境界内物体集合

境界内物体集合

[1]

境界内物体集合 (bounded object set) , BOS
HyTime 応用処理する対象。 1つ以上の文書やその他情報物体集合

[2] 仕様書:

[3] HyTime におけるハイパーリンク意味予定付け意味などいくつかの意味は、 参照元から参照先へ適用されます。 参照先参照元とはことなる物体中にあるかもしれません。 ある情報に対してどのような意味が適用され得るかを全システムが全文書を処理して決定することはできませんから、 参照先を理解するために必要な参照元を含む文書がどれかを指定する必要があります。

また、ハイパー文書は複数の物体で構成されているかもしれませんから、 ハイパー文書を完全に複製するためには、 どの物体が必要かを著者が指定できなければなりません。

この2つの理由から、ハイパー文書と考えるべき文書その他の情報物体の数は有限でなければなりません。 ですから、その物体集合境界内物体集合と呼びます。

HyTime 6.2.4

[4] 境界内物体集合は概念的に3つに分けられます。

HyTime境界内物体集合
HyTimeハイパー文書は、 それぞれ丁度1つのハブ文書を持っています。 HyTime境界内物体集合とは、 HyTime ハブ文書によって直接又は間接に指定される境界内物体集合を指します。 HyTime境界内物体集合に属する物体は、 共通データ属性 boslevel, inbos, subhub, HyDoc 体系的形式属性 maxbox, boslevel, bosspec, bosspec 体系的形式属性 boslevel, inbos により決まります。
応用境界内物体集合
応用境界内物体集合は、 HyTimeシステムのソフトウェア・プログラム者が想定する境界内物体集合です。 たとえば、応用の設計者は、ハブ文書URI参照していて実体宣言としては存在していない文書をも境界内物体集合に含まれているものとして考えたいかもしれません。 そのような状況を想定して HyTime境界内物体集合とは別に応用境界内物体集合という概念が用意されています。
実効境界内物体集合
任意の時点において、 処理しているハイパー文書に完全に成功裏に統合された物体すべてで構成される境界内物体集合実効境界内物体集合と呼びます。 著者が必要と考えた (HyTime境界内物体集合内の) 物体やプログラム者が必要と考えた (応用境界内物体集合内の) 物体の中には、 (例えばネットワーク誤りにより) 取出して統合することが実際にはできないものも含まれているかもしれません。 ISO/IEC 10744 の大部分では、 そうした物体を除外した実効境界内物体集合に関して議論しています。 もちろん、 HyTime境界内物体集合応用境界内物体集合実効境界内物体集合が一致することもあります。 処理が進むにつれて実効境界内物体集合外の物体に遭遇したら、 その物体実効境界内物体集合に追加していきます。

HyTime境界内物体集合だけは ISO/IEC 10744 で明確に規定されていますが、 応用境界内物体集合実効境界内物体集合は (その性質上) 標準化された記述方法が存在しません。

なお、どの境界内物体集合でも、最低ハブ文書は含まれます。

[5] 例: たとえば、ハイパーリンクに関して、 HyTimeシステム実効境界内物体集合内のはすべて知っていますが、 その外のは知る必要はありません。 リンク探索した先が実効境界内物体集合の外であると分かった時は、 その先のが含まれる物体実効境界内物体集合に追加し、 処理を続けます。 (これは利用者に確認を取るかもしれませんし、取らないかもしれません。)

HyTime 6.2.4