[1] 江戸時代の日本では不定時法が用いられていました。 これを「サマータイム (夏時刻制) が実施された」 と説明するデマが流布されています。
[2]
江戸時代の日本の時刻制度は、
およそ太陽の運行に合わせて二十四節気ごとに昼と夜の時間の長さを調整するものでした。
[3] 現在欧米諸国等で実施されている夏時刻制は、 冬季と夏季の2種類の時刻を切り替えて用いるものです。
[4] 切り替えの回数に着目すれば、 確かに夏時刻制をより精度を高めた究極の制度が不定時法のように見えないこともありませんが、 この見方はかなり構図を単純化しているから成立するものです。
[439]
江戸時代の時刻が不定時法だったことを、
夏時刻を実施しても問題がないこと、実施するべきことの根拠とする人も、
少数ですがいるようです。
[5] 不定時法は時刻と時刻の間の長さを変動させるものですが、 夏時刻では時間の長さは固定です。
[6] 夏時刻は夏の日の出に合わせて「昼」を早くにずらし、 日の入り前を「夜」に変更するものです。「昼」の長さは変わりません。 不定時法は「昼」の始まりを早くにずらし、「昼」の終わりを遅くにずらします。 「昼」は長くなります。
[7] 不定時法と夏時刻制は根本的な部分に違いがあります。 単なる切り替え回数の違いだけでは片付けられません。 一方を他方の長短の根拠に援用することはできません。
[437] 平成30年の日本の騒動では、 日本時間学会が夏時刻と不定時法の違いを説明し、 江戸時代の時刻の不定時法と夏時刻とを関連付ける主張を否定しました >>740。
[25] 04J.SleepEnviron.18(1)p25(2024) - 18_25.pdf, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsleepenvi/18/1/18_25/_pdf/-char/en#page=11
ところで,DST に対する誤解のひとつに,近
代以前の日本に定着していた不定時法的生活に DST が似ているので,DST はより自然な生活ス タイルを実現している,というものがある。し かしながら,日本の不定時法(あるいは,定時 法と 24 節気との組み合わせ)においては,地方 視太陽時にしたがい,その地方の太陽南中が正 午で,夏と冬で正午が変わることはなく,昼夜 の漸進的な太陽光変化にあわせて時刻自体が朝 も夕も少しずつ変化する(日々変化させるので は不便なので,24 節気にしたがう段階的な変化 となる)。つまり,不定時法的生活では昼の長 さを季節によって変えるので,同じ長さの生活 時間帯を 1 年に 2 回前後にシフトさせる DST と は根本的に異なっている。
DST と不定時法的生活とを混同してしまう要
因として,朝の時刻変化(つまり,人々を強制 的に早くから活動させること)のみに着目して 夜の時刻変化を忘れてしまっていることが考え られる。これは,DST の社会的「利点」,たと えば暑さ対策や節電など,を主張する場合にも 見受けられる誤りである。
[13] サマータイムよりすごい、江戸の知恵-江戸時代の不定時法。 : あちたりこちたり, kogotokoubei, https://kogotokoub.exblog.jp/23838502/
江戸時代は、サマータイムよりもっと先進的(?)な「不定時法」という時間を採用していた。
さまざまな理由からサマータイムの導入ができそうにない今の時代、もし、江戸時代と同様の不定時法を採用しよう、なんてぇことを言ったら、役所や企業から「ふてい奴!」と言われそうだ。(おそまつ)
[14] >>13 は夏時刻制より不定時法が優れていると考え、何ならば実施するのがよい (が現実的ではない) と考えているようです。
[15] サマータイム導入は、ちょっと「タイム!」 : あちたりこちたり, kogotokoubei, 2018年 08月 09日, https://kogotokoub.exblog.jp/27472519/
一昨日以降、過去の「サマータイムよりすごい、江戸の知恵-江戸時代の不定時法。」という記事へのアクセスが急増している。
江戸時代には、サマータイムよりもずっと進歩(?)した仕組みがあった。
[16] >>15 は >>13 の著者による新しい記事です。これは平成30年夏時刻騒動のタイミングです。 多くの人が夏時刻制について調べた結果不定時法の知識を得たことが示唆されます。
[28] サマータイムの基礎知識 - 20180902jilis-summertime-kusunoki.pdf, , https://www.jilis.org/events/2018/data/20180902jilis-summertime-kusunoki.pdf#page=5
江戸庶民の不定時法とサマータイムとの類似性
(発表資料であり、これ以上の情報なく論調は不明)
[33] サマータイムに不定時法 | バリエーションサイクリング ( variation cycling ), https://variationcycling.wordpress.com/2021/08/05/summertime/
( 後述するが、いわゆるサマータイムとは完全に別の概念 )
もう無理・戻れないが( 近代合理化の悪しき影響か? )、江戸期のような不定時法ほど理に叶う生活スタイルは他にないだろう。
この案件、忘れたころに再燃するが、統制派の御都合によるものだろう。その狙いは、消費活性化な目論見か?
消費活性化も結構なようで、その反面、生活リズムが狂うのは前述のように実証済、おまけに反エコでも。
そう、ドメスティックでは( 地勢的にも )、サマータイムなんてろくなもんじゃない。
無理は承知で、もしもたとえば江戸期的な不定時法を採り入れるなら大賛成。
[34] 夏時刻制には反対するが不定時法導入には賛成 (するが難しいとは理解)、 というパターン。このパターンはたまに見かけます。
[32] その他夏時刻制度の推進または反対する立場からの提案に関係するものは、 日本の季節性夏時刻制定運動を参照。
[445] 日本の江戸時代の不定時法が夏時刻だと主張する人もいます。
[35] 平成時代の前半頃から夏時刻制度推進派は不定時法に言及することがありましたが、 日本の時刻制度の歴史紹介の一部であり、現行時刻制度が過去からの不変のものではないので新制度導入はできるという文脈であって、 過去に夏時刻制が実施されたと主張するものはまだなかったようです。
[36] 現在確認できる最古は平成17年のブログ記事です。
[29] サイクルロード ~自転車への道/サマータイムを導入してみる| 夏時間: サマータイム: 不定時法: 江戸時代: 時間の有効利用:, July 23, 2005, https://blog.cycleroad.com/archives/28720878.html
日本でも、北海道が昨年に引き続き、サマータイム導入実験をやっています。
全国一律にサマータイムにするには、。今後の展開次第でしょうが、導入は難しそうです。
そこで、というワケではありませんが、私は、一人サマータイムをお勧めします(笑)。
自分だけ、サマータイムの一日のスケジュールを作ってみる手もありそうです。サマータイムで一律というより、むしろ自由が利くかもしれません。
つまり江戸時代のサマータイムなら、夏の間は最大1.3倍仕事しなければならなかったわけです。
[30] >>29 は夏時刻制は難しい評価し、 その「実験」と称して夏季業務時間制度を実施した件を紹介し、 私的な時間利用を「一人サマータイム」と呼び、 更には不定時法を「江戸時代のサマータイム」と呼ぶところまで発展しています。
[31] 夏季ならすべて「サマータイム」だと言わんばかりにどんどんと定義を拡大していっています。
[20] 不定時法 - ATOMICA -, , https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2519.html
これによると、江戸で卯の刻六つは、夏至の頃には午前5時半過ぎ、冬至の頃には午前7時過ぎになることから、夏は冬より1時間程度時刻が早く来て、日没までの時間が長くなり、現在のサマータイムの考えと同様、江戸時代には自然の摂理に従った省エネ生活が普通に行われていたことになる。
<登録年月> 2007年07月
[17] 日本は昔、サマータイムを採用していた(.. - LAN-PRO - Bloguru, 1月 12日, 2009年, 2009-01-12 04:05, https://jp.bloguru.com/kuma/17956/2009-01-12
江戸時代、日本では「サマータイム」を採用していました。
不定時法と呼ばれ、季節によって時間(刻)あたりの長さを変える方法です。
[18] >>17 は不定時法の紹介のみで夏時刻制には直接言及していませんが、 なぜかこれを「「サマータイム」」と断定的に紹介しています。
江戸時代はこの時期、今でいう「サマータイム」を採用していたことをご存知ですか?
季節によって時刻が変わるのですから、今でいう「サマータイム」のようなものです。冬は「ウィンタータイム」に移行しますが、日の長さに応じて「一刻」が少しずつ長くなったり短くなったりするのですから、無理なく適応できる、巧みな「不定時法」といえるでしょう。
[461] 江戸時代の「不定時法」の説明はそう間違ってはいないのに、 「サマータイム」をまったく理解できていないから、 「今でいう「サマータイム」」 と言ってしまう。 季節性時刻変更があればサマータイムとは短絡的すぎる。 ひどいフェイクニュースだ。 江戸時代に夏時刻制が実施された事実はない。
[448] この記事が書かれる1年以上前に専門家団体が夏時刻制と不定時法は異なると明確に否定している (>>437)。 専門メディアなのに監修もしないで記事を出しているのか? 気象の専門家はいても天象の専門家はいないのか?
[446] 江戸時代の制度をわかりやすく説明したいがための喩えなのかもしれないが、 現代日本で馴染みの薄い夏時刻制に喩えてもわかりやすくも親しみやすくもならないのではないか。
[444] 今年も同内容のデマを流してる (ポータルサイトにも配信してる)...
[468] 第73回 江戸の時計と季節 | 小学館の辞書公式サイト「ことばのまど」, https://kotobanomado.jp/column/1129/
[8] 夏至*江戸時代のサマータイム | 江戸はワンダーランド!! 「粋」という美意識が創る文化が最強!, https://ameblo.jp/marnya41/entry-12856717557.html
[9] 江戸時代のサマータイム(物理が理解できる単位のお話・第4話), https://ardlazaward.com/21013001-1580/
現代でサマータイムといえば,夏の間は1時間進めることを指すけど,1秒に相当する長さを昼と夜で変えていたとは,考えた人はすごいわね。
[10] >>9 江戸時代に「サマータイムとい」っていたことは無いのだから 「現代でサマータイムといえば」と比較するのは意味不明。 日本で現在実施されていない (読者である学習者に馴染みが薄いであろう) 夏時刻制と比較する意味も謎。
[11] 究極のサマータイム? 江戸時代の時間制度「不定時法」を「たすくま」に入れて生活してみる - 醒メテ猶ヲ彷徨フ海|野原海明のWeb文芸誌, https://mia.hateblo.jp/entry/2018/11/29/141901
現代使われている時間の刻み方だと、「夏の17時はまだまだ明るいけど、冬の17時は真っ暗」なんていうことになるけれど、江戸時代の時間はそうじゃない。時計の方が、日の出と日の入りに合わせて目盛りを変えていたのだ。究極のサマータイム制度みたいだ。
[12] >>11 「?」「みたいだ」と書いているので筆者の感想であって嘘をついているわけではないが...
[24] 吉海直人の古典講座(220)―古典と現代の時間のずれに注意しよう – 新島八重顕彰会, https://yaenk.sakura.ne.jp/archives/kotenkouza/7759
それに対して不定時法は、季節によって昼と夜の時間を変化させています(サマータイムに近い?)。
[26] 夏と冬で時間が違った!?~江戸時代の「サマータイム」 | openmind-psychologyのブログ, https://ameblo.jp/openmind-psychology/entry-12410520722.html
これは最近東京五輪に 関連して提案された 「1時間前倒し」のような サマータイムではありませんが、 一種のサマータイムと 呼んで良さそうです。 この江戸時代の時間のやり方を 現代に蘇らせるわけには 行かないでしょうが、 夏と冬で時間の感覚や 使い方が変わるというのも なんだか合理的かもしれない、 と思ったのでした。
[27] いやそんな勝手に言葉の意味を歪められると困ります...