Normative

規定、非規定

[18] 規定の一部である (normative) とは、 当該仕様書の本質的な部分を構成し、 適合性に影響する可能性があることをいいます。

[2] non-normative, informative, 参考は、 規定ではないものです。

[9] 仕様書には、 規定の他に、 規定をわかりやすく言い換えた説明や、 例示や、 実装状況などの参考情報など、 本質的ではない読者のための補足情報が含まれるのが一般的です。

[10] 内容が明確な仕様書には、どの部分が規定で、 どの部分が規定でない (参考) かが明記されているはずです。

Web

[19] Web においては、 assertion (diagram) 例示注記 (note) 、 明示的に非規定とされたは、非規定です。 それ以外のすべては、規定です。 >>20

[21] この規定に関する規定は、 Web では昔からあったものの原則としては確立されていませんでした。 Hixie仕様書のスタイルが WA1 までにほぼ現在の形となり、 他の多くの仕様書にも真似られました。 現在は Infra Standard で定められています >>20

[28] 非規定部分では RFC 2119キーワードは使えないとされています >>20非規定部分では代替の助動詞が使われることがあります。 助動詞

注釈

[4] JIS注釈を「備考」を規定、 「参考」を規定以外と呼び分けて区別しています。

参考文献

[5] 特に他の文書の参照については、 規定である Normative References / 引用規格に対して参考である Informative References / Non-Normative References / 参考文献のように題して区別することがよくあります。

[22] Normative References に示された仕様書の内容は規定の一部を構成し、 Informative References に示された文書の内容は参考に過ぎないとするのが多くの標準化団体における解釈です。 ただ多くの場合 Normative References のすべてを実装する必要はなく、 参照された部分 (元の仕様書の解釈のため必要となる部分) や、 そこから芋蔓式に必要となる部分のみ実装すればよいと理解されています。 Normative ReferencesNormative References のように再帰的になっていることもよくあります。

[23] 品質の低い仕様書は、参照先と参照元とで矛盾した規定があって、 厳密には両方同時に実装できなかったりします。

[11] Web においては HTML Standard が両者をとしては区別せず、 非規定な参照に個別にその旨を明記する形を取っています。 BikeshedNormative ReferencesInformative References の2つのに区別しています。

[17] 厳密に言えば Infra Standard は「Informative References」 を規定の一部ではないと定めていないのに Bikeshed により生成される Informative References を使っています。

参考のみの文書

[6] 標準化団体によっては規定を含まず参考のみで構成される補足文書のための種別を設けています。

[7] 参考のみの文書の種別

[8] 文書全体が標準ではないとされているこうした種別に属する文書であっても、 それ自体が仕様書の体を取っている場合には、 その中でも敢えて規定参考の部分に分かれていることがあります。

政治性

[24] 仕様書の策定による標準化は、高度に政治的な活動です。 規定非規定の区別は、政治的駆け引きの結果だったりします。

[25] 利害関係者間で合意できなかった機能が、 参考として (標準に含まれるとも含まれないとも言える玉虫色の部分に) 含まれることがあります。

[26] 標準化手続きの都合上他の仕様書標準化と順番が前後する時に、 仕様書の品質よりスケジュールを優先する標準化団体は、 手続き上問題となる部分を非規定とすることで誤魔化す場合があります。

[27] 本来こうした対立を解決するのが標準化の役割であり、 せめてそうした事情を仕様書参考として記載し、 その仕様書を読むだけで当該技術を相互運用可能に実装可能であるべきですが、 悲しいかな、現実はそうでないことも多いのです。

歴史

[1] Accessible Rich Internet Applications (WAI-ARIA) 1.0 ( ( 版)) http://www.w3.org/WAI/PF/aria/complete#def_normative

[13] Editorial: refactor to depend on the Infra Standard (domenic著, ) https://github.com/whatwg/html/commit/4ac633e08c2c9430853fc8322943bc2438ed36a3

[3] Editorial: start using the Infra Standard (annevk著, ) https://github.com/whatwg/encoding/commit/a26f76889bf393999e9caad84a3647ab09c39e09

[14] Editorial: start using the Infra Standard (annevk著, ) https://github.com/whatwg/fetch/commit/9ba4e78e5cb5fc1132f89d7e344cd2c2e1950c67

[15] Editorial: make use of the Infra Standard (annevk著, ) https://github.com/whatwg/dom/commit/bb2890beed2be14d2f7633ec89e2bbb88ec7fdcd

[16] Editorial: use the Infra Standard (annevk著, ) https://github.com/whatwg/fullscreen/commit/06ae8faa6335bfdcc5c9d9e643c0cb797efbc9d9

[12] Accessible Rich Internet Applications (WAI-ARIA) 1.0 ( ( 版)) http://www.w3.org/WAI/PF/aria/complete#def_informative