jdcm

JIS X 4052

[2] JIS X 4052:2000 日本語文書の組版指定交換形式 は、 JIS X 4051 で規定される組版指定を HTMLCSS と似て非なる構文で記述するマーク付け言語でした。

呼称

[8] 言語としての呼称は明記されていませんが、敢えて言えば JIS の題名である 「日本語文書の組版指定交換形式」でしょう。

[9] HTML に類似した部分は根要素html ではなく jdcm なので、 JDCM と呼ぶべきものなのでしょう。

[10] CSS に類似した部分は MIME型らしきものが text/css ではなく text/jss なので、 JSS と呼ぶべきものなのでしょう。

マーク付け言語

[3] HTML および CSS と極めて似ている構文と語彙を採用しています。

[4] しかし HTMLCSS そのものではありません。かといって独自に完全に規定しているわけでもなく、 言語としての詳細は明確に記述されていません。 SGML応用とも明記されていません。

[6] 構文としては HTML および CSS と似たものと、 JIS X 0208 に含まれる記号を使った完全に独自なものが規定されています。

[5] 語彙としては HTML および CSS部分集合を独自に拡張した形になっています。 HTMLCSS語彙ASCII文字のみで記述されていますが、 JIS X 4052 の拡張では非ASCII文字も使われています (すべて非ASCII文字というわけでもなさそうです)。

[11] 現在知られている限り、拡張部分を HTMLCSS の関係する標準化団体に提出した形跡はありません。 ただし当時 HTMLCSS の標準化を担当していた W3C の議事は非公開なので、 もしかすると提案はしていたのかもしれません。知らんけど。

[7] 処理方法は HTMLCSS に従ったものではなく、 JIS X 4051 に従うべきであるようです。

実装

[12] 実装があったのかは不明。

歴史

[17] 平成10年公開レビュー

[18] 原案は >>14 にあり。

[13] [0223] 「日本語文書の組版指定交換形式」公開レビューに参加しよう! - 日刊デジクリ, https://bn.dgcr.com/archives/19990112000000.html

[22] この版は最終版と違いが大きい。


[19] 平成12年公開レビュー

[20] 原案は所蔵なし。


[1] 中里一日記: 2004年02月 Archives http://kaoriha.org/nikki/archives/2004_02.html#000002

いくつか問題点を。

  • HTML+CSSと類似関係にあるが派生関係にない
  • XMLではない
  • ダサい

ごもっとも。

[21] 電子書籍交換フォーマットCSS もどきが一部 JIS X 4052 から引いています。

[216] HTML要素概説
要素名
head
要素名
style
要素名
link
要素名
body
要素名
div
要素名
h1
要素名
h2
要素名
h3
要素名
table
要素名
tr
要素名
th
要素名
td
要素名
dl
要素名
dt
要素名
dd
要素名
ol
要素名
ul
要素名
li
要素名
p
要素名
br
要素名
ruby
要素名
rbc
要素名
rtc
要素名
rb
要素名
rt
要素名
sub
要素名
sup
要素名
em
要素名
strong
要素名
u
要素名
strike
要素名
span
借用先
JIS X 4052
出典
注釈
  • [23] JIS X 4052 JIS X 4052:2000 日本語文書の組版指定交換形式日本語用の組版指定を記述できるマーク付け言語の仕様書。 JIS として制定された。 完全独自の構文と、 HTMLCSS の一部に独自機能を追加したものの2通りの構文を定めている。 JISX4052 当時の HTMLCSS になかった機能は独自仕様となっているが、 ルビだけは同時期に開発されていた W3CHTML 仕様との擦り合わせがあった。 そのため開発は遅延し、ルビ仕様は過剰に複雑化して実装者から敬遠された。 SW:<ruby>

[24] 詰め込みすぎて誰も実装しなくなったのは不幸だよなあ。 ruby いいものを作ろうと思っても使ってもらえるかわからない、だけで済めばいいけどかえって遠ざけてしまうという失敗例。 この手痛い停滞で10年くらい Web におけるルビは遅れてしまった...