[78] JIS TR X 0010:2000 『日本語組版のDSSSLライブラリ』
の附属書 D 『特定 DTD ルール群』にある html.dsl
というスタイル・シートには、 W3C の HTML
にはない要素が載っています。
(但し、このスタイル・シートの「特定 DTD」
とは何なのか不明です。説明も無いし、参照規格に JIS-HTML
が載っているわけでも無いし、解説にも記述なし。
ファイル名や html
要素が定義されていることから
HTML の変種だと思われますが。。。)
[3] TR X 0010 の英語版ではこの附属書は Annex D. HTML - Specifying DTD rules - という名称になっています。日本語版にない「HTML」がどこから現れたのかとか、 「特定」は「Specifying」と同じ意味なのだろうか、とか謎はありますが、 原案委員会がこれを HTML と呼んでいたことは間違い無さそうですね。
[10] よく読むと JIS TR X 0010:1998 本体 5.2.5 特定DTDルール群 に
特定DTDに対応した具体的なDSSSL指定を与える部分であり, 詳細パラメタ, 関数群及びページモデル群を利用して具体的なDTDのタグに対応してDSSSLの流し込み オブジェクトを生成していくためのconstruction ruleを記述している。 この版では, HTML 3.2に対するものを用意した。 DTDの要素に対して流し込みオブジェクトを生成する処理を記述してあり, 詳細パラメタ, 関数群及びページモデル群を利用する。
とあります。 JIS TR X 0010:2000 でも同様です。
[11] しかしその「HTML 3.2」が何であるかは説明がありません。 常識的に考えれば W3C勧告の HTML 3.2 なのでしょうが、 「常識的に考え」たり行間を読んだりしないと解釈できない標準規格は低品質というもの。 それに W3C勧告の HTML 3.2 と「特定DTDルール群」 は違いが少なくありません。
[12]
いやでも JIS TR X 0010:1998 時点では W3C勧告の HTML 3.2
にないものはなかったようです (ただし font
, big
, small
は未実装で、属性も対応していないものが多そう、 applet
も表示なし、
input
, select
, textarea
はなかったことになっている)。
textflow
以外は。
要素型名 | 附属書による表示処理 | |
---|---|---|
textflow | 特になし | |
yomi | 振り仮名 | ルビの要素の子要素? |
fn-contents | 脚注の内容を表示。 | fn の子要素? |
fn | 脚注の番号を表示。 |
[112] textflow
は HTML 3.2/4 draft
にあることがわかりました。
[17]
fn
は HTML 3.0 原案にありましたが、
それと同義かは不明です。
[5] 脚注機能を持っているのは D-DTD/J1 と共通していますが、 互換性はなさそうです。
[18] >>17 HTML 3.0 の fn
とも互換性ありませんね。
[13] 規則のうち
(element YOMI (YOMI)) (element FN-CONTENTS (FOOTNOTE-CONTENTS)) (element FN (FOOTNOTE))
は JIS TR X 0010:1998 にはなかったのに JIS TR X 0010:2000 で増えています。
[14] 後ろの括弧内は (HTML ではない) 専用の構造の名前を表しています。 附属書Aと比較すると何を意図していたのかがわかります。
[15]
YOMI
(標準 HTML の rt
に相当) は本来 RUBI
(標準 HTML の ruby
に相当) と組み合わせるべきものですが、
なぜか RUBI
は HTML の方に入っていません。
附属書Aを見ると、 DSSSL の処理系で本来のルビが取り扱えないのでかわりに
YOMI
を括弧書きする旨の注釈が入っています。
つまり実質的に RUBI
は意味が無いので、 HTML
にも追加されなかったと推測されます。
(そんな雑な感じでいいんですかね...?)
[16]
textflow
が入っているのは HTML 3.2 からこの仕様の原案が分岐した時期を表しているのでしょう...
[2] Annex, JIS/TR X 0010/E, , http://www.y-adagio.com/public/standards/tr_dsllib_e/annex.htm#d
特定DTDに対するconstruction rule記述(html)
となっています。ちょっと意味が良くわかりませんね。「特定DTD」と「html」は違うものであるような、でもそうすると「html」とは何なのか。
[9] ISO/IEC TR 19758 は英語化されたもの:
[8] dtr_9.PDF - dtr_9.pdf, , http://www.y-adagio.com/public/confs/docstyle/030519/dsllib/dsllib/dtr_9.pdf