起源 (URL)

[1] URL は起源 (origin) を持ちます。多くの場合、 URL の起源は URL scheme と authority から決まります。

[2] 起源一般については、起源の項を参照。

[8] URL の起源は、文書の起源などの定義に使われる、起源の基礎となるものです。

仕様書

定義

[301] URL URL の起源は、次の手順が返す値です >>300。

[21] URL の scheme により、
http, https, ftp, ws, wss のいずれかの場合
項組起源を返します。
項組起源
scheme
URL の scheme
ホスト
URL のホスト
ポート
URL のポート
[43] かつては gopher も該当していましたが、令和元(2019)年の改訂で変更されました。
blob の場合
[36] URL の blob URL entry が null でない場合、
[37] URL の blob URL entry の環境の起源を返します。
[38] それ以外の場合、
[22] URL2 を、URL のpath [ 0 ] に基本URL構文解析器を適用した結果に設定します。
[24] URL2 が失敗の場合、
[25] 不透明起源を返します。
[26] それ以外の場合、
[27] URL2 の起源を返します。
file の場合
実装依存の値を返します (>>31)。決めかねる時は不透明起源を返します。
実装依存の scheme の場合
実装依存の方法で決めた値を返します (>>29)。
それ以外の場合
不透明起源を返します。

[306] ここでいう scheme、ホスト、ポートは URLの構文解析で得られる値なので、正準化が済んだ値です。 scheme やホストは小文字化されています。

[15] https://www.example.com/path の起源は、項組起源 (https, www.example.com, null) です。

[16] blob:https://www.example.com:8080/abcde の起源は、項組起源 (https, www.example.com, 8080) です。

[28] about:blank の起源は、新しい不透明起源です。

[162] URL の実効スクリプト起源は起源と同じです >>135。

[242] 別名ではありません。

[5] 文書の起源と文書のURLの起源は必ずしも一致しません。

[9] 例えば http://foo.example/hoge/fuga の起源は、 http://foo.example (= (http, foo.example, 80)) です。

[11] 例えば about:blank の起源は、新しい大域的に固有な識別子です。

[17] 大域的に固有な識別子は、 URL ごとに新しいものが発行されます。文字列として同じ URL であっても、URLの起源を取得する毎に異なる起源になります。

`file:` URL の起源

[31] 仕様上 file: URL の起源は実装定義となっています。古い利用者エージェントは file: URL に対して緩い制限しかかけていませんでしたが、セキュリティー上の問題から最近の利用者エージェントでは細かい単位で起源を設定していたりします。例えば、ディレクトリー単位でアクセスを制限したり、ファイルごとに完全に別の起源として扱ったりしています >>23 4.。

file: 参照。

Web ブラウザー依存の URL scheme の起源

[29] URL Standard には明記されていませんが、実際には、各Webブラウザー固有の URL scheme では実装依存の方法で決定された起源が用いられることがあります。

[12] Chrome は、 chrome://version/ では Origin: chrome://version といったように、 chrome: URL でも URL scheme と authority で起源を構成しているようです。 2015-07-07T15:23:29.800Z

[32] Chrome は、 chrome://settings/ や chrome://extensions/ や chrome://chrome/ では、 chrome://chrome を起源としているようです。 2016-05-05T05:43:57.500Z

[33] Chrome は、 chrome-devtools://devtools/bundled/inspector.html?... のような URL のページで、 document.origin として chrome-devtools://devtools を返します。 2016-06-23T05:44:38.000Z

[13] Firefox は、 about:mozilla から要求を送信させると Origin: null を送ります。 2015-07-07T15:25:37.900Z

[14] Firefox は、 chrome: URL では Origin: chrome://global のように URL scheme と authority で起源を構成するようです。 2015-07-07T15:27:29.00Z

[34] Chrome は view-source: URL の URL の origin を view-source:// とします。 view-source: URL に navigate したとき location.href は view-source: を削った URL となり、 location.origin はそのURLの起源となり、 document.origin や fetch の Origin: は null となります。 2016-06-26T09:25:00.500Z

[7] HbbTV 2.0 は次のように規定しています。

[6] (2015-02-10 01:01:20 +09:00 版) http://www.hbbtv.org/pages/about_hbbtv/HbbTV_specification_2_0.pdf#page=44

For resources loaded via DSM-CC object carousel, the origin shall be the DVB URI in the form (as defined in TS 102 851 [10] clause 6.3.1):
"dvb" ":" "//" original_network_id "." transport_stream_id "." service_id "." component_tag