奇癖モード (Web)

[13] 奇癖モード (Quirks Mode) は、2000年頃のWebブラウザーの挙動に基づく HTML や CSS の解釈モードです。現在でも Webブラウザーが実装していますが、著者がこのモードを用いるのは不適合とされています。また、奇癖モードと無奇癖モードの区別を設けたこと自体、現在では失敗だったと考えられています。

仕様書

[14] DOM Standard (2012-11-19 13:07:43 +09:00 版) http://dom.spec.whatwg.org/#concept-document-quirks
[10] Quirks Mode Standard ( (2012-11-13 08:54:35 +09:00 版)) http://quirks.spec.whatwg.org/
[33] CSS Syntax Module Level 3 (CSS3 Syntax) (2012-11-22 18:39:04 +09:00 版) http://dev.w3.org/csswg/css3-syntax/#quirks-mode
[54] CSS Cascading and Inheritance Level 3 (2013-08-09 23:50:23 +09:00 版) http://dev.w3.org/csswg/css-cascade/#content-type

呼称

[15] 奇癖モードは歴史的には互換モード (compatibility mode) とも呼ばれました。また compatMode 属性では BackCompat という値で表されています。

奇癖モードの挙動の一覧

HTML

[39] 奇癖モード、限定奇癖モード、無奇癖モードのいずれであるかは DOCTYPE により決まります HTML
[40] (奇癖) table 開始タグの挙動が異なります HTML
[46] (奇癖) img 要素が利用可能でない時のレンダリングが異なります HTML
[51] (奇癖) rowspan=0奇癖
[48] 廃止されたもの
- [49] (無奇癖のみ?) 注釈の構文解析方法が異なる (Gecko)
- [50] (奇癖、限定奇癖、無奇癖) <% ... %> の構文解析方法が異なる (IE, WebKit)

CSS

[19] (奇癖、限定奇癖) 行高計算奇癖 >>10
[20] (奇癖、限定奇癖) ブロックのline-height無視奇癖 >>10
[21] (奇癖) パーセントheight計算奇癖 >>10
[22] (奇癖) 表こま幅奇癖 >>10
[23] (奇癖) 表こまnowrap最小幅計算奇癖 >>10
[24] (奇癖) 結合表奇癖 >>10
[25] (奇癖) テキスト装飾が表に伝播しない奇癖 >>10
[26] ~~(奇癖、限定奇癖、無奇癖) font要素テキスト装飾色奇癖 >>10~~ (HTML Standard に移動)
[27] (奇癖) 表が色をbodyから継承する奇癖 >>10
[28] (奇癖) 表こま高さ箱サイズ決定奇癖 >>10
[31] (奇癖) 無ハッシュ十六進数色奇癖 >>33
[32] (奇癖) 無単位長奇癖 >>33
[36] (奇癖) <link rel=stylesheet> はMIME型を半ば無視します HTML
[55] (奇癖) @import はMIME型を半ば無視します >>54
[41] (奇癖) 余白結合奇癖 HTML
[42] (奇癖) form の余白が異なります HTML
[43] (奇癖) table でテキスト系の特性が初期値にリセットされます HTML
[44] (奇癖) nowrap の挙動が異なります HTML
[45] (奇癖) input 要素はすべて box-sizing: border-box です HTML
[47] (奇癖) 浮動させた img 要素の余白が異なります HTML

選択子

[29] (奇癖) :activeと:hoverの奇癖 >>10
[37] (奇癖) HTML要素のIDはASCII大文字・小文字不区別となります HTML
[38] (奇癖) HTML要素の class はASCII大文字・小文字不区別となります HTML

DOM

[34] (奇癖) compatMode 属性は奇癖モードとそれ以外で異なる値を返します。 DOM
[35] (奇癖) getElementsByClassName メソッドはASCII大文字小文字不区別になります。 DOM

歴史

[30] DOCTYPEスイッチ

Gecko

IE

XXX

WHATWG

[16] 「奇癖モード」自体の定義は HTML Living Standard ではじめて規定されましたが、後に DOM Living Standard に移動しました。 HTML の構文解析の挙動など、 HTML の動作に関する規定は引き続き HTML Living Standard に含まれています。

[17] CSS や選択子に関する奇癖モードの規定はその後も仕様化されないままでしたが、 2012年2月に WHATWG で Simon Pieters によって仕様化されました。当初は Simon のサイト、後に W3C のサイトに仕様が置かれ、 WHATCG でも出版されましたが、2012年11月に WHATWG のサイトに置かれました。

[18] また CSS の構文解析の規定は css3-syntax に移されています。