[1] XHTML2 の l
要素 (当初は
line
要素) は、 HTML4 の br
に代わり文書中の「行」を表すものとして提案されていました。
line
要素[16]
line
要素はブロック要素です。また、
address
要素でも使えます。
>>14
[18]
line
要素は文章の単一の論理行を表します。
>>14
[20]
DTBook には br
要素もありますが、両者の関係は特に説明されていません。
[21] DTBook は HTMLもどきですが、 HTML からの影響はあっても HTML への直接の影響はないと考えられます。結果的に XHTML2 を先取りした形になりました。
line
要素[2] line
要素は mimasa
氏により追加が検討されている要素として事前にリークされていましたが、
正式には 2002年8月の最初の XHTML2 作業原案によって公表されました。
[6] 2つ目の作業原案では l
要素に改名されましたが、
なぜか規定が削除されていました。 br
要素も削除されました。
[4] l
要素に対しては、従来 br
要素や pre
要素で表していた詩の行やプログラミング言語の行をより“意味的”
に記述できると評価する声がある一方で、「行」という概念自体が物理的であって
XHTML には相応しくないとする批判もありました。
[5] 末期の XHTML2 WG では l
要素を廃して
br
要素に戻すべきとの意見もありました [要出典]。
[25] XHTML 2.0 - <line> or <l>?, SCJessey@aol.com, , https://lists.w3.org/Archives/Public/www-html/2002Dec/0137.html
[9]
section
要素のように XHTML2 の有用なアイデアは HTML5
に取り込まれましたが、
l
要素を推す声はほとんどありませんでした。
[23] IRC logs: freenode / #whatwg / 20091208 ( 版) http://krijnhoetmer.nl/irc-logs/whatwg/20091208#l-1095
[10]
平成10年代前半頃には、欧米でも日本でも、
br
式の空要素より、
l
式の子供を持つ要素の方が優れているとの考え方がありました。
その背景には
CSS や DOM
で
「要素と要素の間」
よりも
「要素とその内容」
の方が扱いやすいことがあったのでしょう。
p
要素がお尻pから子供を持つようになり、
hn
の暗示的区切りより section
が望まれ
hr
が敬遠されるといった、
言語全体の方向性もありました。
[13]
HTML4 Strict、XHTML 1.1 の流れをついで物理要素の排除を目指した
XHTML2 にとっては、
物理要素と疑われがちだった br
を放置するわけにもいきませんでした。
[11]
しかしあらゆる行を l
に入れさせるのは現実的でなく、
明示的な l
とそうでない暗示的な行の混在が前提とならざるを得ません
(XHTML2 はそれを明確に規定していませんでしたが)。
文書の作成を考えると
br
や
pre
の従来方式の方が楽です。
CSS や DOM の扱いも、
混在を前提にすると l
を追加したことにより複雑になるだけです。
(一般性が求められず自分の作ったページだけで通用すればいいスクリプトなら、
対象を span
で適宜マーク付けすればよく、専用の要素は不要です。)
[12] むしろ、「行」という表示に密接に関係する要素を新たに追加しても、 表示調整目的で濫用されるであろうことは HTML の歴史から明らかです。 実用性に疑問があり、 言語の意味的な整合性も危うくするようなものを、 敢えて追加する意義は少ないでしょう。
[24] HTML 5: The l (line) element, Dave Hodder, , https://lists.w3.org/Archives/Public/public-html-comments/2008Feb/0013.html
[27] [whatwg] HTML tags for POEM and MUSIC LYRICS, , https://lists.whatwg.org/pipermail/whatwg-whatwg.org/2017-November/000080.html