[1] RFC 822 で定義されている電子メイルのメッセージ
(822) の頭欄 Encrypted
は、メッセージが暗号化されているのを示すことを想定していました。
RFC 822 は書式だけを規定し、
実際の暗号化の仕組みは登録制としていました。
しかし、後に電子メイルのメッセージの暗号化の仕組みとして
PEM や PGP/MIME や S/MIME が規格化されましたが、
Encrypted:
欄が使われることはありませんでした。
そうして、ほとんど (まったく?) 使われぬまま、
Encrypted:
欄は RFC 822 の改訂版である
RFC 2822 では省かれてしまっています。
とはいうものの Internet Standard である RFC 822
で Encrypted:
欄が規定されていたという事実だけは動かしようがなく、
亡霊のような存在となっています。
Sometimes, data encryption is used to increase the privacy of message contents. If the body of a message has been encrypted, to keep its contents private, the "Encrypted" field can be used to note the fact and to indicate the nature of the encryption. The first <word> parameter indicates the software used to encrypt the body, and the second, optional <word> is intended to aid the recipient in selecting the proper decryption key. This code word may be viewed as an index to a table of keys held by the recipient.
時たま、データ暗号化がメッセージの秘密保持のために
使われます。内容を内密に保つため、
メッセージの本体が暗号化されている時、
暗号化されているということを記し、暗号化の性質を示すために、
Encrypted
欄を使うことが出来ます。最初の
word
引数は本体を暗号化するのに使われたソフトウェアを示し、
省略可能な二番目の word
は、
受信者が適切な解読鍵を選択するのを助けることを目的にしています。
この符号 word
は受信者が持っている鍵の表の索引と見なしても構いません。
Note: Unfortunately, headers must contain envelope, as well as contents, information. Consequently, it is necessary that they remain unencrypted, so that mail transport services may access them. Since names, addresses, and "Subject" field contents may contain sensitive information, this requirement limits total message privacy.
注意: 残念ながら、
頭群は内容たると共に封筒情報にしなければなりません。
ですから、頭群は暗号化されていない状態のままにしておき、
メイル輸送サービスが頭群を読むことができるようにしておく必要があります。
名前, 番地, Subject
欄は繊細な情報を含むかもしれませんから、
この要件はメッセージの秘密性全体を制限することになります。
Names of encryption software are registered with the Network Information Center, SRI International, Menlo Park, California.
暗号化ソフトウェアの名前は the Network Information Center, SRI International, Menlo Park, California で登録されます。
訳注: 登録簿は現在 IANA <http://www.iana.org/> が管理しています。 >>3 参照。
[RFC822] specifies that Encryption Types for mail may be assigned. There are currently no RFC 822 encryption types assigned. Please use instead the Mail Privacy procedures defined in [RFC1421, RFC1422, RFC1423].
RFC 822 は、メイルに暗号化型を割当てることができると規定しています。 現時点では RFC 822 暗号化型は割当てられていません。 代わりに RFC 1421, RFC 1422, RFC 1423 で定義されているメイル・プライバシー手続きを使ってください。
See RFCのライセンス