改号

改号

[1] 改号は、 を改めることです。

[26] 雅号国号屋号などのの変更をいいます。

改元と改号

[13] 元号 (年号) もまた「」 ですから、元号が改まること、すなわち改元改号と呼ぶことが、 語義上は可能です。

[14] いくつかの辞書は、 「改号」 の項を立てて、 意味の1つとして元号を改めることをわざわざ挙げています。 Wikipedia は「改元」 の本文中で改号を同義と説明しています。 >>5, >>6, >>3

[15] ところが実際には改元ではなく改号ということはほとんどありません。 改元という語は広く浸透していて、敢えてそれと違う言い方をする必要性も感じられません。

[16] Google BooksGoogle Scholar で検索しても、 元号以外の「」 を改めた話ばかりで、 上位の結果から改元のことを改号と呼んでいる例は拾うことができません。

[17] 日本国語大辞典は、出典を明治元年行政官布告としていました >>5一世一元を定めたもので、全文は次の通りでした。

今般 御即位御大礼被為済先例之通被為改年号候、就テハ是迄吉凶之象兆ニ随ヒ屡改号有之候得共自今 御一代一号ニ被定候、依之改慶応四年可為明治元年旨被 仰出候事

たしかに「改号」とありますが、その前には「改年号」 ともありますし、この文脈を離れて「改号」が改元の意味だと言えるかどうか、 これだけでは判断し兼ねます。

[5] 改号(カイゴウ)とは - コトバンク (デジタル大辞泉,大辞林 第三版,精選版 日本国語大辞典著, ) https://kotobank.jp/word/%E6%94%B9%E5%8F%B7-457205

改号(読み)カイゴウ デジタル大辞泉の解説

かい‐ごう〔‐ガウ〕【改号】

[名](スル)

1 称号を改めること。

2 年号を改めること。改元。

大辞林 第三版の解説

かいごう【改号】

( 名 ) スル

称号・年号などを改めること。また、改めた称号・年号。

精選版 日本国語大辞典の解説

かい‐ごう ‥ガウ【改号】

〘名〙

① 名称を改めること。また、その改めた名称。〔布令字弁(1868‐72)〕〔春秋左伝注‐僖公元年〕

② 年号を改めること。改元。

※行政官布告‐明治元年(1868)九月八日「是迄吉凶之象兆に随ひ、屡改号有レ之候得共」

[21] 年号(ねんごう)とは - コトバンク (ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,大辞林 第三版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及著, ) https://kotobank.jp/word/%E5%B9%B4%E5%8F%B7-111669#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89

即位・瑞祥(ずいしょう)・災変、また、干支の辛酉(しんゆう)・甲子(かっし)の年に改号した。

[6] 改号(かいごう)の類語・シソーラス - 類語辞書 - goo辞書 () https://dictionary.goo.ne.jp/thsrs/12958/meaning/m0u/

改元(かいげん)/改号(かいごう)

出典:類語例解辞典(小学館)

[共通する意味]

★元号を改めること。

[使い方]

〔改元〕

▽昭和から平成へと改元された

〔改号〕

▽天皇の崩御により改号された

[使い分け]

通常は、「改元」を使うことが多い。


[25] 九州大学法学部教授 (専門は民法) の七戸克彦は、 元号を改めるのが改号元号年を改めるのが改元改号改元の総称がまた改元である >>33 としましたが、その根拠は示しませんでした。

[31] この論文の元号に関する記述は Wikipedia に基づくとみられており ( 立年改元 )、 この部分も Wikipedia の記述を独自に解釈したものと疑われます。 他の研究者でこのような見解を披露したものは見当たりません。 ちなみに七戸克彦のこれ以外の元号に関する研究は見つけられません。

[27] なお七戸克彦の説でいう改元しない改号の事例は、 他国に極めて少数だけありました。 紀年法の同定 歴史的にも現在の研究においても、 改号改元で使い分けが発生するだけの土壌があったようには思われません。

[32] 七戸克彦が何を根拠にこのように断定的に語義を説明したものか不思議です。

[33] 皇位継承と改元に関する若干の覚書, 七戸克彦, ふくおか: 会報. 122, pp.3-6, () https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/opac_download_md/1790495/shichinohe_1790495.pdf

細かいことをいえば、「改元」とは単に「元年」に改めることをいい、これに対して、元号を改めることは「改号」というが、改元あるいは改号だけを単独で行うこと(たとえば「平成29年」をリセットして「平成元年」に「改元」し、あるいは「昭和」を「平成」に「改号」した際に「平成64年」と続けるようなこと)はないので、「改元」と「改号Jをあわせた上位概念として「改元」の語が用いられている。

[23] 「時代の感覚」 多様なものさし認めたい 西村明 | 長崎新聞 (長崎新聞著, ) https://web.archive.org/web/20190518214127/https://this.kiji.is/495401942444000353

君主の代替わりや、吉事・凶事のタイミングで、年のカウントをリセットして(改元)、新たな元号をつけること(改号)も行われてきた。

[34] 出典は特に示されていないが、 >>33 だろうか。

[28] ぬらくら第92回 「鬼を笑わせる」 | フォント・書体の開発及び販売 | ダイナコムウェア株式会社, mk88, https://www.dynacw.co.jp/fontstory/fontstory_detail.aspx?s=359&r=29&ftag=%E9%80%A3%E8%BC%89%E3%82%B3%E3%83%A9%E3%83%A0

2019年5月1日からは未だ発表になっていませんが新しい元号がスタートします。 これを改元と呼ぶことが多いようですが、改号とか称元(しょうげん)と呼ぶのが正しいようです。

この改号を受けて、今年の9月末に開かれた「文字情報技術促進協議会 (* 1) 」の会合でIT業界としてどのような対応が必要になるのかが論議されました。

[29] 意味のわからないことが書かれているが、 >>33 と言っていることが似ている。 >>33 を信じてしまった上で更に何かを誤解したものか?

[30] その不正確な知識を「受けて」実施された会合は大丈夫だったのかな、心配になる。


[18] Twitter では、 少数ですが改号の語が使われているようです。 確認できる初出は平成23(2011)年の投稿 >>12 で、 東日本大震災などの天変地異を承けて改元に言及したものでした。 その後何度か使われていることが確認でき、 令和改元前後にやや多く使われたようです。

[19] Web でも令和改元の前後にごく少数利用例が確認できます >>8, >>9, >>11, >>10。 そのほとんどは意図的に改元ではなく改号と書いたといえる根拠には欠けます。

[20] 判子販売業者の商品名で改号というものがあり >>7、 印刷済みの平成を消すための打ち消し線と新元号の令和を印字できるもののようです。 これは改元というより改号がしっくり来るので、 あるいは意図的にこの語を選んだのかもしれません。

[36] >>35 の記事は改元元号を変えること、 改号称号 (元号を含む) を変えること、 と説明している。 出典は示されていないし、 例文が各1つ示されているが人工的な例に見える。 説明も全体的にぼんやりしていていまいち信憑性が置けない。

メモ