科学紀元

科学紀元

[35] 科学紀元 (y~1733) は、 日本生物学研究者斎藤成也が提唱した紀年法です。

紀年法

[36] 西暦2000年を紀元0年とするものです。 >>1

[46] 原則的には「科学紀元19年」のように表記されますが、 「0019」 のような4桁整数のみの表記もみられます。

[47] 4桁表記は、年号であることを明確化しつつ、 西暦1999年以前の西暦年と表記を統一するための方法でしょうか。

斎藤成也

[37] に開催された日本動物分類学関連学会連合設立記念シンポジウムで、 斎藤成也は本紀年法を発表しました >>1。 斎藤は、 キリスト教世界自然科学指導原理でないため、 西暦を使うのはおかしいとしました >>1, >>32。 斎藤は、 ミレニアムを機に新時代の自然科学のあり方を検討し、 本紀年法の考案に至ったようです >>32

[49] 斎藤の研究分野は生物進化ですが、 それが宗教と対立することもある >>32 と言及していました。 実際米国のようなキリスト教社会では進化論に反対する勢力が社会的に存在感を持っています。 このあたりの問題意識は、 非キリスト教社会でありながら西暦が広く受け入れられている日本で生活する一般人にとっては理解しづらいかもしれません。

[48] 「煩雑な2000年を外し、簡素にしただけ」 との説明もあったようで >>7、 実用性も考慮されたもののようです。 実際世間でも西暦年は4桁表記だけでなく2桁表記も広く用いられていますから、 妥当な動機と思われます。 西暦2000年ヒトゲノム解読完了の年となったことも、 結果的に記念するものとなったようです >>7

[39] 斎藤の Web日記は、 題名に4桁の西暦年を使っていました >>1, >>38 が、 科学紀元2(西暦2002)年より、 科学紀元に改められました >>2。 その際に過去の Webページ年号は改められませんでしたが、 過去の Webページへのリンクは、 「科学紀元1年」、 「科学紀元0年」 のように科学紀元で表記されました >>2

[40] 斎藤の Web日記は、 日付に 「7/22/03(火)」 () のような表記方法を採用していました。 最初の記事は 「12/5/99」 () でした。 西暦2桁年号を採用していた場合、 西暦1999年から自然に科学紀元に移行できたのは、 科学紀元の優れた点といえます。

[41] ただし、 このような形で新たな元期を設定するのは、 西暦キリスト教中心主義から脱却しきれていないのではないかと思わずにはいられません。 ミレニアムは結局の所西暦にちなんだイエスキリスト2000年祭でした。 換算・移行の便を取る限り、 宗教的つながりを断ち切るのは難しそうに思えます。 キリスト紀元Common Era などと称して宗教的中立性を謳うのと本質的に違わない (にも関わらず換算・移行の手間が増えただけ) ともいえます。

[43] 斎藤や斎藤研究室の Webサイトは、 科学紀元を積極的に使っています。 一部西暦年を使ったり、併記したりする例もみられるほか、 2桁年号でどちらとも解釈し得るものもあります。 西暦1999年以前は、 西暦年によって表記されています。 >>6, >>5, >>8, >>10, >>18, >>19, >>20, >>21, >>22, >>28, >>29, >>30, >>31

[44] 斎藤は、 著書で日付科学紀元で表記しました >>15, >>12

[45] 斎藤は、 講義や学術会議の発表で日付科学紀元で表記しています。 斎藤研究室主催のイベント告知でも科学紀元が用いられています。 >>33, >>23, >>24, >>25, >>26, >>7, >>32

[42] 斎藤の Web日記は、 科学紀元0年以前の表記に4桁の西暦年を使っていましたし、 それ以後であっても固有名詞引用では普通に西暦年を使っていました。 斎藤研究室の業績リストのように、 西暦年の業界慣習があるものは西暦年が使われています。

[60] 「1998年-科学紀元0年」 のような西暦年から科学紀元年にまたがった日時範囲の表記例も見られました >>5

[61] 現在、継続して利用中のようです。

後藤文彦

[53] 秋田大学教授後藤文彦は、 斎藤の提案を支持し、 科学紀元を使っています。 後藤は、 「元号よりはマシ」と考え西暦を使っていましたが、 宗教的非中立性に不満を持っていたといいます。 >>52 ただし後藤が科学紀元を使うのは個人の Webサイトのみに留まるようです。 大学Webサイトではもっぱら西暦年が使われています。

[54] 後藤は、 「0002/11/24」 のような表記法を使っています。 部分は2桁表記もみられます。 西暦2000年より前については、 負数を使うかどうするか検討する >>52 と書きつつ、 「1999/3/16」のような西暦年表記のままとしています。 2桁西暦年も一部みられます。

[63] Web日記の一覧では、 「-0002(1998)」、 「-0001(1999)」、 「0000(2000)」 のように負数表記に西暦年を併記していました。 「0001」以降は単記としていました。 >>62

[65] 西暦2000年/科学紀元0年を境に改元した斉藤式と、 0000年以前に遡及させた後藤式は、 紀年法の体系 (元号系) として見れば別の紀年法といえます。 少なくても斉藤式の立場から見れば負数は遡及年号というべきものです。

[67] 後藤式は科学紀元に完全移行するなら単純で論理的ですが、 西暦2桁年号から自然に移行できる斉藤式のメリットを潰してしまっています。

[55] ちなみに、 後藤はエスペラントに強い関心を持っていたようですが、 欧米式月名日付小エンディアン表記には反対していました。

エスペラントをより中立に, 03/6/2更新, 19/2/20転入, https://gthmhk.gitlab.io/gthmhk/nutrlg.html#monato

[64] 令和2(2020)年時点で継続して利用中のようです。

評価

[56] その他に科学紀元を使う者は確認されていません。

[50] 斎藤の提案は、 大抵の人には馬鹿にされ、賛同者は1人だけだった >>32 (後藤を指す) といいます。 著しい研究業績を挙げ、 国立遺伝学研究所東京大学教授日本学術会議の会員を務めるような斎藤であればこそ馬鹿にされる程度で済んでいるともいえ、 それほどの影響力を持つ人物でもまるで普及させられないところに、 日時制度改革の難しさを垣間見られます。

[57] 西暦2000年改元によって連続性が失われ、 それ以前は西暦を使い続けなければならない不便さが、 西暦より退化している点といえます。

関連

[11] 人類紀元というものがありますが関係ありません。

[14] 学暦とは無関係。

[58] J2000.0 が同じ西暦2000年元期です。 ただしこちらは紀年法ではなく天文学の基準点です。

[59] 他にも西暦2000年を元期とする日時形式はいくつかあります。 元期

メモ

[1] Sayer Says 2000 ( 版) http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/sayersays-2000.html (消滅確認 )

Sayer Says 2000, https://web.archive.org/web/20101213235137/http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/sayersays-2000.html

1/10/00

1月8日と9日に東京の科学博物館分館で開催された,日本動物分類学関連学会連合設立記念シンポジウムに出席した. {プログラムについては,進化学研究会のBBSを参照されたい.} 私は,分類学の専門家を前にして,以下の提案を行なった.

(4)西暦はキリストが誕生した年(ということになっている)から数え始めたものであるが,キリスト教が世界全体はもちろん,自然科学の指導原理で ない以上,この西暦を使い続けるのはおかしい.ちょうど今年は西暦2000年なので,2000年をふっとばして,今年を紀元ゼロ年と再定義してはどうか.

[34] リンク先のシンポジウムプログラムは既に失われており、発見できませんでした。
[3] Scienca origino!? - Babilejo (掲示板) ( 版) http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/4225/geoboardlog/26.html (移転確認 )

Scienca origino!? - Babilejo (掲示板), Nakamura Daishin, 2000年05月09日 15時12分27秒, http://web.archive.org/web/20181107153033/http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/4225/geoboardlog/26.html

移転先 >>16

科学起源というのは良く分りません。 歴史上の年号ならともかく、日常の用途には 百年周期(今日は00-05-09)で充分ではないでしょうか?

必要ならもっと「科学的」な、「ユリウス通日」を 併用すればいいと思います。

[38] Sayer Says, https://web.archive.org/web/20061004033507/http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/sayersays-2001.html

Sayer Says(最近考えたこと)2001

[2] Sayer Says 0002 ( 版) http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/sayersays-0002.html (消滅確認 )

Sayer Says 0002, https://web.archive.org/web/20061004033453/http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/japanese/sayersays-0002.html

Sayer Says(最近考えたこと)科学紀元2年

==> Sayer Says(最近考えたこと)科学紀元1年

==> Sayer Says(最近考えたこと)科学紀元0年

[15] はじめに () https://www.kyoritsu-pub.co.jp/app/file/goods_contents/1366.pdf

科学紀元 7 年(西暦 2007 年)11 月 13 日

斎藤成也

[7] 科学紀元9年1月22日|世界のブナの森 ( 版) http://ameblo.jp/rosalia-coelestes/entry-10196522939.html (移転確認 )

科学紀元9年1月22日 | 世界のブナの森, 2009-01-22 23:27:27, https://ameblo.jp/rosalia-coelestes/entry-10196522939.html

今日は職場で特別講義。人類学・遺伝学の大御所、斎藤成也先生のヒトゲノムの話。ものすごく話が豊富で面白い。配布された資料には、いつも提唱しておられるとおり、「科学紀元9年1月22日」という文字が。「科学紀元」には特に意味はなく、煩雑な2000年を外し、簡素にしただけとのことであったが、ちょうどヒトゲノム解読の年でもあったらしい。

でも、科学紀元の意味ぐらいしか質問しかできなかったといえば、周囲から「もったいない!」と叱られるんだろうなあ・・・。

[6] My Personal Profile (in Japanese) ( 版) http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/my_cv-japanese.html (消滅確認 )

My Personal Profile (in Japanese), https://web.archive.org/web/20121105043227/http://sayer.lab.nig.ac.jp/~saitou/my_cv-japanese.html

更新日=科学紀元10年(西暦2010年)4月17日

[5] 斎藤 成也 (Saitou Naruya)の紹介 | 斎藤研究室 ( 版) http://www.saitou-naruya-laboratory.org/member/saitou.html

1992年10月 総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻 助教授 {併任}{~科学紀元2年3月}

1995年4月 国際日本文化研究センター 助教授(併任){~1998年3月}

1995年10月 日本遺伝学会より 奨励賞 受賞

科学紀元2年3月 国立遺伝学研究所 教授 (集団遺伝研究部門){現職}

科学紀元2年4月 総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻 教授(兼任){現職}

科学紀元4年5月 木原記念横浜生命科学振興財団より 第12回木原記念財団学術賞 受賞

[23] NJover50000 Symposium () http://www.saitou-naruya-laboratory.org/meetings/NJ50000_jpn.html

日程: 科学紀元18年(西暦2018年)6月2日(土)

会場:国立遺伝学研究所 講堂

[28] メンバー紹介 | 斎藤研究室 () http://www.saitou-naruya-laboratory.org/member.html

TIMOTHY Adrian Jinam 助教; 遺伝研 0014.5-

Gulnur Zhunussova(外来研究員; 遺伝研 2019.4-)

水口 昌子(プログラム作成補助; 遺伝研 1999.5-)

野秋 好実(研究実験補助; 遺伝研 0000.10-)

濱砂 貴代(研究実験補助; 遺伝研 0018.9-)

[13] 斎藤以外の研究室メンバーも原則科学紀元で表記されていますが、 西暦年も断りなく混在しています。

[29] my book 9th - History of Japanese Archipelago People - () http://www.saitou-naruya-laboratory.org/My_books/My_Book_9_0015.html

発行日:科学紀元15年(キリスト教歴2015年)8月28日

[30] 予定講演リスト | 斎藤研究室 () http://www.saitou-naruya-laboratory.org/lecture.html

科学紀元19年(西暦2019年)10月3日現在

[31] 日本語による発表物一覧 | 斎藤研究室 () http://www.saitou-naruya-laboratory.org/books.html

2012年以前

科学紀元12年(西暦2012年)

斎藤成也・佐々木閑(2012)『生物学者と仏教学者 七つの対論』, (2009) 韓国版. 表紙

斎藤成也ら編 (2012)『進化学事典』 共立出版. 表紙