Microsoft OfficeのHTML

Microsoft Office の HTML

[15] Microsoft Office は1990年代末に HTML 保存機能を実装しました。 これは HTML に独自の拡張を加えて Microsoft Office としての文書の情報を保持できるようにし、再び Microsoft Office で開いた時に元の文書を再現できるようにしたものでした。

[16] 技術的には、 HTMLCSSJavaScript の標準化された機能や Microsoft が提案していた機能に加えて、 Microsoft Office 固有の (IE すら対応していない) 拡張を豊富に活用したものでした。

そうした非標準の機能は、 他の一般的な Webブラウザーや編集ソフトウェアでは無視される形になってはいましたが、 Office で編集して HTML として公開することを望んでいた人々にとっては文書サイズが増大するだけの無駄情報でしかありませんでした。 (再編集したいならこれまで通り元の Office 独自形式のファイルを保持しておけば良い (その方がファイル1個だけで済むので便利でもある) ので、 嬉しい人がどれだけいたのかは謎です。)

[18] HTML には条件付きコメントが多用されていました。 IE が実装していたのと同じ構文ではありましたが、 IE とは違う様々な条件式が用いられていました。

[1] <![if !supportEmptyParas]>***<![endif]> という文書片の *** の部分は、 if 節の条件が満たされれば評価されます。 (どういう意味があるのかはよく分かりません...) (しかも内容が空だったり。)

[2] 接尾辞 o: がつく要素型が使えます。 M$ 的には WinIE などでも XML でない HTMLXML名前空間 (のようなもの) が使えましたが、 それだけではなく、この o: という要素型は名前空間接頭辞と名前空間 URI の関連付けを行わなくても使えるらしいです。

o:p 要素型は、 HTMLp 要素や span 要素の内容となることが出来るようです。 意味は段落のようですが、よく分かりません。

[17] ベクトル画像VML として埋め込まれていました。その VMLIE で実装されていた標準の機能だけでなく、 o: 名前空間の独自機能を含むものでした。