[2] 水準は、 CSS において仕様の段階を表す語です。 CSS のある水準では、以前の水準に更に積み上げる形で、定義を改善したり機能を追加したりしています >>1 2.。低い水準は高い水準の部分集合になっており、高い水準に適合するなら低い水準にも適合する、 という構造になっています >>1 2.、>>6 2.。
[3] CSS では「版」のかわりに「水準」が仕様書の版を表す言葉として使われています。 従来の意味の「版」は無い、と >>1、>>6 にあるように、 CSS の進化は複数の別々の版を作ってゆく形ではなく、 単一の CSS という言語の機能集合を徐々に拡大していく形になっていて、 適合性の文脈におけるいわゆる実装水準を追加していくとみなすこともできます。
[5] とはいえ、年を追うごとに機能を追加して新たな「水準」としていく開発の方法だと、 それが仕様の改訂を重ねていく結果としての「版」にも実質的になってしまいます。 例えば CSS1 勧告から CSS2 勧告への改訂ではいくつかの非互換な変更が行われています。 これを CSS 第1版と CSS 第2版と捉えられないこともありません。 ただしそうはいっても現実に CSS という言語は1つで、 CSS1 仕様書にあった定義は (今となっては) 誤ったものです。そのため、 CSS WG の解釈では CSS1 とは CSS 2.1 (以降) の仕様書によって定義される CSS という言語のうち、 CSS1 仕様書で定義されていた機能の範囲を指す、ということになっています。
[7]
ただ、この方法の定義も CSS3 が最後で、 CSS4 とそれ以降は存在しないことになっています。
[8] 現在の CSS の仕様書は、機能ごとに個別に出版された仕様書の総合体となっており、 それぞれ個別に水準が与えられています。 水準の数値は同じ仕様書の新旧のみを表していて、 他の仕様書の数値とは連動していません。