蓄積域管理器名

蓄積域管理器名

[1] 蓄積域管理器 (storage manager) は、 現実の物理的な物体蓄積域を管理するプログラムです。

[2] 仕様書:

[3] 蓄積域管理器, 実体管理器, 構文解析器: 蓄積域管理器は実際の物理的な物体蓄積域を管理しているプログラム (またはプログラムの集合体、あるいはプログラムの一部分) です。蓄積域管理器は実体管理器と強調して動作します。 実体管理器は実際の蓄積域と仮想の蓄積域物体 (実体) の関係を管理しています。また、 SGML構文解析器と実体管理器の間の界面となるのも実体管理器です。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7

[4] 蓄積域管理器名: 蓄積域管理器名 (storage manager name) (SMName) は使用する時に公式システム識別子宣言で指定しておきますが、 公式システム識別子定義文書 (fsidd) にある記法宣言 (>>5) で記法名として宣言されていなければなりません。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7

注意: 公式システム識別子定義文書 (fsidd) にアクセスできないことは必ずしも誤りではありません。 宣言は主として人間向けであり、 通常は必要な情報が関係ソフトウェアに組込まれています。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7 NOTE 517

[5] 蓄積域管理器記法宣言: 蓄積域管理器に関する記法宣言蓄積域管理器仕様 (storage manager specification) を識別します。 蓄積域管理器仕様はその蓄積域管理器の蓄積域物体指定 (storage object specification) (SOS) の構文と意味を定義します。また、 その記法に関連付けられた属性定義並び宣言を使って蓄積域管理器属性 (storage manager attribute) を宣言することができます。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7

[6] 蓄積域管理器記法公式公開識別子: 蓄積域管理器記法は公式システム識別子体系基底記法形式からの派生という形をとっていますが、 その他にも公式公開識別子で大文字予約語を使って蓄積域管理器記法であることを表すことができます。

公開文記述で最初の語は FSISM とします。2番目の語は次の4種類とします。 なお、とは正規化語に SPACE 1つで区切られるものをいいます。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7

LOCAL
局所蓄積域管理器
PORTABLE
可搬蓄積域管理器
GLOBAL
大域蓄積域管理器
CONTAINER
包含子蓄積域管理器

[7] 蓄積域管理器属性: 蓄積域管理器属性には個々の蓄積域管理器に対して特に定義されているものの他、 共通蓄積域管理器属性や非標準の属性を自由に定義して使うことができます。 但し、非標準の属性や属性値は標準のものとは違う名前を使うべきです。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7

標準の属性既定値は、 ある蓄積域管理器に対して特に定義されていない時だけ使われます。 公式システム識別子定義文書妥当な値ならなんでも既定値に規定できますし、 その属性を必須としても構いません。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7

なお、 FSIBase 属性基底となる属性の名前を値としています。 ISO/IEC 10744:1997 A.6.7 NOTE 518

[8] 実際の蓄積域管理器: ISO/IEC 10744 はいくつもの蓄積域管理器を定義しています。 しかし、これはあくまで標準化されたものを定義しただけであって、 実装しなければならないという性質のものではありません。 また、標準のもの以外の蓄積域管理器記法や蓄積域管理器属性も自由に定義して使うことができます。

実際に特定のシステムでどんな蓄積域管理器記法や蓄積域管理器属性を使うことができるのかは、 公式システム識別子定義文書で記述することになります。 更に特定の文書でどんな蓄積域管理器記法を使うのかは、 公式システム識別子宣言宣言することになります。

[9] BUCS外字グリフ記述に BITMAP という蓄積域管理器が提唱されていました。 BUCS