[62] 閏秒のないUTCは、 UTC の閏秒を「無視」したものです。 厳密に言えば UTC とは異なる時刻系ですが、 便宜上 UTC と呼ばれることがよくあります。
[3] 計算機システム上では閏秒を正確に扱うのが難しく、ほとんどの場合、無視されます。 日数による日時表現も、 1日の長さを固定長と仮定しており、原理的に閏秒を扱えません。 こうした場面で用いられていると考えられるのが閏秒のない時刻系です。 現在、そのような場合のほとんどが、 UTC に近いが UTC ではない時刻系を使っているといえます。
[13] 時差を考慮したバリエーションも存在します。 例えば閏秒のないUTCを使うシステムで表示上の時刻を中央標準時とする場合、 厳密には「中央標準時に近い閏秒のない時刻系」を使っていることになります。
[14] 便宜上 UTC と呼ばれる「閏秒のないUTC」は、 厳密には UTC ではありませんし、 UT や GMT でもありません。
[4] UTC で正閏秒が挿入された場合、閏秒のないUTCでは、閏秒が存在しなかったものとみなします。 ここで、存在しなかったとは、そもそもその秒が時間軸上に存在しないとみなすのであって、 その前後の秒の時刻は UTC と同じとします。
[6] UTC で負閏秒が実施された例はありませんが、仮に実施されたとすると、 閏秒のないUTCでは、その秒が存在したものとみなします。
[15] TAI や UT1 のような UTC と閏秒 (など) の分の差がある時刻系も 「閏秒のない」時刻系ですが、本項の時刻系とは異なります。 TAI、UT1、UTC の間では、ある秒を何と呼ぶかの違いこそあれ、 秒が存在したりしなかったり、ということはありません。
[7] 現実には時刻系の違いによって物理的に時間軸上の秒が消失したり出現したりするはずもなく、 前後数分間の秒の長さが改変されたり、 時計の誤差とみなされていずれかのタイミングで補正されたりすることで実現されています。
[10] 閏秒のある UTC と比較的正確に時刻同期されたシステムでは、 閏秒の存在する UTC と閏秒のない時刻系を採用したシステム時計との整合性が問題になります。
[11] 秒の長さを変化させて見かけ上閏秒が無かったことにする leap smear 法が広く用いられています。
[12] それほど正確に時刻同期されていない (がある程度は時刻同期された) システムでは、閏秒を過ぎた次の同期タイミングで適切な時刻に再設定されることになります。 しかし同期の精度とタイミングによっては、同じ秒が2度実施されたり、 1秒戻ったりすることもあり、それによりシステムの動作が不安定になる場合もあります。
[16] GPS時は特殊で、閏秒を無視した時刻と閏秒実施回数の組で日時が表現されます。
[17] time package - time - Go Packages, https://pkg.go.dev/time
The calendrical calculations always assume a Gregorian calendar, with no leap seconds.