t

次元 t (URL)

[2] 媒体素片次元 t は、時間軸上の範囲を表します。

仕様書

意味

[3] この次元は、元の媒体の特定の時間範囲 (time range) を表します >>1

[6] この範囲は half-open であり、開始時刻は範囲に含まれ、終了時刻は範囲に含まれない最初の瞬間となります >>4

[13] id=t= は同じ次元を指定したものとみなされます。 両者が指定された場合、最後の指定のみが有効となります。 >>12

構文

[37] 名前は、 t です。

[38] MPEG DASH では、 s も使われています。両方指定されている場合、 s が優先されます。 >>35, >>36


[5] 値の時間の範囲は、開始時刻と終了時刻の区間 (interval) として表現します。 両者は , で連結します。 どちらも省略可能で、それぞれ 0s と媒体の時間長 (duration) が既定値となります。 >>4

  1. ?
    1. npt:
  2. |
    1. =
      1. 開始時刻
      2. ?
        1. ,
        2. 終了時刻
    2. =
      1. ,
      2. 終了時刻

[7] 時刻は NPT (RFC 2326 Normal Play Time) 形式で記述します >>4。これを明示するために値の最初に npt: と (小文字で) 記述できます >>4

[8] SMPTE時刻符号実世界時計時刻による表現も検討されていたようです >>4 が、 仕様が完成しませんでした。

[9] NPT による時刻表記は、数のみ、 hh:mm:ss、mm:ss のいずれかの形となります。いずれの表記でも部分の後に . と0桁以上のASCII数字の列により、小数部を表記できます。 >>4

[10] 小数部は仕様書本文ではミリ秒を表すもの >>4 とされていますが、 構文上は桁数上限がありません。

[11] はいずれもASCII数字の列ですが、およびと併記するは00から59の間の2桁のASCII数字とされています >>4

処理

[15] 構文的に正しくないものは、誤り (error) であり、 当該次元の指定は無視するべきです >>14

[16] 終了時刻が開始時刻以下であるものは、誤りであり、 当該次元の指定は無視するべきです >>14

[17] 開始時刻と終了時刻が等しい場合、終了時刻は含まないため、 含まれる範囲が無くなってしまいますから、誤りです。

[20] なお、終了時刻を明示指定しなかった場合、時間長が指定されたとみなされます。 媒体に含まれる最後の時刻の直後の時刻を指定したことになるようです。 (最後の時刻を明示した場合、媒体の最後の瞬間が含まれないことになります。)

[18] 媒体時間長 (duration) frame rate が分かっている場合、 範囲の妥当性も判定できます。開始時刻が媒体の最後の時刻以上である場合で、 終了時刻が媒体の最後の時刻よりも大きい場合は、 誤りであり、利用者エージェント媒体の最後の時刻をシークします。 >>19

[22] 開始時刻が終了時刻より小さく、開始時刻が媒体の最初の時刻以上であり、 終了時刻が媒体の時間長以下なら、妥当であり、 開始時刻から終了時刻まで再生します >>21

[24] 開始時刻から再生を開始し、終了時刻で停止することが推奨されています >>23。 停止後に再度「再生 (play) 」ボタンが押された時は、その続きから再生を再開することとなります >>23

[25]再読み込み (reload) 」ボタンを設け、それが押された時は、 指定された媒体素片のみ再度再生することが推奨されています >>23

[26] 媒体素片で指定された範囲を強調して表示することもできます >>23

歴史

[28] NPT 以外の指定方法は削除されてW3C勧告本文には含まれていませんが、 ABNF 構文だけはなぜか削除されずに残っています >>27

[29] Using HTML5 audio and video - Web developer guide | MDN ( ( 版)) https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/Guide/HTML/Using_HTML5_audio_and_video#Specifying_playback_range

[30] 648595 – Implement temporal dimension portion of Media Fragments URI specification for video/audio ( ( 版)) https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=648595

[31] Issue 163351 - chromium - HTML5 Video media fragment URI wrong behaviour - An open-source project to help move the web forward. - Google Project Hosting ( ( 版)) https://code.google.com/p/chromium/issues/detail?id=163351

[32] Issue 94368 - chromium - Feature Request: Implement temporal dimension portion of Media Fragments URI specification for video/audio - An open-source project to help move the web forward. - Google Project Hosting ( ( 版)) https://code.google.com/p/chromium/issues/detail?id=94368

[33] Bug 65838 – Implement temporal dimension portion of Media Fragments URI specification for video/audio ( ( 版)) https://bugs.webkit.org/show_bug.cgi?id=65838

>>34
KeyValueSemantics
tTime or time range in the same format as defined in Media Fragments URI 1.0Time since the beginning of the period indicated by the period parameter. If the t parameter is not present, its default value is 0.

[35] dash.js/PlaybackController.js at master · Dash-Industry-Forum/dash.js () https://github.com/Dash-Industry-Forum/dash.js/blob/master/src/streaming/controllers/PlaybackController.js#L258

[36] Fix up startTime, support t as well as s, seeing as t is the standard. (LloydW93著, ) https://github.com/Dash-Industry-Forum/dash.js/pull/1390/commits/ae0f2ef978b79a1cb51a88b8780c38104a8315aa

[39] tc39/proposal-temporal () https://github.com/tc39/proposal-temporal

[40] Temporal proposal · Issue #311 · w3ctag/design-reviews () https://github.com/w3ctag/design-reviews/issues/311