[2] 媒体型 multipart/report
は、電子メイル・システムの各種の報告メッセージのための汎用的な包含子的書式です。
MIME の multipart/*
の構文を基本に、 DSN や MDN
など報告の種類に応じた具体的な形式が別途規定されています。
[3] 仕様書:
multipart/report
multipart/report
7bit
引数名 | 引数値 | 既定値 | 説明 | 状態 | 出典 |
boundary | (必須) | 多部分境界 | IETF 提案標準 | MIME | |
report-type | 媒体亜型 | (必須) | 報告の種類 | IETF 提案標準 | RFC 1892, RFC 3462 |
[5] この媒体型は 822 メッセージの一番外側
(multipart/*
内でないところ)
で使用します RFC-REPORT 1.。
[1] 引数 report-type
の値は、
第2部分の媒体型の亜型 (斜線の後の部分)
でなければなりません RFC-REPORT 1.。
[7] 基本的には multipart/*
の構文をそのまま利用します。含まれる各実体の境界は
boundary
引数を元に決定されます。
[8] multipart/report
実体は、
中に2つか3つの実体を持ちます。
[9] 第1部分は人間可読なメッセージとします。 その内容は、報告する事項をわかりやすく解説したものとします。 第2部分を利用者エージェントが理解できなくてもこの部分から人間利用者が報告の意味を理解できます。 また、第2部分で形式的に記述できないことの説明にも使えます。 RFC-REPORT 1.
[10] 媒体型・言語: 記述の方法は任意の標準化過程の媒体型、
charset、言語を使って構いません。
multipart/alternative
により複数種類を同梱することもできます。
RFC-REPORT 1.
[11] 省略: この部分は必須です。 RFC-REPORT 1.
[12] 報告する内容についての詳しい情報を機械可読な形式で入れます。 第1部分で説明しなかった細かい内容も含めることができます。 RFC-REPORT 1.
[13] この部分が multipart/report
メッセージ全体を特徴付けることになります。
multipart/report
媒体型の
report-type
引数には、
この第2部分の媒体型の亜型を指定します。
RFC-REPORT 1.
[22] 媒体型: この部分で使用する媒体型については特に制限はないようで、
>>12 の目的を果たせるなら何でも良いと思われます。
今のところ標準化されているものは全て
message/*
ですが、
そのような制限もないようです。
[14] 省略: この部分は必須です。 RFC-REPORT 1.
[15] 第3部分には報告の対象となった元のメッセージの一部又は全部を含めることができます。 この情報は人間の専門家が問題の分析のために使うことができます。 (報告を受け取った側で自動的に対応する元のメッセージを決定するために使うこともできますが、そのための情報は第2部分に含めることが想定されています。) RFC-REPORT 1.
[16] 元のメッセージを報告に含めるかどうか、 含めるとしたら全部含めるか、 どの部分を含めるかは報告の種類と報告の要求者の希望などによります。 詳しくは各報告種の説明をご覧下さい。
[17] multipart/report
媒体型自体は常に
Content-Transfer-Encoding
が 7bit
とされています。第3部分に含めるメッセージは通常
message/*
なので、
やはり規定により 7bit
か 8bit
か binary
に制限されてしまいます。
第3部分に含めるメッセージが 7bit
で表現できない場合、合法的な 7bit
MIME
メッセージになるように再符号化しても構いませんし、
頭部だけを取り出して text/rfc822-headers
媒体型としても構いません。RFC-REPORT 1.
text/rfc822-headers
だけなら任意の内容転送符号化が使えますし、
通常診断には頭部があれば十分ということなのでしょう。
[22] 媒体型: この部分に使用する媒体型は、
>>17 の通り text/rfc822-headers
を使うことが特に提案されていることを除き、
特に制限されていないようです。
報告の種類によっては具体的に規定があるかもしれません。
[21] 省略: この部分は省略可能です。 RFC-REPORT 1.
[6] 利用者エージェントと関門は、 822
メッセージ最外 Content-Type
を見て、メッセージがメッセージ・システムからの報告であることを決定しなければなりませんし、
そうであるとして処理するべきです RFC-REPORT 1.。
[18] インターネットの電子メイル・システムでは比較的簡単になりすましが行えてしまいます。
multipart/report
の報告を捏造することも可能ですから、
報告を受信した側で自動処理を行う時は安全への配慮を怠ってはなりません。
[19] multipart/report
全体に署名するようなことも可能ですが、
RFC 3462 は適用範囲外であるとして特にその方法を定めてはいません。
[823] RFC 6591 - Authentication Failure Reporting Using the Abuse Reporting Format ( ( 版)) http://tools.ietf.org/html/rfc6591
[824] RFC 6650 - Creation and Use of Email Feedback Reports: An Applicability Statement for the Abuse Reporting Format (ARF) ( ( 版)) http://tools.ietf.org/html/rfc6650
[23] RFC 8098 - Message Disposition Notification () https://tools.ietf.org/html/rfc8098#section-3
[24] RFC 4249: Implementer-Friendly Specification of Message and MIME-Part Header Fields and Field Components, https://www.rfc-editor.org/rfc/rfc4249.html#section-3.1.2.2.6