[1] 日本の法令で現在も明確に効力が持続しているものは、 みな明治時代かそれ以後に制定されたものです。
[35] それ以前の法令や、 明治時代から昭和時代でも一部の法令は、 現在も効力を有するかよくわかりません。
廃止法令は特に出されず、形式的には明治維新期まで存続した[1]。
[43] https://shohoku.repo.nii.ac.jp/record/969/files/shohoku42_12.pdf #page=11
そうした法令は出ていないと思います。実際に王政復古がなった明治でも、養老律令を参照しつつ、(当たり前のことですが)それとは異なる形での国政作り、国家運営がなされました。この時点で、養老律令はほぼ空文化していたといえます。その後、大日本帝国憲法が発布されるに至って、養老律令も事実上廃止されたといえるでしょう。
[32] 養老律令について、明治期に効力の停止、廃止など宣言されたことがあったのでしょうか。 - 来 る べ き 書 物 ( ()) http://d.hatena.ne.jp/hojo_lec/20160627/1468178457
法律規則命令又ハ何等ノ名称ヲ用ヰタルニ拘ラス此ノ憲法ニ矛盾セサル現行ノ法令ハ総テ遵由ノ効力ヲ有ス
第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
98条1項は、現行憲法施行の際に存在していた旧憲法下での法律等で憲法の条項に反しないものは引き続き効力を有するものであることを規定した、経過規定的意義を有していると通説では解している。判例も同様(最高裁判例昭23.6.23)。
[14] 日本国憲法施行の際現に効力を有する勅令の規定の効力等に関する政令
[15] 日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律
前年に最大規模化した寛永の大飢饉を契機に幕府は本格的な農政へ乗り出し、飢饉による百姓の没落を防ぐ目的で発布されたとされている。明治5年(1872年)に廃止されるまで名目上の効力を持った。
主に天領に向けて発布されたと考えられているが、質流れなどで実際上は、江戸時代を通じて土地の売買が行われており、幕府においても江戸時代中期以後に入ると法令違反の訴えが無い限りは同法違反の取締りを行うことはなかったという。
この法令自体が最終的に廃止されるのは、幕府滅亡後の明治4年(1871年)のことであった(田畑勝手作許可)。
田畑勝手作許可(でんぱたかってさくきょか)とは、明治4年9月7日(1871年10月20日)に出された大蔵省「田畑夫食取入ノ余ハ諸物品勝手作ヲ許ス」の件の通称。これにより江戸幕府の田畑勝手作禁止令は明確に実効性を喪失した。
これに続いて翌年には田畑永代売買禁止令を廃止する地所永代売買解禁が出されている。
また、現行の栄典関係の政令(太政官布告、勅令)・内閣府令(太政官達、閣令)等の法令は、果たして有効か問題となる。この点、政府見解によれば、勲章制定ノ件(明治8年太政官布告第54号)や大勲位菊花大綬章及副章製式ノ件(明治10年太政官達第97号)など現行の栄典関係の法令は、憲法98条1項が定める「この憲法…の条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部」にあたらないため、日本国憲法施行後もなお効力を有しており、その後に政令等として適正な手続による改正も経ているため、有効であるとする。
例えば、明治8年の法令全書には裁判事務心得が掲載されているが、その頭注部分に、治罪法(明治13年7月17日太政官布告第37号、刑事訴訟法に相当)により刑事に関する事項について効力が消滅した旨の記載があり、明治17年の法令全書の巻末の法令改廃表に、裁判所構成法(明治23年法律第6号、裁判所法に相当)と旧民事訴訟法(明治23年法律第29号)により効力が消滅した旨の記載がある[1]。つまり、明治時代のうちに効力が消滅したものとして扱われている。
これに対し、法務大臣官房司法法制調査部編集の『現行日本法規』には、3条から5条までが現行法令として掲載されており、法令データ提供システムも同様の扱いをしている。
[24] 日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律で失効したのじゃないか、と思いきや、
現実の扱いとしては、明治憲法下で法律として制定されたもの(法律としての効力を有する太政官布告・達も含む。)は、内容が違憲でない限り効力が存続するものとして扱われる。一方、明治憲法下で命令として制定されたもの(命令としての効力を有する太政官布告・達も含む。)は、当該命令の対象が日本国憲法下でも命令事項である場合は引き続き命令としての効力を有するが、法律事項である場合は原則として1947年(昭和22年)12月31日限りでその効力が打ち切られ、必要なもののみ国会による照合を経て再度制定された(日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律1条)。
... ということで太政官制定の法令が大日本帝国憲法時代の法律として解釈できるケースでは、 日本国憲法下でも法律扱いで存続していることになるのか。
[25] それなら、大政奉還以前の法令で現在もかろうじて法律としての効力が残っていると主張できるものもあるかもしれないのか?
効力を有する法律の中で最古のものは「明治五年太政官布告第三百三十七号(改暦ノ布告)」とされています
現在も効力を持ったまま残っている「布告」や「達」が幾つかありますが、その中で一番古いものが「改暦ノ布告」というもので、明治5年11月9日に公布されたものです。
江戸幕府において武家諸法度の施行において武士の基本法としての位置づけを譲ることになるが、法令としての有効性には変わりなく、明治時代以降に近代法が成立するまで続いた。
[29] 日本法 - Wikipedia () https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B3%95
ただ、律令そのものは、存続しその一部は明治の初頭まで効力を持っていたものもある。
江戸時代に鋳造され法的には通貨として通用していた寛永通宝なども、この法律の施行により効力を失った。
[5] >>17、>>19、>>31 のように幕府や藩が廃止されても、 その法令が直ちに効力を失うとはいえない。
[3] 矛盾するから効力を失ったとされているものは、矛盾する条項だけ失効したとするのか、 矛盾しない条項も含めて失効したとするのか。矛盾する条項だけ失効なら、 養老律令なんかの当たり障りのない条項は失効していない可能性があるのか?
[4] 例えば養老律令に
「凡そ公文に年記すべくは、皆年号を用いよ。」
と書いてある。
[6] 裁判事務心得 - Wikipedia () https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%81%E5%88%A4%E4%BA%8B%E5%8B%99%E5%BF%83%E5%BE%97#%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%B8%83%E5%91%8A%E3%81%AE%E5%8A%B9%E5%8A%9B
[7] 暦に係る法制に関する覚書 : Bureau de Saitoh, Avocat (弁護士 齊藤雅俊) () http://donttreadonme.blog.jp/archives/1916178.html
1879年(明治12年)の琉球処分で琉球國(琉球王国)が滅亡したことにより、失効したとされる。
[34] 薩摩藩の属国だった琉球国に外交権はあったのか。 琉米修好条約 に対して薩摩藩は修正を求めたものの、 反映されなかったらしい。 だとすると 琉米修好条約 は薩摩藩の承認なしに締結されたものか。 正当な権限のない者が結んだ上、 米軍の武力威嚇下で結ばれたものは、 契約として最初から無効だろう。 (国家間の取り決めなので、実際には法秩序より国家間の力関係による部分が大きいのでしょうが。)
[21] 甲 朝鮮(韓国)/乙 琉球, アジア歴史資料センター | Japan Center for Asian Historical Records, https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/image_B13090775800
[33]
元号法制定まで、
明治元年行政官布告が効力を有するとされていました。
[36] 服忌令: 江戸時代に江戸幕府 (徳川綱吉) が制定した法令が明治時代の太政官布告によって引き続き有効とされた例。 昭和時代まで存続したが、現在の効力は不明。
なお明治以降は、何年何月何日制定、法律第何号といった具合に正式に登録された物のみが有効な法律とされていますから、そうでない墾田永年私財法は当然効力がありません。
「内閣官制の廃止等に関する政令」(昭和22年政令第4号)により同年5月3日を以て廃止された。以降、同様の法令は制定されていない。そのため、現在、法令の公布や、日本国憲法に定められる天皇の国事行為に伴って作成される文書の形式は慣例による。実際には、ほぼ公式令に沿っている。
廃止された旧皇室典範及び皇室令は慣習法として存続している。これは、憲法が入り込めない国家機関の領域を主張するものであり、旧憲法時代における憲法体系と皇室令体系という二つの法体系の存在に近い状況が生まれている
笹川紀勝
政教分離の問題があった旧皇室令、旧皇室典範は廃止されたが、通達により、言わば慣例・慣習法の形で実質的に執行され、それが現在にまで至っている
笹川紀勝
[41] 日本国憲法の施行前後に廃止された旧皇室典範体系化の法令の多くはその後継承する法令が制定されていないため、 慣習法・事実たる慣習として旧法令が存続しているものと解釈されています。
[42] 法令の廃止手続きがなされなくても失効することがあるのとは逆に、 廃止手続きがなされたとしても事実上存続し続けることがあるのです。