topology

時間位相オブジェクト

[2] 位相 (topology) は、 オブジェクト間の時間連結性に関する情報を示します。 ときには時間における地物順序の情報を示すこともできます。 >>1 5.2.4.1

[3] 一方で、位相は、時間位置の情報は示しません。 >>1 5.2.4.1

[4] 位相関係は幾何情報から導出できることもありますが、 時間位置データは必ずしもこの導出に適していないため、 位相を明記することが必要な場合があります。 また、 導出できるとしても、 位相を明記していることが要件なら、位相を用いることができます。 >>1 5.2.4.1

[5] 位相プリミティブ (topological primitive) すなわち TM_TopologicalPrimitive は、 単独で不可分な位相要素を表現するものです。 >>1 5.2.4.2 TM_PrimitiveTM_Object継承し、 TM_Order利用します。

[6] TM_TopologicalPrimitive には、 0次元の TM_Node と、 1次元の TM_Edge があります。 >>1 5.2.4.2

[7] 位相プリミティブは連結性に関する情報を示すためのもので、 相互の関係が最も重要な特性とされています。 >>1 5.2.4.2 Initiation, Termination (TM_Node, TM_Edge)

[9] 幾何プリミティブには0次元の TM_Instant と1次元の TM_Period があり、時間軸上の点と区間を表しています。 幾何プリミティブ時間軸上の特定の位置に紐付いていますが、 位相プリミティブはその時間軸との絶対的な関係性を取り去り、 かわりに相互の順序関係に重きを置いたものとなっています。 node は瞬間、 edge は期間と言い換えることもできるのでしょうが、 この違いを明確にするため別の語を使っていると思われます。

[8] 位相プリミティブは、 位相複体すなわち TM_TopologicalComplex 中に含めることができます。 >>1 5.2.4.2 実用上、例えば TM_Order比較演算を機能させるために、 TM_TopologicalComplex を適切に定義することは必須のようです。

[15] 例えば縄文時代江戸時代などの 「日本の歴史時代」 を位相として記述したい場合、 各時代が TM_Edge となり、 江戸開府など時代の結節点となるできごとが TM_Node となり、 「日本の歴史時代」という全体が TM_TopologicalComplex となると思われます。 TM_TopologicalComplex 内には各時代の TM_NodeTM_Edge が時代順で含まれます。

[16] 時間位相オブジェクトは、 地物データ集合時間特性を示す値として使わなければなりません。 >>1 5.2.2

[10] 位相プリミティブは次の関係を持ちます。

[11] TM_TopologicalPrimitive
geometry
対応する幾何プリミティブ TM_Node, TM_Edge
complex
要素として含まれる TM_TopologicalComplex。 (関係 Complex、任意個)
[1] JIS X 7108:2004
4.1.37 位相プリミティブ (topological primitive)
単独の不可分な要素を表す位相オブジェクト (ISO 19107)。

備考 位相プリミティブは, 幾何実現 (ISO 19107 参照) によって同じ次元幾何プリミティブ境界の内側に対応する。

グラフの形態

[12] TM_NodepreviousEdgenextEdge に複数の TM_Edge を含めることができ、非線形位相を表す非線形グラフとなります。 そのような TM_Node からわかれる TM_Edge は、異なる地物時間特性や、 同じ地物の異なる時間特性を表現するため、何らかの方法で分離したものとみなします。 >>1 5.2.4.6.1

[13] しかし時間は単一次元ですから、 時間位相線形グラフと表現することが望ましいです。 そのような線形位相TM_TopologicalComplex にあっては TM_EdgeTM_Node は交互に出現し、 最初の位相プリミティブは最初の TM_EdgestartTM_Node であり、 最後位相プリミティブは最後の TM_EdgeendTM_Node であって、それ以外の TM_Node は必ず previousEdgenextEdgeTM_Edge を1つずつ有することとなります。 >>1 5.2.4.6.2

[14] 例えば天皇の在位期間を TM_Edge で表すことにすると、 南北朝時代などに複数同時在位があるため非線形グラフで表現せざるを得ないことになります。

関連

[17] 編年

メモ