六十周甲

十干十二支

[20] 干支 (十干十二支) は、十干十二支を組み合わせた60種類の値のです。

呼称

[5] 干支 (かんし) は、 六十干支えと甲子ともいいます >>4

[6] 甲子干支の第1であることから総称ともされます。 いろはアルファベットの類の呼称といえます。

[21] 干支えとと読んで十二支の意味で用いられることがよくあります。 現代日本では、 専門的な場面を除き、 そちらの解釈が一般的です。

[59] 甲子から次の甲子(の直前)までの十干十二支の1巡 (1周) を表すときに六十周甲なる表現もあります。

[61] 極めて稀に、六十干支を「干支 (えと) 」と呼ぶ人がいます。 >>62 十二支干支 (えと) と呼ぶ慣習的誤りを六十干支に遡って適用する二重の誤りから生じた言い方と思われます。

[62] 【図解】生まれ年の干支は、「西暦の下一桁」でわかる!, 12月 04, 2023, , https://www.divination.page/2023/12/shimohitoketa.html

一般的に、「生まれ年の『えと』は?」と聞かれると、「ねずみ年」や「うし年」のように、十二支を答えると思いますが、「干支(えと)」とは本来、十干と十二支を組み合わせたものです。

年の干支は、西暦の下一桁から割り出すことができます。

[63] >>62六十干支西暦下1桁でわかると謎の主張をしているのは、 よく読むと、 「十二支を知っていれば西暦から十干もわかるので六十干支がわかる」 という意味らしく、何重にもわかりにくく正確性を欠いた表現です。

表記

[29] 偏諱: 景午

干支合字

[34] 紀年銘を扱った日本昭和時代学術論文に、 明朝体で 「正安四年⿰刀壬」 とありました。 >>32 PDF 11ページ, >>33 p.六九 を表していたものです。 「刀」 (「刁」) は異体字

[38] 1文字分のサイズに収められており、 「壬」が気持ち幅広でした。 紀要版と書籍版では書籍版の方が少し「刀」が小さく上にアキがあるように見えます。 どちらの版も2文字を並べたのではなく、 1文字の扱いに見えます。

[36] 同じ論文の一覧表の「銘文」欄にはなぜか 「正安四」 とだけありました。 (日本国滋賀県蒲生郡桜川町願成寺水盤) >>32, PDF 5ページ (8), >>33 p.六四 (8)

[37] この論文の他の割書 (右横書き) 干支は親文字サイズと同じサイズの活字を行中心から左右に配置しているので、 この1箇所だけ作字して1文字にしたのが意図的なのかどうかは不明です。


[28] 鬼室神社案内パンフレット掲載の鬼室集斯墓碑銘文は、 左横書き (原文上縦書き) の明朝体で、 干支年の 「」 (原文では右、左と横並びに配置) を 「⿰子戊」 と奇妙な合字作字して書いていました。 鬼室神社 (出典には写真あり)

[35] 「子」が水平画を斜め上に払うの形になっていて、 明らかに1文字になっていました。

満文

開始

[46] 干支は60個の値の循環で、無限に続くため始まりも終わりもありませんが、 便宜上または思想上、値の1つを始めの値と決めることがあります。

[48] 干支年の上位単位のように、グループ化のため最初を選ぶ必要があることもあります。 干支年

[47] 最も一般的には甲子干支の最初とします。 干支の別名を甲子と言うのはこれによります。

[53] 暦算における干支の算出は基本的に60の剰余で、 甲子0 として数えたもの (>>9) に相当します。

[49] チベット暦では丁卯年を1巡の最初のとします。 チベット暦, 干支年

[56] MPSLC では乙卯年を1巡の最初のとします。 MPSLC, 干支年

[50] 讖緯説により辛酉年を区切りの年として扱うことがあります。 革命改元はこれによります。 神武天皇の即位年がこれに基づくとする説が長らく定説となっています (が疑わしいとする異説もあります)。

[51] 古く暦元に使われた甲寅年を始まりの年として扱うことがあります。 神武東征の開始年がこれに基づくとする説もあります。

順序

[7] 干支は、 甲子から始まり癸亥で終わる60個の値の順序付きので構成されます。

[8] つまり実質的に第1から第60まで数えられる数の列です。 値の宛て方は 0起算1起算の2種類があります。

[9] 0起算干支
[10] 1起算干支

[13] 現代の採用数でいえば1起算が一般的なようですが、 計算上便利なのは0起算です。 例えば太初暦

[71] 支那暦では一般に干支日甲子はじまりとします。 木星紀年法

[72] 干支年のはじまりにはいろいろな流儀があります。 干支年

[39] 干支と干支番号の変換: suchowan's blog, https://suchowan.at.webry.info/201210/article_1.html

応用

[3] 干支応用

人名

十二支

存在しない組み合わせ

非妥当干支

迷信

[68] 干支には様々な迷信が付加されています。 干支信仰

データファイル

[15] 順序、各言語での表記読みとの関係などが >>14JSON データファイルに含まれています。

メモ

[1] 干支 - Wikipedia ( 版) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B2%E6%94%AF

[17] Stems and branches - SuikaWiki Data ( 版) https://data.suikawiki.org/kanshi

[2] 巳已己ふたたび-和漢古書目録作成における漢字入力(1) (TRC データ部ログ) () http://datablog.trc.co.jp/2017/12/01181428.html

[18] 東洋文庫リポジトリ (NetCommons著, ) https://toyo-bunko.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=4392&item_no=1&page_id=25&block_id=47

橋本氏の十干十二支考を読む

[19] 東洋文庫リポジトリ (NetCommons著, ) https://toyo-bunko.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=4249&item_no=1&page_id=25&block_id=47

干支の起原に就いて(上)

[22] 東洋文庫リポジトリ (NetCommons著, ) https://toyo-bunko.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=4254&item_no=1&page_id=25&block_id=47

干支の起原に就いて(下)

[23] 甲子 - Wikipedia () https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B2%E5%AD%90

[24] 世界の文字, http://www.chikyukotobamura.org/muse/wr_easia_41.html

琉球の古い独自の文字

[25] 謎󠄃の漢字: 由来と変遷を調べてみれば, 笹原宏之著, 発行

p.205

中国では、まだ文字が整理を経ておらず、小篆さえも生まれていな かった (しゅん) (じゅう) 時代にすでに、干支の「己亥」が「三豕󠄁」つまり三匹の豚󠄁と読み間違われたと の記録がある。

[27] 以文会筆記抄 - 国立国会図書館デジタルコレクション, https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1187041/102

[42] 「最古の文字」、正体は油性ペン 弥生時代中期の松江・田和山遺跡 | 共同通信, 共同通信, Published 2022/09/09 07:09 (JST), Updated 2022/09/09 07:17 (JST), https://nordot.app/940728834279653376

岡見知紀奈良県立橿原考古学研究所主任研究員らが、ラマン分光分析で、油性ペンのインクだったと結論づけていたことが8日分かった。遺物整理の際に誤って付いた可能性があるという。10日に千葉大(千葉市)で開かれる日本文化財科学会で発表する。

裏面にある黒い線は縦書きの2文字で、上は「子」、下は「戊」などで、国内最古の文字の可能性があると2020年に学会で発表していた。

[43] 今後はオカルト陰謀論者のおもちゃコースかなこれ

[44] 群馬県史 資料編 8 (中世 4 金石文), 群馬県史編さん委員会, , , https://dl.ndl.go.jp/pid/9644240/1/476 (要登録) 右中央

[54] 群論的に干支を考える:十二支と十干はなぜ60年で戻るのか? - tsujimotterのノートブック, https://tsujimotter.hatenablog.com/entry/think-of-the-zodiac-with-group-theory

[58] SUT bulletin 3(1)(19), 東京理科大学, , , https://dl.ndl.go.jp/pid/2343204/1/16 (要登録)

[67] 琉球語便覧 附琉語解釈 | 日本語史研究資料 [国立国語研究所蔵], https://dglb01.ninjal.ac.jp/ninjaldl/show.php?title=ryukyugobinran&issue=001 /111