媒介契約

媒介契約 (宅建業)

専任契約

[1] 売買媒介契約には、一般媒介契約専任媒介契約があります。

[5] 実務上は貸借でも同様の媒介の形態の違いがあり得ますが、 宅建法上は、売買に関するもので、本章の内容は貸借には適用されません。

[2] 専任媒介契約は、他の業者に媒介を依頼することを禁止するものです。

[3] 専属専任媒介契約は、更に自己発見取引も禁止するものです。

[4] 一般媒介契約は、他の業者に媒介を依頼したことを明かす義務のある明示型と、 そうでない非明示型に分類できます。

[6] 各契約形態には次のような違いがあります。

x
契約
他の業者
自己
自己発見取引
期間
有効期間
自動
自動更新特約
REINS
指定流通機構への登録
報告
業務の報告
x
一般媒介契約
自己
期間
無制限
自動
REINS
可能
報告
義務なし
x
通常の専任媒介契約
×
自己
期間
3ヶ月以内
自動
×
REINS
7営業日以内
報告
2週間に1回以上
x
専属専任媒介契約
×
自己
×
期間
3ヶ月以内
自動
×
REINS
5営業日以内
報告
1週間に1回以上

[7] 専任媒介契約は、3ヶ月を超える期間としても、3ヶ月とみなされます。

[8] 専任媒介契約では、自動更新特約は、無効です。

[9] 専任媒介契約では、業務の処理状況を報告しなければなりません。 この報告は、口頭でも構いません。電磁的方法でも構いません。

契約書

[10] (売買の) 媒介契約を結んだ宅建業者は、遅滞なく媒介契約書 (34条の2の書面) を相手に渡さなければなりません。

[11] 媒介契約書には、次の事項を記載します。

価額と報酬

[12] 宅建業者価額または評価額について意見を述べるときは、 根拠も示さなければなりません。これは口頭でも構いません。

[14] 土地売買消費税課税されません。

[15] 建物売買消費税課税されます。

[13] 媒介報酬 (仲介手数料) の限度額は、次の通りです。

  • 200万円までは 5%
  • 200万円を超えて400万円までは 4%
  • 400万円を超える部分は 3%

[18] 両手取引の場合、両方の取引相手からそれぞれ限度額まで受け取ることができます。

[16] 報酬額の計算に用いるのは、消費税を含まない額です。

[19] 複数の宅建業者が取引に関与する場合でも、合計して売主買主が支払わなければならない報酬額は、それぞれ限度額分までです。

[28] 売買代理契約の場合は、媒介手数料の2倍まで手数料として受領できます。

[20] 交換の場合は、高額な方の物件報酬額により限度額が決まります。

[21] 賃貸の場合は、貸主借主の報酬額の合計の限度は、 賃料の1月分です。

[24] 原則として貸主から0.5ヶ月分ですが、媒介依頼を受ける時に承諾を得ていれば、 比率を変更できます。

[29] 賃貸代理契約の場合、媒介手数料と同額まで手数料として受領できます。

[25] 宅地や非居住用建物賃貸では、 権利金 (契約時に支払われる一時金のうち、 契約終了時に返還されないもの = 礼金) の授受がある場合、 権利金売買の代金とみなして報酬の限度額を決めることができます。

[22] 居住用建物宅地の賃貸借には、消費税は課税されません。

[23] 事業用建物賃料には消費税が課税されます。

[17] 宅建業者消費税課税事業者なら、 消費税相当額 (8% 10%) を報酬に上乗せできます。 消費税免税事業者なら、みなし消費税分 4% を上乗せできます。

[26] 宅建業者は、報酬以外に媒介に要した費用を請求してはなりません。 また不当に高額な報酬を要求してはなりません。

[27] ただし、依頼者からの依頼で広告する料金は授受できます。