[1] Web 日記は、Web 上にある日記です。 平成初期 (2000年代のはじめ) までは広く用いられていた語ですが、 今日では英語で「ブログ」と呼ぶことがほとんどです。
[2] Web日記用のソフトウェアは2000年代のはじめ頃に数多く作られましたが、現在も開発が続けられているものはごくわずかです。
[3] Web日記時代のサービスはほとんどが終わってしまいました。現在でも残っているサービスも、 「Web日記」ではなく「ブログ」と称していることがほとんどです。
[9] 機能はソフトウェアにより様々で、また手書き HTML の場合すらありましたから、 本当に多種多様でした。末期になるとブログの機能の取り込みが進み、 技術面から区別することができなくなりました。次に挙げるのは実装例がみられた機能の一部です。
[4] 日本ではWeb日記は90年代後半から00年代前半にかけて、自然発生的に広がっていました。 英語圏でも同時期に似た形態のWebサイトは存在していたと思われます。
[5] 00年代前半にブログが現れた時、日本ではWeb日記と対立する新たな潮流として紹介されたこともあり、 Web日記とブログは異なるものとの認識が広まりました。Web日記側コミュニティーからの反発も大きく、 「日本人にはブログより日記」のような言葉も生まれました。
[6] 実際にはWeb日記とブログは、同じものです。 ブログの元の語は「ウェブログ」であり、ログとは日誌、日記、記録といった意味ですから、 完全に同義語といえます。 Web日記とブログの違いとして紹介された点 (例えば「日」単位か「記事」単位か、アンテナか RSS か、など) も、単なる設計方針の違いでしかありませんでした。
[7] より新しくインパクトの強い「ブログ」がこの分野の呼称として普及し、 多くの「ブログ」を名乗るサービスが登場したことで、 次第にWeb日記という語は使われなくなっていきました。 Web日記サービスの代表だったはてなダイアリーも、 その後ブログサービスを名乗るようになりました。 それ以外のWeb日記のソフトウェアやサービスは、 時代の変化についていけず、影を潜めていきました。
[8] 令和元年のはてなダイアリーとはてなグループのサービス終了で Web日記の血を引くサービスももう残っていないのでは、 と思ったら tDiary がまだかろうじて生き残っていた!