[1] 90年代後期から00年代前期には、 W3C が DOM の標準化を担当していました。 W3C DOM は W3C が開発し出版していた DOM 仕様群の総称です。
[9] 現在では DOM 本体や HTML DOM の開発は WHATWG に移っており、 CSSOM、SVG DOM、UI Events といった特定の対象を持った API 群を W3C の各 WG が担当する形になっています。
[4] 次の仕様は未完成です。
[12] W3C での DOM の標準化は90年代後半に IE4 と Netscape4 が完全に非互換な DOM をそれぞれ実装した後に始まりました。 政治的決着故か、両者どちらと似ているところもありつつ、完全にはどちらとも一致しないものが W3C勧告として標準化されることとなりました。
[13] 結果 IE は DOM1 を (IE4 DOM に加えて) 実装しましたが、 Netscape は第1次ブラウザー戦争の敗北により DOM1 を実装することなく事実上開発が停止しました。 数年の時を経て Gecko (Mozilla Suite および Netscape6) が DOM1、 DOM2 および DOM3 の一部を実装しましたが、 逆に IE は第1次ブラウザー戦争の勝利により DOM1 のままで開発が停止していました。 こうした状況から、Webアプリケーション開発者は Netscape4 DOM、 IE4 DOM、W3C DOM の混在と非互換性に長年悩まされることとなりました。
[14] W3C DOM はプログラミング言語非依存であることを目標の一つにしており、 規定の一部として Java束縛と ECMAScript束縛を定義していました。 従ってそれまでの DOM0 と比べて JavaScript 色は薄まっていました。 ブラウザー戦争終結により Webブラウザー開発者の発言力が低下し、 サーバー側の開発者が積極的に標準化に関わるようになった時代的背景もあり、 DOM2、DOM3 と進むにつれ API 全体の Java 色が増していきました。
[15] W3C は新規 API の開発を進めていきましたが、既存の DOM0 API
の標準化には興味を示しませんでした。 Webブラウザー業界の停滞により、
Webブラウザーで一部実装が進められていて需要も比較的高かったはずの
DOM3 LS DocumentLS
/ElementLS
、
DOM3 Events、DOM3 XPath といった仕様群は完成の目処が立たず、
開発が中止されるに至りました。一方で DOM3 Core の追加 API や
DOM3 Validation のような結局 Webブラウザーに実装されることが無かった
(Java 色の強い) 新仕様も、サーバー側での実装があるということで
W3C勧告となっています。
[16] gsnedders/dom-test-suite: git clone of the old, seemingly abandoned DOM test suite. CVS HEAD tagged as cvs-head. () <https://github.com/gsnedders/dom-test-suite>