[1] HTML の pre-html
要素は、
ISO-HTML 文書の準備段階で章節構造の妥当性検証を行うために使う文書要素型でした。
[7] pre-html
要素はごく一部の ISO-HTML
利用者が利用していたのみで、普及したものではありませんでした。 ISO-HTML
もその後の HTML の進化に追随しておらず、現在では利用されていません。
[8] pre-html
要素に相当するものは現在の HTML
には存在せず、すべての場合に html
要素が使われています。
pre-html
[3] 元々 ISO-HTML の原案では divn
要素を使って
hn
要素で暗示される章節構造を明確にし、
n を飛ばすなどの不適切な文書を DTD のレベルで禁止しようとしていました。
[4] しかし ISO-HTML を HTML4 の部分集合とすることとなったため、
divn
のような HTML4 に含まれない要素は規格本体からは削除され、
代わりに規格の編集者らによる「利用者の手引き」に追いやられました。
手引きはあくまで規格本体の利用を補助するものという位置付けなので、
正式な DTD とは別に、文書の準備段階で章節構造を確認するためだけの DTD
が用意され、 divn
はそこに含められることになりました。
両者を区別するため、正式な文書要素型である html
のかわりに pre-html
が用意されました。
[5] html
要素や pre-html
要素は開始タグも終了タグも省略できるので、
<!DOCTYPE PRE-HTML ...> <head> ... </body>とだけ書いておけば、
<!DOCTYPE HTML ...> <head> ... </body>のように文書型宣言を書き換えるだけで正式なものに変更でき、手軽であると思われていました。
pre-html
[6]
西暦2000年代のはじめごろ、不思議マーク付けのHTML文書を無理矢理に SGML
文書として正しく認識させる試みがなされたことがありました。
当時の無料の Webサイトのホスティング・サービスの中には HTML
の文書の構造を無視して html
要素のタグの外側に広告を表す要素を挿入するものがあったため、
それを SGML 的に認めるために、html
要素より外側にある文書要素として
pre-html
要素が流用されたことがありました。