グリフ

グリフ

仕様書

意味

[9] The Unicode Standard におけるグリフ (glyph) は、 文字レンダリング表示 (display) されるときに持つことができる文字図形 (shape) です。 文字とは違ってグリフ画面 (screen) に1つ以上文字の特定の表現 (representation) として出現するものです。 >>7

[10] グリフレパートリは、フォントとなります。 >>7

[11] グリフ図形 (shape) グリフの識別・選択の手法は、 個々のフォント事業者や関係する規格の責となるところであって、 The Unicode Standard では定めていません。 >>7

[16] グリフの選択は、前後の文字の文脈によって左右されることがあります。 >>7

[17] グリフの選択は、フォントサイズ添字その他書式付けによって左右されることもあります。 >>7


[23] OpenType においては、 利用者見た (view) 印刷 (print) したりするのは文字 (character) ではなく、 グリフ (glyph) です。 文字とはデータ中で数値表現を持った抽象実体 (entity) であり、 グリフ文字視覚化 (visualization) したものです。 >>22

[25] OpenType フォントグリフ集成 (collection) を含んでいます。 >>22

グリフの抽象性

[14] 文字グリフの関係では文字は抽象的な存在で1つの文字でもいろいろなグリフがあり得ると説明されますが、 グリフもまた抽象的な存在だと説明されることがあります。

[27] 実際フォントに含まれる特定のグリフデータはフォントサイズ文字色、 その他の装飾、 ラスター化手法といった要素で違ったグリフ画像に変換されて出力されます。 この意味でグリフデータはグリフ画像を抽象化したものと言い得ます。

[28] グリフデータ = クラスグリフ画像 = 実現値と言ってもいいでしょうか。

[29] が普段はあまりこのレベルの厳密な用語遣いはされていないようです。

[1] RFC 3536 - Terminology Used in Internationalization in the IETF ( 版) http://tools.ietf.org/html/rfc3536#page-5

A glyph is an abstract form that represents one or more glyph images. The term "glyph" is often a synonym for glyph image, which is the actual, concrete image of a glyph representation having been rasterized or otherwise imaged onto some display surface. In displaying character data, one or more glyphs may be selected to depict a particular character. These glyphs are selected by a rendering engine during composition and layout processing. <UNICODE>

[30] ここではグリフ = グリフ画像だとされていますが、 どちらかといえばグリフ = グリフデータで使われていることが多いような感覚が。

グリフとUnicode文字

[12] 1つの文字に、 複数のグリフが対応することがあります。 イタリック孤立形語末形言語差、 その他いろいろなグリフの違いがありえます。 >>7

[13] 合字のように、 1つのグリフが、 複数の文字の列に対応することがあります。 >>7

[15] アラビア文字インド系文字フォントのように、 Unicode文字の数より遥かに多くのグリフが必要となる場合があります。 >>7

[18] The Unicode Standard は、 同じテキスト内容が同じように蓄積され、 交換可能な文字符号の列となるようにするべく、 文字グリフの既定の関係を記述するものの、 洗練された組版 (fine typography) のためにはより詳しい規則が必要となるだろうとしています。 >>7

[19] 実際かなり多くの事項、表示に関わるほとんどの事項は実装依存とされ、 詳細が省かれております。 相互運用性に乏しいことも少なくありません。

[26] OpenType においては shaping における前処理を経た文字コード(列)を、 フォントcmap によって文字コードからグリフIDに変換します。 更にフォントGDEF データに基づきグリフIDに一定の演算を施すことで、 最終的なグリフ(列)を得ます。 一連の操作によって入力の文字コード列と出力のグリフ列の表示は順序関係が逆転することもありますし、 文字よりもグリフが増えたり減ったりもします。

レンダリング

文字のレンダリング, グリフの選択

[21] グリフアウトラインデータのラスター化の手法は仕様書で定められていますが、 環境に合わせて適宜仕立てて良いとされています。 >>20

グリフの識別

[5] グリフ識別

グリフの情報交換

[31] グリフ情報交換にはグリフを集めたフォントの形が普通です。 フォント, 外字

[32] 外字のような ad hoc情報交換には一般の画像形式が使われることもあります。

グリフの付加情報

[33] 狭義のグリフ図形データそのものですが、実用上は様々な付加情報が必要になります。 その種別と記述やグリフ本体との関連付けの方法は、 フォント形式プラットフォーム等で違っています。

[34] ほとんどのフォント形式は、文字コード (フォント符号化) とグリフの対応関係を記述できます。 OpenType の場合 cmap で記述します。

[38] OpenType では post によってグリフ名を記述できます。

[35] OpenType では GPOS によってグリフレンダリングのための位置調整情報を与えられます。

[37] OpenType では BASE 等で単一のグリフではなくすべてのグリフに共通する基線情報を与えられます。

[36] OpenType では GDEF グリフを分類し、 直接または間接に、付随する情報を与えられます。

関連

[24] 字形グリフは同じような意味で曖昧に使われることがあります。 グリフフォント印刷・表示技術的な視座、 字形文字体系的な視座、 というニュアンスの違いがあります。

[39] グリフ的部分集合

[40] グリフ合成

歴史

[2] Introduction – SVG 1.1 (Second Edition) ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/2011/REC-SVG11-20110816/intro.html#TermGlyph

[3] RFC 6365 - Terminology Used in Internationalization in the IETF ( 版) http://tools.ietf.org/html/rfc6365#page-7

[4] Character Model for the World Wide Web 1.0: Fundamentals ( ( 版)) http://www.w3.org/TR/charmod/#sec-VisualRenderingUnits

[6] SSML 1.0 say-as attribute values () https://www.w3.org/TR/2005/NOTE-ssml-sayas-20050526/#S3.4glyphs

[8] 外字