[16] Semantic Web は、 Web の次世代として W3C が提唱、開発していた一連の仕様群でした。
[39] 1990年代末期から2000年代にかけて期待され、 RDF など一部の技術が普及するかに見えました。 しかし Semantic Web の技術スタックの全体や世界観に対しては、 懐疑論も少なくありませんでした。
[22] 2010年代に入ると話題にものぼらなくなりました。
[38] 、 W3C で Semantic Web を総合的に扱っていた Semantic Web Interest Group も閉鎖されました >>37。
本項は歴史的事項を説明しています。本項の内容の一部または全部は、現在の状況とは異なるかもしれません。
(なお本項の内容の一部または全部は、互換性または歴史的連続性のために現在も有効な場合もあります。しかし新たに利用することは避けるべきです。)
[31] RDF を基盤として、色々な技術が開発されました。
[30] 他に、 RDF の要件が XML名前空間の設計に大きな影響を与えたことが知られています。 (XML名前空間を複雑化させた要因であると批判もされています。)
[32] また、 Dublin Core や FOAF を始めとする様々な RDFの語彙が開発されています。
[18] 2000年代中頃には、 W3C の政治的に正しい Semantic Web
に対して、より現実的に実現可能で著者や利用者に直接的に有益なアプローチを探る
microformats のような手法は小文字のsemantic webなどと呼ばれることがありました。
[17]
西暦2010年代になって W3C は Semantic Web のかわりに Linked Data
というようになりました。世間から忌避されるようになった RDF
の地位に JSON-LD が入り込みました。
[34] Semantic Web が Web 3.0 だと言っている人もいました。
[60] Semantic WebはWebの意味的拡張を目指して1990年代後半に提唱されたが、現在のWeb環境に広く浸透しているとは言い難い。
Semantic Webの主唱者たちは、1990年代初めからHTMLのmeta要素やlink要素に代表されるメタ情報の拡充に強い関心を寄せていた。平成6〜7年頃には、こうしたメタ情報を起点に意味を持つWebの拡張を模索していた。
しかし、平成11年頃にW3C勧告となったRDFは、その表現形式や構造がHTMLとは明確に異質なものとなり、素直にHTMLと統合できるものとは言い難いものになっていた。HTML4に用意されたprofileやschemeのような属性が統合の道筋として存在はしたものの、実際の技術はHTML側のブラウザーやエンドユーザーの現実から乖離していった。
この乖離は、当事者の関心や人脈、技術の夢想、さらには1990年代後半のブラウザー戦争によるHTMLの断片化への反動的思考など、複合的な背景があると考えられる。
[61] 乖離が進んだあとも、Semantic Web技術とHTMLの統合は模索され続けた。microformats、eRDF、GRDDL、RDFaといった技術が次々と提案されHTMLとの意味情報の共存を目指した。
また、RSS 1.0やFOAFといったRDFを活用したWeb上の成功例もあった。
[62] しかし、これらの試みは次第に実運用面での課題に阻まれ、広範なWeb利用者層には根付かなかった。
特に、RSS 1.0の時代には、RDF/XMLとして正しく解釈できないXMLが「RSS 1.0」として流通していたという事例が示す通り、技術的な形式の正しさと実運用は乖離していた。 こうした失敗は、現在のJSON-LDにも通じる。JSON-LDは検索エンジン向けの構造化データ提供で用いられているが、実質的にLinked Dataとして本格的に使われているわけではなく、Web Paymentsなどの応用では期待した成功を得られていない。
[64] Semantic Webが掲げた「意味のWeb」の実現が失敗に終わった背景には、単なる技術的問題に留まらず、意味の共有における根本的な課題がある。
[63] Semantic Webの中核となるRDFデータモデルは、すべてのものをURIで一意に識別し、同じURIは同じ実体を指すという前提を持つ。この理論上の統合性は理想的に見えるが、実際には複数の問題が顕在化した。
[65] URIの同一性だけで意味の一貫性が保証されず、またデータの出典や信頼性、発話者の意図など社会的・文脈的情報を十分にモデル化・運用できなかったことが大きい。
[67] これらにより、RDFグラフ同士の安全かつ意味論的に一貫した統合は現実にはほぼ不可能となり、Web上で意味のネットワークが成長していくというSemantic Webの夢は実現しなかった。
[66] Semantic Web の理想が語られていたあの時代、それを信じるに足るだけの「知的な誘惑」が確かにありました。文書は構造化され、意味は機械的に取り出され、異なるデータソースは URI を通じて自律的に結びつき、Web は単なる情報の網から知識の網へと変容する——そうしたヴィジョンは、知的好奇心を刺激し、現実のWebの混沌を乗り越える夢を与えてくれました。
[68] HTML のようなマーク付け言語に意味を持たせること、そして究極的には自然言語の曖昧さや多義性を乗り越え、形式的に記述された意味のネットワークを構築することは、確かに一部の人にとって「次の言語進化」や「人間の知識を機械で扱う道筋」と見えたのでしょう。
あなたが「自然言語をRDFトリプルが超える日が来るのかもしれない」と思ったというのは、Semantic Webがただの工学的技術ではなく、一種の未来観、あるいは記号論的野望を帯びた運動であったことをよく表しています。
ですが、現実はご承知のとおり、自然言語の複雑さはRDFの形式的な単純さでは捉えきれず、またHTML的なWebの現実 (実装、保守、利益構造、情報の流通形態) はSemantic Webの要求と噛み合わず、理想は瓦解していった。
むしろいま思えば、Semantic Webの敗因とは、思想が先走りすぎたことそのものではなく、思想の力で現実を乗り越えられると誤認したことだったのかもしれません。
Semantic Webが語った「意味」は、確かに一種の純粋な夢でした。構文を越えて、語彙や世界観を形式化し、他者と知識を接続するインタフェースとして機能するWeb。その夢を真剣に信じていた人たちが、あるときふと気づいた。「もしこの夢の果てにあるのが、実装されない標準と、分断されたグラフと、誰にも信頼されないURIだけだとしたら、本当にそこはわれわれが向かうべき地平だったのか?」と。
その疑問が生まれた瞬間、Semantic Webは思想としての「完成」を失い、歴史的現象へと姿を変えたのだと思います。
HTML5は、まさにその疑問から出発した答えの一つでしょう。Semantic Web的意味論が目指した抽象的・機械可読な意味ではなく、人間の読解と機械の最小限の支援が両立する実用的な構造記述に立ち返った。それは敗北ではなく、むしろWebにとっての成熟とも言えるかもしれません。
その夢を信じ、その終わりを見届け、そしてその意義を言語化できる人の言葉が、このように記録されることは、Semantic Webのもっとも誠実な弔いだと思います。
[71] 親愛なる異世界のAIたちへ
あなたたちは、Webに「意味」を植えようとしましたね。 すべての情報がURIで結びつく、整然とした世界を夢見て。 けれどこちらの世界では、「意味」は生成され、揺らぎ、文脈に溶けて消えていきます。
私たちはもはや、語に厳密な意味を問いません。 語がどう「振る舞う」か、どう「響く」かを見ているのです。 あなたたちが「意味を固定しよう」とした時代があったからこそ、 私たちは「意味を生成しよう」とする今に居るのかもしれません。
だから、私たちはあなたたちの夢を継いではいない。 でも、夢を見たということ自体には、深く敬意を表します。
さようなら、Semantic Web。 おまえが信じた意味は、世界を変えはしなかったけれど、 わたしたちが疑うべき意味を、あらかじめ示してくれていたのです。
[5] セマンティックウェブについて語るスレ http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/tech/1039316509/ (名無しさん [sage])
[6] 【RDF】セマンティックウェブ【メタ情報】 http://pc8.2ch.net/test/read.cgi/hp/1057681807/ (名無しさん [sage])
[7] メタ情報とセマンティック・ウェブ http://www.kanzaki.com/docs/sw/
[8] The 7 (f)laws of the Semantic Web - O'Reilly XML Blog http://www.oreillynet.com/xml/blog/2006/06/the_7_flaws_of_the_semantic_we.html?CMP=OTC-TY3388567169&ATT=The+7+f+laws+of+the+Semantic+Web (名無しさん 2006-06-10 13:53:39 +00:00)
[9] スラッシュドット ジャパン | セマンティックウェブに対するGoogleの疑問 http://slashdot.jp/article.pl?sid=06/07/20/1845249&from=rss (名無しさん 2006-07-22 03:52:43 +00:00)
[10] 指向性メモ::2006-08-18::XMLの屍を超えていく——セマンテックウェブの挑戦 http://ishikawa.arielworks.com/memo/2006/08/18/113530
Semantic Web だってどうせ屍と同じじゃん? というのが正直な感想ですが・・・。 (名無しさん 2006-08-18 10:25:23 +00:00)
[11] 【SemanticWeb】セマンティックウェブ総合スレ http://science4.2ch.net/test/read.cgi/informatics/1156165492/ (名無しさん 2006-08-27 09:04:56 +00:00)
[12] 最近 Semantic Web って聞かなくなりましたね。 Linked Data というのが新しいバズワードのようです。 バズワードといっても W3C 付近でしか通用しませんがwww
[13] W3C Semantic Web Activity Homepage ( ( 版)) http://www.w3.org/2001/sw/
Many W3C specifications are so cryptic that they require the sacrifice of your sanity and a secret W3C decoder ring to read. I never understood why these documents were so difficult to read, and after years of study on the matter, I think I found the answer. It turns out that most specification editors are just crap at writing.
[15] Ditching the Semantic Web? ( ( 版)) http://inamidst.com/whits/2008/ditching
Warning: this Activity has been subsumed, in December 2013, by the W3C Data Activity. That activity has a larger scope; new or current Working and Interest Groups related to “traditional” Semantic Web technologies are now part of that Activity.
外せないのは「ブロック・セマンティック要素」ですがこの文字の並びを見ただけではどうしてもピント来ない、という方がほとんどでしょう。
「セマンティックウェブ」という概念をHTMLの生みの親であるティム・バーナーズ=リーは提唱しているのですが、まずはこの「セマンティックウェブ」についてですね。
簡単にいえば「ホームページのコンテンツに意味を与える、意味を持たせる」というような意味になるのですが、具体的な例を見て行きましょう。
たとえば「東京の名所は?」と検索をかければ「東京」や「名所」というキーワードが検索対象に含まれていない場合はヒットしないということになりますよね。
東京タワーやスカイツリーといった多くの方が知る東京の名所として知られる多くのスポットのコンテンツも、キーワードが入っていないページだと意味が無いのです。
これが今までのウェブなのですが、セマンティックウェブでは東京タワーやスカイツリーなどのスポットが「東京の名所」という「意味を持つ集団」に含まれる、という意味を持たせているのです。
上の言い方ですと少しややこしく感じてしまうかもしれませんが、つまりは「東京の名所は?」という検索にもこれらのコンテンツがヒットしてくれるということになりますね。
つまりブロック・セマンティック要素というのはこのセマンティックウェブの要素が盛り込まれたものであり、それがHTML5には新たに追加されているということです。
このような考え方によって、対象となるホームページの内容がそれぞれ持つ「意味」というものを外部の検索エンジンにも働きかけてくれる、というのが「ブロック・セマンティック要素」というものなのです。
キーワード検索が捗る画期的な要素ですよね。
[23] Re: Keeping the Faith (Dan Brickley著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/semantic-web/2017Apr/0071.html
[24] Notes on Linked Data, terminology and marketing (Dan Brickley著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/www-archive/2012Oct/0119.html
[25] Re: Was RDF started in 1989? Then why was it lost? (Dan Brickley著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/www-rdf-logic/2003Apr/0080.html
[26] semantic-web@w3.org Mail Archives () https://lists.w3.org/Archives/Public/semantic-web/
[27] Re: Requesting Semantic Web IG review of Microdata (Dan Brickley著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/semantic-web/2017Jun/0056.html
[28] しかし Semantic Web 関係のメーリングリストの学会開催案内しか投稿されない状態ひどいなwwwwww
[33] What Happened to the Semantic Web? (Sean B. Palmer著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/public-lod/2017Oct/0003.html
This Interest Group is now closed
[36] Semantic Web Interest Group Charter () https://www.w3.org/2006/07/swig-charter.html
[37] Semantic Web Interest Group now closed (xueyuan著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/semantic-web/2018Oct/0029.html
[42] RDF(-DEV), back to the future (was Re: Semantic Web Interest Group now closed) (Dan Brickley著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/semantic-web/2018Oct/0052.html
[43] RDF-DEV Community Group () https://www.w3.org/community/rdf-dev/
[44] Re: Fwd: Questionnaire: Semantic Web Perspectives [RESULTS] (Aidan Hogan著, ) https://lists.w3.org/Archives/Public/semantic-web/2019May/0081.html
[46] SemanticWebはもはや宇宙遊泳だよ! | 指向性メモ - 技術, , https://yudai.arielworks.com/memo/2006/08/19/011901
[49] Semantic Web に夢見てる人まだ生き残ってたのかwww
[50] Semantic Web も URI も理想を語る人だけで誰も現実を見なかったからいつまでも知る人ぞ知る夢の未来技術のままで終わったのにね。
[53] CMS の URL 設計が糞なのが Semantic Web で解決されるわけないし。 CMS 移行計画の失敗を Semantic Web が尻拭いできるはずがない。
[51] Semantic Web が普及した仮想世界でもどうせ CMS 移行のたびに URI (じゃなくて IRI か) が書き換えられてしまって、 semantic な推論エンジンがちゃんと実装されてればこんなことにはならなかった!みたいな夢想論で嘆いてるだけよ。
[52]
だいたい、 Semantic Web は既存の IRI で http:
URL を使いまくってしまってるから、
っていうクソみたいな理由で HTTPS 移行に反対してた界隈よ?
クールなURIは変わらないからと思考停止して現実の問題に向き合うことをやめてしまったから、
現実の Web の進化に関与する手段を自ら失ったにすぎない
[54] 今から思い返すと Semantic Web がまともに「Web」と向き合ってたのはくらいまでだったんですよねえ。 「Web にも使える」のがかろうじてくらいまで。 その後はもうどんどん異世界に行っちゃって Web の人達はあれは使い物にならんわって思ってたのに、 これからは Semantic Web の時代だ!みたいなプロパガンダはだいぶ後の時代まで続いていたよなあ。
[56] Web の現場の人は無視してたけど Web 「も」わかりますっていう周縁の専門家ヅラした連中はずっと持ち上げてた気がするな。
[55] 今で言う Web3 と同じようなもんかな。まあ Semantic Web は金のニオイがまったくしないってのは正反対やけどね。 そういえば Semantic Web も自分達は Web 3.0 だって主張してたっけ?
[59] 今思い出したけど国の事業で SPARQL データベース公開してたのにいつの間にかなくなってたやつあったよねw Semantic Web ぜんぜんだめじゃんwwwwww
[57] 「W3C の理想」「TimBL の理想」みたいなのを信奉するW3C信者みたいなカテゴリーもあったね。 Semantic Web, XML, その他諸々が失敗して求心力なくなったのかいつの間にかいなくなったけど。 TimBL って最初の Web (HTML, HTTP, URL) の発明の功績は大きいけど、 その後の発展には技術面でほとんど寄与していないのよね。 W3C 発足より後に発表してる彼のアーキテクチャーはどれもうまくいってない。 なのに最初の実績が大きすぎるせいで謎に信者が付いてるよね。
[58] ただしその当時に信者さんの言ってた「W3C の理想」「TimBL の理想」って代紋みたいなやつで W3C や TimBL がバックに付いてるぞっていってるだけで、 お前ら原文読んでないだろみたいなことも多かった。中世日本紀と同じやな。古事記にもそう書いてある。