって定められています。

[7] 歴史的には、各本初子午線を基準に時刻が定められることもありました。

[6] 珍しい例として、英領クック諸島 (英領ニウエを含む。) の法令では、 「時刻は各子午線のもの」と定められており、 単一の明確な時刻を定めていませんでした。 (近代的標準時制度確立以前は世界各地でそのように運用されていたものの、 法令に明示されることはありませんでした。)

改正

[3] 標準時夏時刻改正や、 夏時刻の期間の決定については、 標準時を参照。

[201]英国植民地各国では、 Interpretation Act (法令の解釈に関する法律) で標準時が規定されていることが多いです。

[202] 日本のように、標準時を定める独立した法令が存在する場合もよくあります。

[203] 米国のように立法府の制定する法律として定められていることもあれば、 日本のように行政府政令として定められていることもあります。 大枠は法律で規定し、夏時刻の期間のような詳細を政令に委任するケースもあります。

[143] 米国のように制度の一部または全部を連邦の構成国家の裁量に委ねている場合もあります。

[31] 夏時刻の期間は、予め法令により定められる場合もありますが、 多くの地域では毎年関係機関が決定して発表しているようです。 時代と地域によっては即日実施の場合すらあります。

[204] 詳しくは各地の項を参照。 夏時刻法で確定: 北米欧州連合とスイス日本 (旧) 夏時刻法で大枠 + 政令で個別: フィジー。 労働大臣管轄: フィジー

[42] 本来時刻の決定は内政事項のはずですが、 欧州北米のように近隣諸国間で共通の標準時夏時刻を定めて協調実施される例もあります。 単独実施であっても、周辺や関係機関との調整を行わずに実施して非難される例もあります。

外国政府への改暦通知

地理的範囲

[24] 標準時夏時刻は、各国の法令によって定められています。 その適用範囲も、各国法令の規定するところとその効力の及ぶ範囲によります。

[25] 各国政府の主張する領域と実効支配の及ぶ領域に差がある場合には、 実際に当地で用いられているのは実効支配勢力の定める時刻と考えるのが自然です。

標準時を参照。

[27] 一般的に法令の効力が及ぶのは領土領空領海と思われます。 接続水域EEZ標準時法制の効力が及ぶのかは定かではありません。

[28] 国内であっても、在外公館や外国軍基地、租界など治外法権的性格を持つ地域がある場合があります。 そうした地域では独自の時刻を定めている可能性もありますが、 普通は便宜上、周辺地域と同じ時刻を採用しているものと思われます。

[33] 時刻制度が未発達だった時代には、周辺地域では標準時が制定されておらず、 租界でのみ標準時が存在した事例もありました。 例えば中国大陸の標準時を参照。

[26] 国際的な交通機関や通信、法令上の取り扱いなどについては、時間帯の接続を参照。

関連

法定暦法定紀年法

メモ

[9] On the Timing of Time Zone Changes () https://codeofmatt.com/2016/04/23/on-the-timing-of-time-zone-changes/

[10] [tz] Pyongyang Time transition plan announced () https://mm.icann.org/pipermail/tz/2018-April/026439.html