[1] 「大宗を占める」どういう意味? – 毎日ことばplus,
新野信,
2012.09.29,
https://salon.mainichi-kotoba.jp/archives/2423
この結果から考えると、現在では「大宗」という言葉は「大部分、大半」という辞書には載っていない意味で使われることのほうが多く、一種の業界用語といえるのではないかと思われます。
毎日新聞のデータベースは約25年分、国語研究所のコーパスは約40年分を収集しているのですが、それ以前にはどのように使われていたのかを知る手がかりになるかもしれないと思い、国立公文書館のデジタルアーカイブも検索してみました。
これはデータベースやコーパスのように全文を網羅しているわけではないのですが、1914年から1966年の間に13件の用例が見つかりました。そのうち3件に「講習会に要する経費の大宗は、ILOの負担」(1952年)といった現在よく使われている意味に近いと思われる用例があり、この3件はいずれも1952年のものだったので、この頃から本来よりも広い意味で使われ始めたのかもしれません。
そう考えるのは日本人だけではないようで、中国語に詳しい同僚によると、現在の中国語の「大宗」には「大口、大量、多額」といった意味もあるそうです。
日本語と中国語という違う言語で、言葉の意味が同じように変化していったのは人間の思考の共通点が見えるようで、なかなか興味深いものがあると思います。
余談ですが、ネット上では「大宗を占める」を「太宗を占める」とする誤記が多く、「大層を占める」も散見されます。
[2]
信頼性があまり評価されない毎日新聞社の校閲部門の記事。この記事についてみればそう大きな問題はなさそう。
[3]
ただ、近代日本と中国で共通の現象が見られるときに前近代の日本語,
中国語を調べないで結論を急いでいるのは危うい。
[4]
また、「太宗」を誤記と判断した理由も明記されておらず不明。
[5] XユーザーのIBanker’s Eyeさん: 「「大宗」は金融機関のプレゼンでも目にするので、この委員同様、モヤモヤした気分で眺めていた。 最新版の大辞林を改めて引くと語義として「物事の大部分」も採録されていて、今や誤用が認められつつあるようだ。 毎日新聞の校閲担当者のコラムによると、1950年ごろの官公庁が誤用の起源のようだ。 https://t.co/ythFdB8Nfe」 / X, , https://twitter.com/IbankerEye/status/1703283096970576269
[6]
>>1 は「大宗」を誤用とは書いていないのに、 >>5 は「大宗」が誤用と誤読している。
[23]
また、 >>1 は官公庁用例の存在を指摘しただけで、それが起源とも断定してないのに、
>>5 が勝手な解釈を加えている。
[24]
インターネットで評判が悪い毎日新聞社の校閲部門でさえ慎重になるレベルの案件でロクに調べもせず断言するのは危うすぎる。
[7] Xユーザーのやけくそ海上さん: 「とある文章を読んでいると、「太宗を占める」というような表現が頻出していて、あまり見慣れないのでググってみたところ、金融庁のWG議事録でも誤用を指摘されていて笑ってしまいました https://t.co/R1Hjbg93vi」 / X, , https://twitter.com/yakekuso_ins/status/1703225171287613623
[8] >>7 所引議事録発言は「太宗」は誤記で、正しいのは「大宗」だが誤用だとしている。
根拠は何らかの辞書。
何かは不明なので判断の妥当性も検証不能。
- [9] XユーザーのMasao Yoshimuraさん: 「@IbankerEye @HiroyukiKURIHA5 こういうネタは好きなのでNDLデジタルコレクションで調べてみましたが、少なくとも大正時代から用例があり、戦前でも官庁系の報告書を中心に使われていたようです。 立憲政友会編『政治講座』(大正15年)618ページ9行目(安藤正純氏が執筆した章) https://t.co/izuKMTh1vu」 / X, , https://twitter.com/masayoshimu/status/1703308740529934446
- [10] XユーザーのMasao Yoshimuraさん: 「@IbankerEye ご返信ありがとうございます。「大宗を占むる」まで含めると明治末まで遡れるので、かなり伝統のある「誤用」だということになりそうです。」 / X, , https://twitter.com/masayoshimu/status/1703366398553276694
- [11] XユーザーのIBanker’s Eyeさん: 「@masayoshimu ありがとうございます。 明治末から伝統があるにもかかわらず、辞書に語義が採録され始めたのがおそらくここ10年程度というのも、また味わい深いですね。」 / X, , https://twitter.com/IbankerEye/status/1703394122382598149
- [12] XユーザーのMasao Yoshimuraさん: 「@IbankerEye 戦前の税制改正に関する報告書でも出てきますし、実は私は違和感を覚えない側だったので面白かったです。ありがとうございました。」 / X, , https://twitter.com/masayoshimu/status/1703428127576486273
- [18] XユーザーのIBanker’s Eyeさん: 「「大宗(太宗)を占める」問題。 やはり違和感を覚えていた人が相当いたようだ。 一方、謎は思いのほか深そうだ。 ・官公庁を中心にみられる「誤用」だが、起源はいつ、どこなのか?(少なくとも明治27年までは遡れる) ・辞書に語義として採録されたのはここ10年以内とみられるが、何故か? (続) https://t.co/kxWKkLfCC1」 / X, , https://twitter.com/IbankerEye/status/1703403553136763223
[13] >>9 の著者は誤用の認識がなかったのに、 >>5 の影響で「「誤用」」と認識するに至った。
- [14] Xユーザーのやけくそ海上さん: 「いくつか引用などでコメントいただいていますが、「大宗」でなく「太宗」が保険規制ではよく見かけます 「大宗」は辞書等でも市民権を得つつあるようですが、そこから派生したと思われる「太宗」は完全な業界用語なんですかね https://t.co/TvCMtScAPx」 / X, , https://twitter.com/yakekuso_ins/status/1703285979862442431
- [15] XユーザーのIBanker’s Eyeさん: 「@yakekuso_ins なるほど、ありがとうございます。 ミスタイプではなく、「太宗」が堂々と使われているのですね。 官公庁用語の中の、更に保険監督行政用語なのかも知れませんね。。。」 / X, , https://twitter.com/IbankerEye/status/1703295285806735732
- [16] XユーザーのRyo Takagiさん: 「入省してすぐの時、上司の書いた文章の「大宗」を「大部分」に修正したら、めちゃくちゃキレられたな。広辞苑を引きつつ説明したが、とにかく前例があるんだよと怒鳴られただけで終わった。」 / X, , https://twitter.com/ysoleilbleu/status/1703373610776428802
- [17] XユーザーのIBanker’s Eyeさん: 「・官公庁以外で「誤用」はどこまで広がっているのか?(金融機関のほか、NTTでも使われている模様) ・一部(保険監督行政)では「太宗」という二重誤用も見られるようだが、その経緯は?この二重誤用は広がっているのか?」 / X, , https://twitter.com/IbankerEye/status/1703403556395708518
- [19] XユーザーのTC/サステナ勉強中さん: 「G7の脱炭素に関する声明でpredominantlyを”太宗”と訳していて、この表現は前から気になっていた。やっぱり誤用なのね https://t.co/AoMGOCKkos」 / X, , https://twitter.com/scope3cate11/status/1703374361892421847
[21]
大と太は前近代の東アジアでは当然に通用していたにもかかわらず、
現代日本語では完全に別字と認識されている。
太
ということは誤用、誤記が広まっていると判断するより、
前近代か近代に生じてどちらでも書かれていた語だからどちらでも書かれ続けている
(業界による局所性はある) と判断する方が妥当性が高いのではないか。
(ただしこの語が生じた時期を示すだけで、用法が生じた時期まではわからない。)
[22] 違和感を覚える人が多い一方で官公庁や一部業界では普通に用いられている。
このような語法や表記を「誤用」と安易に認定するのはいかがなものか。
しかもどこかの新聞社や誰かもわからないSNSの投稿者の勝手な判断だけで「誤用」
認定されているのが非常に危険。
言語系失礼クリエーター案件。