[1] spacing文字 (spacing character >>3, 現在位置の前進動作を伴う文字 >>7, スペーシング文字 >>7) は、 活性位置を文字位置1つ分、前進させる文字です >>3。
[5]
ISO/IEC 646
はこの語を重ね打ちによる文字合成の説明で対義語的に使っていました。
[34] ANSEL は spacing図形文字 (spacing graphic character) を同じような意味で (しかし別の表現で) 定義していました >>25。 ANSEL ではこれは非spacing図形文字の対義語でした。
[35] 非spacing文字 (non-spacing character, 現在位置の前進動作を伴わない文字) は、 spacing文字のような活性位置の前進が発生しない文字です。
[36] spacing文字を使えば、
BS
や CR
を使う
[37] 従って、現在位置の前進動作を伴わない文字は主としてアクセントの類です。
[9] ISO文字コードの体系で統一的な非spacing文字の定義は存在していないようです。
[44] ITU-T (CCITT) の Teletex, Videotex 系の規格や、 図書館系の規格がそれぞれ独自にそうしたものを使っていました。
[45]
RFC 1345
は
ITU-T 系、図書館系の文字コードの
ISO-IR
を出典に、
NON-SPACING
系の文字の mnem 符号を定めていました。
ISO 10646
の符号位置との対応関係も示されていましたが、
PUA
が使われていました。
[40] JIS X 4153:1998 6.3.1.2 はアクセント付きの文字の表現方法の例示として、 「b) 送りのないダイアクリティカルマーク及びe (2文字)」、 「c) e及び組合せダイアクリティカルマーク (2文字)」 などを示していました。後者は Unicode の結合文字の方式ですが、 前者は非spacing文字を使った方式に当たります。
[51] KS X 1004:2004 に前置アクセントがあります。
[46]
JIS X 0213
にも現在位置の前進を伴わない文字がありますが、
これは前置アクセントではなく後置アクセント方式のようです。
[10]
T.51
は、
非spacing文字をいくつか定義していました。
SPACE
の組合せで、
アクセントの単独の文字を表せるとされていました。[21]
T.51 とほぼ同じ
ISO/IEC 6937:2001
は、
ISO/IEC 10646 式の文字の名前を定義していました。
同形式ではあっても、
事情の違いから独自の文字の名前を与えたものもありました。
非spacing文字はそのどちらでもなく、
「non-spacing tilde」
のような別の形式の名前が与えられていました。
[22] ISO/IEC 6937:2001 附属書C (参考) は、 非spacing文字のダイアクリティカルマークを指して 「non-spacing diacritical mark」、 それに続くラテン文字を指して 「basic letter」 と呼んでいました。 両者の組み合わせは文字レパートリに含まれるものに限定されるのであって、 新しい文字を生成するものではないとされていました。
[20] 認められない組合せが出現した時どう処理するべきかは定かではありません。 (ISO文字コード全般がこの種のエラー処理の規定を欠いています。)
[23] なお下線は T.51 の新しい版では互換性のために対応しなければならないが使用しないものとされており、 ISO/IEC 6937:2001 は規定していませんでした。 かわりに制御機能により実現することが想定されていたようです。 固定された文字レパートリを表現するというこの時代の ISO文字コードのモデルと、 任意の文字に下線を引けるという規定が矛盾していたこともあるのでしょうか。
[24] T.61, T.101, NAPLPS も同系統の図形文字集合を使っており、 前置のアクセントを持っていました。
[39]
T.51 系統の ISO-IR のうち、 142, 128, 103, 70 は該当文字に注釈として
non-spacing
であるので云々とありました。
ものによっては使いかたが簡単に示されていましたが、
「non-spacing」以外の説明がないものもありました。
156
は文字の名前を
NON-SPACING TILDE
のように書いていました。
[47] Unicode には ISO 6937 を出典とする文字があります >>164 が、 実際は ISO/IEC 6937 の前置型非spacing文字ではなく後置型の結合文字です。
[48] RFC 1502 - X.400 Use of Extended Character Sets, , https://tools.ietf.org/html/rfc1502#page-8
(5) If avoidable, use of character sets with floating accents, like ISO 6937, should be avoided.
[50] GB 8865.2 もこの系統の非进格文字のある94集合を定めています。
[53] 00000001.PDF - 070.pdf, , https://itscj.ipsj.or.jp/ir/070.pdf
[54] 00000001.PDF - 099.pdf, , https://itscj.ipsj.or.jp/ir/099.pdf
[55] 00000001.PDF - 103.pdf, , https://itscj.ipsj.or.jp/ir/103.pdf
Non-spacing character. The active position does not move to the next position.
(LIGATURE SIGN, DOUBLE TILDE は非spacing文字かつ組合せて使う文字)
[52] 00000001.PDF - 053.pdf, , https://itscj.ipsj.or.jp/ir/053.pdf
[26] ANSEL >>25 とそれを使った MARC-8 は、 ダイアクリティカルマークを前置し、基底文字を後置する方式を使っていました >>27。
[38]
ANSEL
は、
非spacing図形文字
(non-spacing graphic character) =
結合文字 (combining character)
を出力装置の前進運動を伴わない図形文字としていました。
基底文字に前置し、 BACKSPACE
[33] ANSEL の ISO-IR 登録では、 文字の名前に「(combining character)」 と付記されていました。 combining character (ANSEL 用語の nonspacing graphic character) は基底文字に前置されることが明記されていました。 >>32
[31] 現行の MARC の定義は新しい Unicode と旧来の MARC-8 を包含する形となっています。 結合文字 (combining character) と基底文字 (base character) は現在の Unicode のモデルとも整合する用語の定義となっているようです >>30。 結合文字 (combining character, combining mark) は他の文字と組み合わせるマークなどという趣旨の定義になっていて、 この語自体は特定の挙動や前後関係を意味していません。 そして非spacing図形文字 (nonspacing graphic character) は、 結合文字と同義とされていました >>30。 従って 「nonspacing」 という用語だけでは前置か後置か確定できません。
[28] ANSEL では複数の結合文字があるとき、 その出現順に、 左から右に、 そして上から下へと入力していくとされていました。 >>25 MARC-8 では複数の結合文字があるとき、 その出現順に、 左横書きでは左から右に、 右横書きでは右から左に、 そして上から下へと入力していくとされていました。 >>27
[49]
ARIB STD-B5 と ARIB STD-B24
は、
JIS X 0208
の一部のアクセントや合成用丸をノンスペーシング文字としていました。
後続の文字と合成すると定めていました。
[6]
spacing
/
非spacing
という概念は、
Unicode
の結合文字にも残存しています。
[8] ISO文字コードの体系では、 ISO/IEC 6429 制御機能が character spacing, line spacing を細かく制御する仕組みを提供していました。