[8] HTTP 頭欄 Content-Version:
は、その記述する実体の版を表す文字列を値に取ります。
「版」と言っても、ある作業から派生した別の作業
(例えば GNUEmacs に対する XEmacs。)
やある資源の別の表現 (例えば英語版に対する日本語版。)
のようなものもありますが、
この欄はそのような目的で使うのではありません。
(前者の場合は異なる URI を与え、
後者の場合には Content-Language:
欄などを使います。)
同じ一つの資源の、第1版と第2版のような区別を表現するのが、 この欄の役割です。
[9] この欄は読み書き可能な HTTP の実現のための機能の一つであったわけですが、 標準化が思うように進まず、 HTTP/1.1 の最初の RFC である RFC2068 では参考としてあげるに留まり、 SE である RFC2616 では余り使われていないとして触れていません。
結局読み書き可能な HTTP の実現は WebDAV として標準化されましたので、この欄は普及することなくその役目を終えたと言っても良いでしょう。
quoted-string
で自由文である辺りが、既に標準化の失敗を物語っているような。[1] Content-Version:
欄を、 HTML
の meta 要素で http-equiv 属性を使って何かの版管理のために使っている人がいるようです。
しかし、その書式は HTTP とは異なり、 quoted-string ではなく引用符のない自由文のようです。
確かに HTML としての引用符が既にありますから、それに重ねて (しかも名前実体参照で) 引用符を書くのはあれではありますが。
それに Content-Version:
欄の標準化がうまくいかなかったのですし、仕方ないといえば仕方ないんですが。
あまりお勧めできない使い方ですね。
[18] IANA登録簿には RFC 4229 により RFC 2068 を出典に登録されています >>16, >>17。
[19] 状態は「標準」となっています >>16。ただし一覧表では空欄になっています >>17。
[21] RFC Errata Report ( ( 版)) <http://www.rfc-editor.org/errata_search.php?rfc=4229>