産業規格

標準、規格

[4] 標準 (standard) 規格は、 標準化団体等によって規定された仕様を言います。 広義には、デファクト標準のように標準化団体による明文化がなされていなくても実質的に拘束力を有する仕様もまた標準と呼びます。

[5] 標準は、読んで字の如く、広く普及して一般に従うべきものとして扱われることを期待して制定されることがほとんどですが、 現実には必ずしもそのような地位を確立できるとは限りません。対立する標準が複数乱立したり、 関心を集められずに放置されたりすることもあります。明文化された標準は実質的に利用されず、 明文化されていないデファクト標準がむしろ利用されている例も多々あります。

分類

[6] 標準には、その制定者や位置付けの違いなどによって色々な分類があります。

[7] 国家標準国際標準は、国家やその連合により制定され、時には法律によって強制されることもあります。 このような公的な標準デ・ジュール標準と呼びます。

[8] 企業やその連合体によって制定される標準業界標準などと呼ばれます。 特定の企業内だけで通用する企業標準のようなものもあります。

[9] 正式には標準としての地位を与えられていないものの、 実質的に標準として機能しているものをデファクト標準と言います。 デファクト標準は広義には >>7 の対義語として使われ、 >>8 をも含みます。

[10] 適用可能な仕様も参照。

工業標準

[18] 工業標準化のための基準を、工業標準といいます 工業標準化法第二条工業標準化法第十一条の規定により制定された工業標準を、 日本工業規格といいます 工業標準化法第十七条

[20] の法改正で日本産業規格に改称されました。

標準の一覧

[11] 標準化団体を参照。

標準と仕様書

[12] 「標準」≒「規格」、「仕様」、「仕様書」はしばしば混用されますが、 厳密には意味が異なると思われます。すなわち、記述される内容が「仕様」であり、 それを文書等の形で記述したのが「仕様書」で、標準化団体または市場がそれに対して与えた地位 (評価) が「標準」 (標準化団体が与えた場合は「規格」) と考えられます。

[13] 英語では「標準」と「規格」は共に「standard」、 「仕様」と「仕様書」は共に「specification」です。

[14]事実上の標準」のように、標準が常に仕様書によって記述されるとは限りません。

[15] 同じ標準であっても、英語仏語など複数の仕様書が存在することがあります。

[16] 要約JISのように仕様書本体にその標準が規定する内容が事実上含まれていないものもあります。

識別

[17] 標準化団体によっては、各規格を識別するための規格番号を割り当てています。

メモ

[3] 国立国会図書館:テーマ別調べ方案内 http://www.ndl.go.jp/jp/data/theme/asia/theme_asia_46.html