[1] 応用の要件のため、 仕様書に明記されていない、または中核的な手法に含められていない方法により修正、拡張することを仕立てといいます。
[2] Unicode Consortium の各種仕様書や OpenType の仕様書では、 言語や応用に依存した要件に合わせて調整することを仕立てといっています。
[4] 実装規定、実装依存、応用依存、上位層の規定による、 といったような適合性の概念と同種のものですが、 地域化等の目的意識の存在が「仕立て」という語のニュアンスには含まれているようです。
[5] 実際問題としてこの種の仕様は対象としている言語の振る舞いを記述するのが非常に難しいですし (学術的にもわかっていないところも多い上に文化はどんどん変動していく)、 応用が広範に亘るのであまり限定的に書いてしまっても現実に合わなくなってしまうから、 基本的なところだけ決めて後は知らない、好きにしろ、という姿勢にならざるを得ないのでしょうな。
[6] でもそれがこの分野の相互運用性を低いままに押し留めている一因でもあるわけで。 本当は難しいからこそちゃんと取り組まないといけないのですよね。 仕様書読むだけで実装できないのが参入障壁になってしまうし、 それで困るのは難しい実装をちゃんとしてもらわないとまともに言語を使えない人達 (= 欧米人以外)。 意図してないかもしれないけど、文化を正しく運用するっていうのを少数の人達で独占する結果になっちゃってるわけです。
[7] 似た概念でプロファイルがありますが、 プロファイルは基本的に部分集合化なのに対して、 仕立ては原規格にない独自規則を付け足すものです。 どちらかというと下位層プロトコルと応用プロトコルの関係に近いといえますが、 仕立ては応用といえるほど「上位層」的な立ち位置でもなく、 原規格に埋め込まれる形で一体的に運用される想定のものです。