偽文書元号

偽文書元号

[1] () (もん) (じょ) (げん) (ごう) は、 もっぱら偽文書にのみ利用例の確認される元号です。

[2] 元号のうち、

のすべての条件を満たすものは、偽文書元号であります。

[6] いずれかの条件を崩す新たな資料が発見されない限り、 元号も偽造で実在しなかったと推定するべきです。

[7] この条件を満たさない偽文書元号もあり得ます。

[8] 理論上はこの条件をすべて満たしても、 たまたま偽文書だけに残存した実在の元号の可能性はあります。 しかしながら、それなりの根拠によって実在性が主張されるべきで、 それがなければ非実在と推測しておくのが穏当です。 元号に限らず偽文書だけを根拠に実在性を主張するのは危険です。 実在性が確認できる一般の元号とは区別が必要です。

[12] 偽文書元号の多くは現実世界時間軸過去のいつかを表すと装いながら、 実際にはいつのことか明らかではありません。

[11] 偽文書元号の一覧:

法徳 (清徳, 宝徳)
日本能登国近世出現偽文書 (境界定) の日付に使われました。
大筒, 大とう
日本陸奥国会津藩領出現中世紀年偽文書 (譲状) の文中の由緒記述に使われました。
清保
日本河内国枚方出現中世偽文書日付に使われました。
萬喜, 万喜, 高喜
日本奥羽越方面近世出現偽文書 (マタギ免許状秘伝書) の日付に使われました。
永元
偽書和田家文書所収文書日付に使われました。
自由自治
自由民権運動に関係した過激派による偽文書の可能性が高い文書日付に使われました。

[13] 偽文書以外にも使われる元号: 大同, 遡及年号偽造文書事件

[10] 秘伝書の日時にもしばしば偽文書元号が使われています。

[9] 偽文書元号以外にも偽書に使われた架空の元号はあります。 偽書, 架空の元号

[14] 偽文書元号のいくつかは私年号と呼ばれてきました。 私年号に分類するべきかは議論の余地がありますが、 その上位分類に当たる異年号の一区分とはいえます。