日中時間の短縮に関しては海関時計を変更すべからざること及び執務時間は変更し得る件

日中時間の短縮に関しては海関時計を変更すべからざること及び執務時間は変更し得る件

本文

[1] 1920年3月19日 総税務司エフ・エイ・アグレン訓令 第3019号

日中時間の短縮に関しては海関時計を変更すべからざること及び執務時間は変更し得る件

時計を進め以って日中の時間を短縮する問題本年も再発する場合に対し貴職執務参考の為税務処通達第318号写を添付す該通達に依り海関の時計には何等変更すべからざる旨承知せられ度し執務時間は広州の一般利便に応じ変更し得べきも昨年中若干海関にて試みたる実験に鑑み右は政府に関する限りに於いて準備中なり

[2] 附属

税務処令

教育部よりの通牒に依れば

中央観象台台長高魯の具申に「昨年夏季上海海関の時計の針を繰り上ぐる問題 (所謂サンマー・タイム制の事) に就いては本台は時間制度を紊すものとして当時貴教育部に陳情し其の命によりて規定を草案し大総統より国務院を経て税務処に通達し上海海関に伝達せしめたるが、 其の後税務処より総税務司の上申に基づき貴教育部へ上海海関の時計は上海の標準時計なれば中秋節以前は再び更改するわけにゆかず、 今時計の針を元へ戻すならば却って時間制度の混乱を来たし非常の不便を感ずべき旨回答し来たり遂に実効せざりしは遺憾なり、 現に今年の夏季も近づきたれば速やかに処理すべき必要あり、 抑も時間を1時間繰り上げることはもともと日光を愛惜する見地よりせるものにして最近欧米に流行し之を惜陰制と名づけ新奇なる制度の如く思い競って模倣しつつあれども、 我が国の習慣にては公私各機関の執務時間は従来季節によりて規定され各地によりて相異なり惜陰制なる名目は無きも日光を愛惜する事実はありしなり、 形式上の模倣は固より其の必要なし、 上海海関が昨夏時計の針を更改せるは表面は総商会の決議を経たることになり居るも発起人は23の商人にて他は皆付和せるに過ぎず、 究竟一般商人の始業終業時間は何等の変更なく、 且つ郵便局の配達は勉めて1時間遅くし鉄道の通用時間には更に指針を付け加え、 黄浦灘の午球 (午報軽気球)、気象台の予報、無線電の合図等或いは新規定を特定し或いは旗幟を更改するなど種々の事情は表面のみ更改して事実更改し居らざる証拠なり、 而も一般に非常に混乱の状を呈せり、 上海に於いてすら斯くの如くなれば他は推して知るべし、 敢えて貴教育部より税務処に対し予め上海海関に通達し今夏は執務時間の1時間繰り上ぐるのみにて時計の針を更改せしめざる様願たし、 意見如何、御支持を仰ぐ」とあり、 該観象台の具申に係る各項は尚参考すべき点なきにしもあらず、 茲に貴税務処に通達す可然処理し且つ御回示を請う

と、蓋し昨夏上海海関にて時計の針を1時間繰り上げたるは上海のみに就いての規定にて其の他の各関にては未だ皆之に倣わず即ち教育部の通牒が既に斯くの如くなる以上、 上海海関にても本年夏季は再び時計の針を繰り上げたるを要せず、 此の旨各関係方面へ通達すると共に総税務司をして該関税務司に伝達せしむ、 可然処理せしめたる後本税務処に報告されたく本処より教育部に回答すべし、 茲に令す

中華民国9年3月17日 第318号

出典

注記

[7] 本記事の本文は、出典 >>6 をテキスト化したものですが、 原文が既に翻訳であることから、次の表記は適宜改めています。

[8] その他本文内容を変更しない整形上の変更が加わっています。