Document architecture

文書体系 (SGML)

[1]

JIS X 4151‐1992 3. (238) 文書体系 (Document architecture)
文書処理応用の形式化のための規則。
  • 例 文書体系は、次のものを定義できる。
    • 1. 多様な要素定義に対する属性の意味。
    • 2. 要素クラス及び要素が持つ属性。
    • 3. 要素クラスの言葉の中で文書型を定義するための構造規則。
    • 4. 連結処理及び属性の値による影響。
    • 5. 交換時に文書に伴う情報 (文書概要)。

[2] 文書体系は、その文書表現と処理を支配し、 「取巻く」ことができます。「表現」は DTD でその規則を定義します。 (ISO 8879 の方法。)

また、文書体系は、体系定義規則 (体系形式) を DTD に適用することで「有効化」することもできます。 体系定期規則と、それに関連付けた体系的意味は、 体系定義文書に記述します。 体系形式の正式な SGML 指定や体系を有効化するための関連する宣言は体系DTD (メタDTD) を形成します。 (ISO/IEC 10744 の方法。)

参考: http://www.y12.doe.gov/sgml/wg8/docs/n1920/html/clause-A.3.1.html#clause-A.3.1.1

[3] 文書型と文書体系の概念の対応:

文書型文書体系
クライアント文書体系的文書
応用DTD, クライアントDTD体系的DTD
文書型宣言体系支援宣言
文書要素体系文書要素
(文書要素型)体系文書要素形式
文書型名体系文書要素形式名
要素型要素形式
(属性集合)属性形式
記法記法形式
必須属性強制属性
(省略可能な属性)非強制属性
固定属性定数属性
(固定されていない属性)変数属性
マーク最小化体系的マーク最小化
システム宣言体系システム宣言

[4] 文書体系

[23] コラム: 先達の示唆に形を与えられるか, 檜山正幸, Fri Mar 23 2001, , https://www.chimaira.org/docs/JW01Col.htm

かつて、SGMLのさまざまな欠点に失望・落胆した筆者は、XMLにおいて、SGMLの 多くの機能が削り落とされたことに「せいせいした」と快哉を叫んだ(ま だ余分なものが含まれていると思っているが)。その一方で、SGMLや HyTime(SGMLの姉妹規格のようなもの)のなかで曖昧に示唆された概念に、形を 与えられないか、とも思うのだ。

たとえば、HyTime(*注1)で導入された「文書アーキテクチャ」という概念には今だ に魅力を感じる。HyTimeが定義(?)する「文書アーキテクチャ」とそれに関連 する概念・用語は腹立たしいほどに不明瞭なのだが、なにかしらの真実を含む ように思える。そう思っても、現状は曖昧過ぎて評価不能だから、まずは徹底 的な明確化が必要だ。(明確にしたら、実は役立たずだったと判明する可能性 もあるが、筆者はそうではないと信じている。) HyTimeにおいて(その他の著作物で も)、説明もなく使われている「メタ」とか「タイプ」とかいう、いわくありげな言 葉に、合理的かつ明晰な定義を与えなくてはならない。あるいは、思考停止を誘発する 「メタ」やら「タイプ」やらは一切使わない説明が必要だ。

[5] HyTime にごっちゃに詰め込まれてる一連の仕様群は、 (一部の変な人達にだけw) 不思議な魅力を放ってるのですよね。 何度読んでも意味不明で壮大で実装不可能としか思えないのだけれども、 なんだか世界の真理がそこに隠されているような。

[6] だから SGML (の大部分の機能) と HyTime が失敗に終わったことが明白な今となっても、 そこから何か有用な部分を取り出せないかと思ってしまう。 >>23 が書かれた平成13年 (まだかろうじて WebSGML が息してたかもしれない頃) も、そこから20年がたってしまった今でも。

[7] でも仮にその試みが成功したとしても、それは SGML でも HyTime でもないんだよなあ。。。

[8] まあ SGML のように世界を変える力はないかもしれないけど、 ハイパーテキスト情報システムの技術史や思想研究の肥やしにくらいはなるのかもしれない。