時蔵は「昭和56年から時蔵を名乗っておりまして43年になります。この名前を息子の梅枝に譲り、私が初代として中村萬壽という名前になります。この萬壽という名前は私が作った名前でございます。私のうちには名前がございませんので新しく作りました(笑)。合わせて、梅枝の子どもの大晴が五代目梅枝として初舞台を踏まさせていただきます」と話す。
ただ、お酒好きにとって、萬壽といえば、日本酒の銘柄である「久保田 萬寿」が思い浮かぶ。これについて時蔵は「この間、うちの家内と、たまたまデパートで『萬寿だ!』とびっくりしました。お酒飲まない人には全然わからない。そこから取ったわけではございません。平安時代の元号。元号ですから縁起が悪いわけではございません。おめでたい名前です」と笑う。「もう1つ言うと萬壽元年は西暦で言うと1024年です。ちょうど1000年前。それも何か因縁めいているなと思い」と萬壽の由来の深さを掛かっていた。
新しく名乗る萬壽について時蔵は、いくつかあった候補の中から萬壽にしたことを明かし「調べますと萬壽は平安時代の元号。清盛が、まだ登場する前」とした。十干十二支で時蔵という名前に縁深い甲子に改元されたこともあって萬壽に決めた。「甲子。いちから始まる。萬壽という名前をいちから築いていこう、私の芸もいちから見直して行こうと思って萬壽にしました」と説明した。
[2] 令和の時代に1000年も前の元号に因んで命名というのが起こり得るというのが驚きだし、 干支に、というか甲子改元にも絡んでいるというのがまたおもしろい。
[3] 元々甲子革令は良い意味ではないのだが、新しい出発という良い部分を取り出して使っているのが注目するべき点。
[4] 今回新たに作られた名前なのに「襲名」といっているのも興味深い (「襲名」は引用部分にないので、 当事者サイドが言っているのか記事が勝手に言っているのか不明)。
[5] 新たな名前なのに旧字体の「萬壽」。酒の名前は半分旧字体の「萬寿」。 そして新字体の「万寿」はこの記事には登場しない。
[6] 酒の方の名前の由来はよくわからないが、百寿、千寿など「寿」シリーズのブランドなので、 元号名とは関係がなさそう。