抵当権者

抵当権者

[1] 抵当権は、占有を移さない担保物権です。

[27] 抵当権は、約定担保物権です。

性質

[13] 抵当権は、被担保債権が成立しなければ、成立しません (付従性)。

[14] 抵当権は、被担保債権譲渡されると、同時に移転します (随伴性)。

[15] 抵当権は、全額が弁済されない限り、目的物全部の上に行使できます (不可分性)。

[20] 被担保債権債権者抵当権者債務者抵当権設定者となります。

対象

[2] 抵当権は、土地建物それぞれ個別に設定できます。

[3] 抵当権は、不動産と一体となったもの (付加一体物) にも効力が及びます。

[4] 抵当権は、設定時からある従物 (など) にも効力が及びます。

[5] 抵当権は、従たる権利にも効力が及びます。

[6] 例えば建物抵当権は、その土地借地権にも及びます。

[7] 賃借権の譲渡には賃貸人の同意が必要です。

[16] 抵当権は、目的物の価値変形物にも効力が及びます (物上代位性)。

順位

[8] 抵当権は、複数設定できます。

[9] 順位は、抵当権者の合意利害関係者承諾で変更できます。

[10] 競売の場合、順位が高い抵当権者から順に回収できます。

[11] 優先弁済される利息は、最後の2年分のみです。 後順位の抵当権者がいる場合は、残りの利息は回収できないかもしれません。

登記

[12] 登記簿には、元本利率が記載されます。

競売

[17] 土地への抵当権設定後に建物が作られた場合、 土地建物一括競売ができます。

[19] 抵当権設定前から存在していたなどの条件をみたす場合は、 法定地上権が成立するため、一括競売はできません。

[18] ただし一括競売の場合でも優先弁済を受けられるのは、 土地代金のみからです。

消滅

[21] 抵当権設定者は、第三者 (抵当不動産の第三取得者) に抵当不動産売却できます。これには抵当権者同意は不要です。

抵当権消滅請求

[22] 抵当不動産の第三取得者は、一定の代価の支払いにより抵当権消滅させるよう抵当権者書面請求できます。

[23] 主たる債務者保証人、それらの承継人は、 第三者ではありませんから、買い受けたとしても抵当権消滅請求はできません。

[24] 抵当権消滅請求は、競売による差押えの効力が発生する前に行わなければなりません。

[25] 抵当権者は、抵当権消滅を防ぐには、 書面の送付を受けてから2ヶ月以内に抵当権実行して競売申立てをしなければなりません。

代価弁済

[26] 抵当権者は、第三取得者に対して代価の支払による抵当権を抹消 (代価弁済) を提示できます。

関連

[28] 抵当権者は、優先弁済権の行使が困難な状況であれば、 妨害排除請求権を持ちます。